| 愛をもとめて5000キロ!! | ||
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第1話 |
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9月6日(木) 時間のない旅
午前3時、これから何日間か俺を支えてくれる道具達を愛車に積み込みその心臓に火を入れる。 それを時々邪魔するのが赤く輝くシグナルだ。しかし、それは景色のない闇の中でわずかな休息をくれる。2時間も走っただろうか、久喜ICより東北自動車道にのり、北を目指しスロットルを大きく開ける。 先ほどよりエンジンの唸り声も大きくなる。それに比例するように風を切り裂く音もだんだんと暴力的になる。しかし速度を増せば増すほどに安定してくる不思議な感覚からか不安は微塵もない。少ない車の流れを常にリードし、時には遠く先の車が一瞬で目前に来るスピードも試してみるが、激しい風の声が俺の理性と恐怖心に語りかけてくる。 「もう そのくらいにしておきな・・・」 そして、今日の目的地である十和田市に到着、青春の頃の懐かしい味を求めて行き着けだった定食屋に行くが、そこにその店はなかった。しかたなくもう一軒別の店に行くが、店が見つからない。道を間違えたのかと思いその周辺を探すが、見つかったものは小さな時計屋のショウウインドウに貼られたWinkの色あせたポスターだけだった・・・ 毎日正確に時間を刻んでいた腕時計にもしばらく休日をあげよう。 野営場に着くと受け付けを済ませテントを張る。しばらくすると歯切れの良いバイクのエキゾーストが響き渡る、駐車場に行くとハーレーが一台、俺はそのライダーに声を掛けいろいろな情報をもらう。その後、酸ヶ湯温泉で一日の疲れを洗い流し、簡単な夕食で空腹を満たし、 |
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9月7日(金) 津軽海峡冬景色
あたりが明るくなって目が覚めた。テントの外はうっすらと朝靄が立ち込め空気が冷たくて気持ちがいい。顔を洗い、コーヒーを沸かしパンを腹に流し込む、出発の準備をしているとハーレー乗りが出発の挨拶にきてお互いの安全を誓い別れる。俺も準備が整い出発。朝一番に雪中行軍青森第五連隊の後藤伍長の銅像へ行き敬礼をして一路青森港を目指す。 |
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朝もやの中、ひっそりと再会を喜ぶ後藤伍長と俺。 |
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フェリーターミナルに着くと雨が降り出す。乗船手続きを済ませ愛車をフェリーに載せるとすぐに出港となった。函館までは約4時間、午後1時には着く予定だ。その間に上陸後のルートを決めるため地図とパラパラとめくるが、どうも天気が気がかりでしょうがない。窓から見る景色は鉛色の空に白波がたっている海面、「津軽海峡冬景色」まるで演歌のようだ。 八雲町の街中に入ると旅館がちらほらと現れコンビニや食堂も目に入り少しほっとする。とりあえず八雲駅に行くが、ついにそこで力尽き駅前にあった 。桜庭旅館の玄関をくぐったのであった。そこの主人や奥さんが全身ずぶ濡れの俺を温かく迎えてくれる。濡れた服を着替え夕飯の買い出しに近くの コンビニへ行き、その後熱い風呂で冷え切った身体を温め、夕食を取り暖かい布団の中で眠りに落ちていった。ちょっと前の出来事が嘘のようだ。 これだから旅はおもしろい。 |
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9月8日(土) 移動だけの一日 汽車の音で目が覚める。ここは駅前なんだと改めて実感する。しばらくボーッとした後テレビのスイッチを入れ天気をチェックする。 どうやら今日は太陽がでないけど天気がもちそうだ。顔を洗いちゅらさんを見ながらのんびりと独りで朝食を取り、これまたのんびりと荷造りをして旅館の奥さんが乾かしてくれたカッパを受け取り出発する。今日は襟裳岬を目指して行けるところまでの予定。 ひたすら海沿いの国道を走り、途中で洞爺湖畔を一周し(有珠山の噴火口は見忘れていた)また海沿いの国道に戻り途中のドライブインで旬の秋刀魚焼き定食を注文したが、出てきたのはどうやら冷凍物らしかったのには激しくがっかりしたのであった。 結局この日は、室蘭、苫小牧を通過し静内町の町営キャンプ場で野営することになる。しかし、週末の為キャンプ場はファミリーキャンパーだらけで騒がしいのが残念であったが、隣接している温泉は設備が良くて一日の疲れを癒すのには絶好の場所だったのが救いだ。 バイクのライダーも大勢いたが、集まって酒盛りをすることも無く夜は更けていったのであった。 |
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9月9日(日) 偶然の幸福 朝は子供たちの声で目が覚める。しばらく空をボーッと見つめつつコーヒーを沸かす。今日も雲が多いのが気になる。コーヒーを飲みながらパンをかじっていると、隣なりのテントから日焼けした若い女性が顔をだし目が合った。おもわず反射的に「おはよう」と挨拶する。どうやらソロのライダーのようだ。もうちょっと話をしたかったが、お互い寝起きでボーッとしていてなんとなく話をすることなく俺は荷物をまとめ根室を目指し一日のスタートをきったのであった。気になる彼女はどうやら連泊するようだ。 昼前に襟裳岬に到着する。風が強く上空には自衛隊のF15が爆音をあげながら飛んでいる。お腹がすいたので土産物屋の食堂で「えりも定食」 |
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強風の中、お決まりの記念写真 |
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なるものを注文し、地図でこれからのルートを確認する。しばらくして定食は俺の前にやってきた。 ぱっと見てマグロの刺身の色がおかしいことに気づく。 食べてみるとやはり冷凍物だ。しかもまだ凍っているじゃないか・・・ 昨日の秋刀魚といい今日の刺身といいなんだかついていない。 |
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9月10日(月) 天国と地獄
波の音で目が覚める。外は相変わらず霧が濃い。チャリダー達はすでに出発したり準備を整えて間もなく出発という状態。ライダー達は大半がまだ夢の中だ。いつものようにコーヒーを沸かしつつ今日のルートを決める。昨日まで目指していた根室はキャンセルして海沿いに知床を目指す事にする。 |
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