6BM8

超3結パラシングルアンプの製作

ケースは、木枠とアルミで組み立て。手作りです。

【動作の構成を考える】
 出力段のプレート電圧は、250Vとして考えます。
 電源トランスがネットオークションで手に入れたもので、225V-0V-225V、200mAというもので、実際の電圧は、200V-0V-200Vということでした。200V×1.3倍=260Vなので、 チョークと出力トランスでの電圧降下を10Vと見て、260V-10V=250Vとしました。
 もう少し高い電圧が欲しいところですが、、、。
 供給する電圧が低いので、出力段は、160Vで動作するように考えました。
 出力トランスは、手持ちの春日無線KA-3250を2段重ねとします。
 6BM8は、2本ずつペアのものがあるので、方チャンネルごとに2本ペアでパラレルとします。

【初段】
 超3結アンプは、出力段のプレート電圧がそのまま初段の上側の球にかかり、初段の構成はSRPP回路と同じなので、上側の球は抵抗とみなしてかんがえました。

 「私のアンプ設計マニュアル」によれば、上側の球の負荷抵抗値は、
負荷抵抗値 = 上側球のrp + ( 上側球のRk × 上側球のμ ) + 上側球のRk
 ということなので、

 上側球のRkを、4.3KΩとすると(4.3kの抵抗をもっていたので)
負荷抵抗値 = 28K + ( 4.3K × 60) + 2K=288k
 になります。

 次のとおり、290Kのロードラインを引いてみます。
 バイアスは、-1Vより低くできないので、-1Vとします。
 初段のIp=0.6mAくらいです。
上 側球の負荷抵抗値=290kなので、Ip=0.6mAならば、電圧降下は、290k×0.6mA=174Vですから、上側球のカソード電圧=出力段のグリッド電圧は、250V-174V=76Vとなります。


【出力段】
 3kのロードラインを引きます。できるだけ許容プレート損失7Wのラインに近づけて、ロードラインを引きました。
プレート電圧が250Vで160Vで動作させ、出力段のカソード電圧は、90Vということで考えてみます。
 初段の上側球のカソード電圧=出力段のグリッド電圧が76Vなので、バイアスが10V程度ならば、出力段カソード電圧は、76V+10V=86Vになります。
 ちょっと余裕があるので、動作点のプレート電圧を少し上げます。
 動作点は、プレート電圧165V、プレート電流40mA、バイアス-13Vあたりとします。
 プレート電圧165V+バイアス分13V+出力段のグリッド電圧76V=254Vとなりますので、大体良しとします。
 出力トランスは、春日無線KA-3250が手持ちで4個あったので、2個ずつ並列に接続します。出力段側は、3kを使います。3kを並列にした場合は、半分の1.5kとなりますが、パラレル構成なので、1本あたり3kの負荷になりますので、3kでロードラインを引きました。

【電源部】
 電源は、ダイオードを使い整流します。チョークトランスは、春日無線のKAC-5120が手持ちで2個あるので、左右にそれぞれ使います。
 トランスはオークションで手に入れた古いものです。「225V-0-225V、200mAと印刷されていますが、実際は、200V-0-200V、200mA」ということで手に入れたものです。
 6BM8に1本当たり40mA程度流した場合、パラレルで4本使っても、なんとか大丈夫です。
 整流後の電圧は、200V×1.3倍=260V。チョークと出力トランスで約10V程度の電圧降下をみて、出力段のプレートに供給できる電圧は250Vと考えました。

【製作】

シャーシ上の配置

シャーシ内部の配線

失敗1
 実際に製作してみると、電源トランスが、予定した電圧が出ていません。「200V-0-200V」と思っていたのが、実際に、トランスを設置して、測定してみると「190V-0-190V」です。190V×1.3倍=247Vです。シャーシに設置する前に、というより購入した時点で、電源トランスを裸のまま測定しておけばよかったのですが、新品を購入したつもりになって、そのまま使用してしまいました。オークションで手に入れたものは、自分で責任を持って管理しないとだめです。
 もともと電圧が不足ぎみなので手痛いミスです。しかし、そのまま予定どおり製作を続けました。

失敗2
 配線が終わって、各部の電圧を測ってみると、出力段のプレート電圧が225Vしかありません。整流後に約20Vの電圧降下があります。
 よく考えてみたら、パラレル構成なので、6BM8の2本分で約80mA流れます。チョークトランス「春日無線のKAC-5120」の直流抵抗は147Ωです。80mA×147Ω=11.76Vの電圧降下があります。また、出力トランス「春日無線KA-3250」は、B-3kΩ間で178Ωあります。並列なので半分として、89Ωです。80mA×89Ω=7.12Vの電圧降下があります。出力段のプレート電圧では、合計で、11.76V+7.12V=18.88Vの電圧降下があるので、247V-19V=228V。実際の電圧の測定値とほぼ合っています。
 出力段は、140〜150Vで駆動しているようです。また、左右で電圧がそろっていませんが、多分、左右4本が特性のあった球を使えば、大丈夫だと思います。初段の下球カソード抵抗と上球の抵抗を調整すれば、左右をそろえることができると思いますが、真空管のそれぞれの特性をそのまま受け入れることにします。

【試聴】
 当初の計画よりも、だいぶ供給する電圧が低くなってしまいましたが、各部の電圧を測定するとそれなりに妥当な数値になっているので、早速、試聴してみました。
 シングルアンプなのに、低域が力強く鳴ります。全体として、力強く、綺麗な音です。以前、同じ部品で「6BM8直結SRPPパラシングル」を作ったのですが、今回の超3結の方が、パワーがあるように感じます。
 左右で測定した電圧がそろっていませんが、左の音と右の音の違いは、聞き分けられません。
 当初の設計とかなりズレたものに仕上がってしまいましたが、ちゃんといい音が出ます。真空管アンプは、あまり神経質にならなくても、大丈夫なんですよね。