【電源部】
電源は、ダイオードを使い整流します。チョークトランスは、春日無線のKAC-5120が手持ちで2個あるので、左右にそれぞれ使います。
トランスはオークションで手に入れた古いものです。「225V-0-225V、200mAと印刷されていますが、実際は、200V-0-200V、200mA」ということで手に入れたものです。
6BM8に1本当たり40mA程度流した場合、パラレルで4本使っても、なんとか大丈夫です。
整流後の電圧は、200V×1.3倍=260V。チョークと出力トランスで約10V程度の電圧降下をみて、出力段のプレートに供給できる電圧は250Vと考えました。
【製作】
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シャーシ上の配置 |
シャーシ内部の配線 |
失敗1
実際に製作してみると、電源トランスが、予定した電圧が出ていません。「200V-0-200V」と思っていたのが、実際に、トランスを設置して、測定してみると「190V-0-190V」です。190V×1.3倍=247Vです。シャーシに設置する前に、というより購入した時点で、電源トランスを裸のまま測定しておけばよかったのですが、新品を購入したつもりになって、そのまま使用してしまいました。オークションで手に入れたものは、自分で責任を持って管理しないとだめです。
もともと電圧が不足ぎみなので手痛いミスです。しかし、そのまま予定どおり製作を続けました。
失敗2
配線が終わって、各部の電圧を測ってみると、出力段のプレート電圧が225Vしかありません。整流後に約20Vの電圧降下があります。
よく考えてみたら、パラレル構成なので、6BM8の2本分で約80mA流れます。チョークトランス「春日無線のKAC-5120」の直流抵抗は147Ωです。80mA×147Ω=11.76Vの電圧降下があります。また、出力トランス「春日無線KA-3250」は、B-3kΩ間で178Ωあります。並列なので半分として、89Ωです。80mA×89Ω=7.12Vの電圧降下があります。出力段のプレート電圧では、合計で、11.76V+7.12V=18.88Vの電圧降下があるので、247V-19V=228V。実際の電圧の測定値とほぼ合っています。
出力段は、140〜150Vで駆動しているようです。また、左右で電圧がそろっていませんが、多分、左右4本が特性のあった球を使えば、大丈夫だと思います。初段の下球カソード抵抗と上球の抵抗を調整すれば、左右をそろえることができると思いますが、真空管のそれぞれの特性をそのまま受け入れることにします。
【試聴】
当初の計画よりも、だいぶ供給する電圧が低くなってしまいましたが、各部の電圧を測定するとそれなりに妥当な数値になっているので、早速、試聴してみました。
シングルアンプなのに、低域が力強く鳴ります。全体として、力強く、綺麗な音です。以前、同じ部品で「6BM8直結SRPPパラシングル」を作ったのですが、今回の超3結の方が、パワーがあるように感じます。
左右で測定した電圧がそろっていませんが、左の音と右の音の違いは、聞き分けられません。
当初の設計とかなりズレたものに仕上がってしまいましたが、ちゃんといい音が出ます。真空管アンプは、あまり神経質にならなくても、大丈夫なんですよね。
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