奥多摩 川苔山(川乗山) 春の下僕歓迎登山

2006.5.3 


【新人誘致活動】                               

スターリン張りの絶対君主制と恐怖政治が吹き荒れる不可思議な団体「女王の登山教室」も1月の鍋割山行の成功で更に?勢いが増してきました。

我々は更なる女王様の業務拡大路線及び下僕増員を目指し壮大な謀略が練られたのである。
まずは女王専属侍従長件企画委員長であるイソップが某サバゲー集団内において水面下における新人勧誘活動を行い釣れた数人を口八丁手八丁でハギー基地におけるすき焼き接待に勧誘。
山雑誌や用品カタログ等で山の楽しさを誇大アピール。
作戦は功を奏し見事に3人の新人下僕をゲットするに至ったのである。


【そんな訳で今回の参加メンバーはこんな面々】                                 

赤鬼女王様/この登山部における絶対君主であらせられる。
イソップ/侍従長及び登山企画委員長、山歩きしながら文句と愚痴を言うのが特技。
キリンちゃん/メンバー中唯一の高校山岳部出身にて当然ながら一番の実力者
地底人/新人勧誘活動で釣れた新人その壱、
エイトワン(8‐1)/新人勧誘活動で釣れた新人その弐、
ブガチョフ/新人勧誘活動で釣れた新人その参。今回の主役。
ハギー/ワタクシです。


【ルート】                                 

奥多摩駅―(バス)―川乗橋ー百尋の滝―川苔山―大根ノ山ノ神―鳩の巣駅


【電車山行は遠足気分】                               

JR立川駅集合―青梅線―奥多摩駅―バス―川乗橋

早朝、白々と夜が明け始めた頃、遠足の朝よろしく目覚ましが鳴る前にバッチリ起床したワタクシ。
しっかりと朝御飯を食べ前日にパッキングしたザックを軽くチェックして車で出撃。

まず近所に住むキリンちゃんを拾って一路JR橋本駅へ、前もってチェックしておいた1日1500円のコインパーキングに車を停めていざ電車の人となり、横浜線で八王子に進み、中央線に乗り換え、今日の集合場所になっている立川駅に向かいます。
さすが黄金週間。中央線の車内も中高年ハイカーで一杯。山行気分は否が応でも盛り上がってきますよ。

立川駅のホームに降りると既に怪しいオーラを発している人影が2名。
新人隊員じゃなかった新人下僕の地底人とエイトワンではないか。どうやら同じ電車で到着したようです。
待ち合わせ場所である青梅線のホームに向かうとすでにイソップが到着済み。
ほどなく赤鬼女王様とブガチョフも到着し無事今回の参加予定者が揃ったのである。

さてここで数日前からBBS上を賑わせてきた新人隊員のザックをチェックしよう。
ブガチョフは意外と良物でグレゴリーの迷彩ザック。
エイトワンは事前に登山用ザックを物色したが石橋を叩いて渡る性格なのか、購入せずに自前のミリタリー系ザック(ブラックホークだったりして)で出撃なのだが、日帰り登山の割に荷物が多い。何でも帰りはそのまま親戚宅に宿泊だそうで山装備とは別に宿泊装備も持参らしい(笑)。 そして今回一番の問題が地底人のザック、なんとスキーブーツのオマケでもらったような、どうしようもない巾着型リュックである。

山を舐めるんじゃねぇ

黒い生地に白いトナカイのプリントがおもいっきり可愛らしくおよそ登山に行くとは思えないのであった。

おまけにこの集団、女王様以外が全員いい年こいて某サバゲー集団構成員という履歴の為必ずどこかにミリタリーまたは迷彩の装備が入るという一種異常なオーラを漂わせているのである。地底人など、ほとんどラオスの反政府軍ゲリラである。とにかく一人一人だと不思議とあまり違和感は無いのだが、全員が集合すると、なんだか国防色というかカーキー色の集団になってしまうのだ。

だが当の我々はそんな事には一切構う事なく正しい中高年登山者軍団と供に意気揚々と青梅線に乗車。既に奥多摩早朝ハイキング列車と化した車両にすっかり遠足気分の我々は終点の奥多摩駅へ向かうのであった。
立川から1時間強揺られて電車は無事奥多摩駅に到着。駅は中高年登山者で埋め尽くされ阿鼻叫喚。
まるで平日の巣鴨地蔵通商店街の様相を示している改札を通りぬけ目指すは川乗橋方面に行くバスの発着場。
イソップのあまり当てにならない事前調査によるとバスの出発は1番バス停から30分後の予定。ならば、と、トイレに行く数名の隊員をよそに1番バス停を探すと目の前だったりして安心。
今日は大型連休の真っ只中だし臨時バスなんぞ出ていると思うんだが...と考えていたらその臨時バスがやって来た(笑)。そんじゃ先に乗ってるかぁと女王・イソップ・私はバスに乗り込み皆を待つ。
10分くらいは停車しているだろうと考えていたら1分少々でエンジンスタート。まずい、新人下僕とキリンちゃんが乗車しないまま発車してしまいそうな雰囲気である。女王様もイソップも仲間が乗ってこないことを心配もせずに話に夢中になっている。しかし、仲間思いの私は(爆)あせってしまい、
「呼びに行くか..どうするか...」
思案しているとトイレから戻ったエイトワン・地底人・キリンちゃんがあらぬ方向へとフラフラ歩いていくのを目視(爆)。「こりゃまずい!」とすでに満員の車内を掻き分け下車。3人を呼びとめ無事乗車させた。
ところがもう一人、ブガチョフがいないのである。「まぁいいかぁ。居なくても..」と思ったがとりあえず探す私の目にトイレ方面からハンカチで手を拭き吹きとのんびり歩いてくる氏の姿が目に入った。
ハンカチをしまったブガチョフは我々の姿が無い事に気づき、動揺を隠せない様子。
その姿は迷子になった5歳児のようであった。おもしろいのでしばらく眺めていたかったがそうもいかず、私は「集合写真を撮るために散り散りになった仲間を呼び集める中高年登山者」の林民子58歳(仮名)三鷹シニアハイキング倶楽部所属(架空)..よろしく人目もはばからず
「ブガチョフさぁ〜んこっちよこっち!!なにやってるのよぉ」と叫び無事全員乗車となったのである。

満員のバスはほどなく出発し安堵の時となる筈であったのだが、道はすぐに山道くねくねとなり満員の車内は右へ左への沈黙の阿鼻叫喚絵図となってしまった。
バスの運転手は花岡さん56歳(仮名)はベテランのようで、タイトな山道をもう飛ばす飛ばす都バス(笑)
20分くらいの行程の中、天井の手すりに捕まる私の手は痺れてきましたよ。
そんなこんなの都バスも無事に川乗橋のバス停に到着。ここで車内の約半分くらいの客が降りました。
嗚呼登る前に疲れた。


【最初はみんな元気なのだ】                          

川乗橋―百尋の滝                        

川乗橋で降りた登山客はとっとと出発してしまったが我々はまだ入口でウダウダしている。
ともあれ臨時バスのおかげで元々予定していた時間より早く到着してしまったので余裕があるのは確かなのだが。歩き始めのストレッチを決める私の横では
「お腹すいたぁ!」と叫ぶ女王様の口にすばやくチーズ蒸しパンを押し込んでいるイソップ。
いろいろ侍従長も大変そうです。

ウダウダ1

ウダウダ2

入口にゲートが有る為車の通行が無い安心感からやはりダラダラ歩く我々。
時折横を流れる川の感想などを言い合うが話の大半はミリタリー系のネタばかり。メンバーの組成を考えれは仕方がないのだが(笑)。そんな林道歩きもようやく終わりいざ登山道に突入!!というその瞬間。
「疲れたからきゅ〜けいぃ〜♪」
と女王様の御言葉が。我々女王の登山隊は女王様の意向は絶対である。
「ケッ!もう休むのかよ ったく」
イソップの恐れを知らぬ愚痴がさっそく飛び出す中、最初の休憩となったのである。
それぞれダラダラと休憩の時間をすごし、いざ登山道に突入。
渓谷沿いの道を写真係のワタクシを除いて女王様を先頭にさっそうと歩く我々登山隊。

ダラダラと林道を歩く

下僕達、休むわよ

奥多摩のメジャールートの割に登山道は狭く、時折川を渡る橋が現れ、適度にスリリングで皆を飽きさせない気持ちがよく楽しいルートが続く。
途中の橋の上で「飛び出せ青春ど真中!」的記念写真などを撮りつつ渓谷沿いを進むと沢をまくように岩肌を登るルートとなり、一山越えると目の前に綺麗な滝が現れた。

サバゲ中ではない

飛び出した青春

百尋の滝に到着。
なるほど奥多摩一の美滝と言われるだけに形の整った綺麗な滝で女性的な姿が美しい。
登山道から少し降り喜々として滝に近づく我々だが、ピークにしか興味の無いイソップと単に降りるのが面倒なエイトワンは分岐で休憩。
早く先に進みたい、いらいらイソップを尻目に行程途中の休息が最大の喜びである女王様はご満悦の様子(笑)。キリンちゃんは滝のすぐ脇まで行って「マイナスイオンじゃあ!!」とやっぱりご満悦。
ダラダラと長居するのは我々の得意技なのだ。

休んでばっかり

遊ぶな、元登山部


【目指せ頂上】

 

百尋の滝―川乗山山頂

滝休憩をすっかり堪能した後は遥かなる頂(手近な山頂という噂も)を指すのみ。
「我々はあの頂を征服するのだ!!ブヒー!」鼻血が出るほど血気に溢れる中年登山軍団。ではあったが、まずいきなりの急登から始まり、長い休憩で体の弛んだ我々はさっそく青色吐息。

隊列は見事に長くなり某サバゲー軍団御用達の無線機が効力を発揮し始める。「えー先頭のきりんちゃんきりんちゃん、女王様の休憩です。現在地で停止せよ」途中細い沢を通過したり、緩急のある勾配や変化する環境が飽きない好ルート。いやぁ楽しいです。
途中の分岐からルートは一気に急登となり隊列は更に長くなる我々。ここでトップを進むのは巾着トナカイザックの地底人。「反吐が出るほど歩いてみたい」とのたまっていたが、息の上がる急登が楽しくて仕方が無いらしい(笑)。変だ。

物足りないぜ、この急登

2番手はワタクシ、登りで独走と思われたキリンちゃんはどうやらサポートに徹して後方で追走しているようだ。そんな登りをしばらく登ると杉林が切れて展望が広がり、旧川乗小屋のある分岐に到着。
頂上まではあと少しなので2人で後続を待つとほどなく女王様・イソップ・キリンちゃんが笑顔で到着。

それから待つこと数分・・・・青色吐息のエイトワンとブガチョフが姿を現したのである。
特にブガチョフはもうその場に倒れそうな雰囲気である。

先頭集団

青息吐息

その場で軽く休憩した後は目指せ頂上!!すぐそこだ!!と皆ダッシュ!!・・・
はほんの100メートル(笑)再びの登りを登りきると変に賑やかな広場の中心に「川乗山(川苔山)山頂」の看板が静かに立っていた。

ダッシュ!

頂上はすぐそこだブガチョフ!

【山頂昼飯昼寝付き】                     

適当に記念写真など撮ったらそそくさとその場を離れて山頂から少し下った所で昼飯タイム。
だいたいがインスタントラーメン系だが、女王様は最近恒例のカレーウドン。イソップは愛用の新聞紙で巻いたアルマイト弁当箱に手製のシャケ弁当である。
みんなそれなりにおいしい昼食を食べているが、プガチョフ氏は一人そそくさと冷え切ったカローリメイトをむしゃむしゃと寂しく食べ終え、素早くなぜかサンダルに履き替えゴロンと横になった。
(日帰りにわざわざサンダルもって来る人初めて見ました)

正しい昼食風景

正しくないゴンドウ鯨

そしてしばらくすると大きなイビキが(爆)。
ブガチョフは得意の大イビキをたてながら昼寝タイムに突入したのである。その姿は砂浜にうちあげられて動けなくなり絶命したゴンドウ鯨の様であった。


【狂気の降下行】

山頂―舟井戸―大根ノ山ノ神―JR鳩の巣駅

長くのんびりした昼飯タイムですっかり重くなった腰とゴンドウ鯨のブガチョフを叩き起こし、いざ下りの時間。「下りは駆け降りろ」とは某高校山岳部の格言である(笑)。
とはいえ皆30を過ぎた中年軍団、膝に負担のかかる冗談はフリだけにしとかないとね。あう

旧川乗小屋の分岐を鳩の巣駅方面に進むとすぐに少々ガレめの下りになり慎重に下るもコケ2名(笑)。
山頂に吹いていた涼しい風も舟井戸あたりで温かい風に変わり着込んだ上着を脱ぐ→もう休憩な我々。
「私がよいと言うまでこっちを向くな」という女王様の勅令によりしばらく同じ方向を眺める我々。
道はここからひたすらにダラダラと下りの続く杉林の中の道になる。

途中枯れ沢のような石の下りを降りたあたりで休憩タイムとなるが、最後尾のブガチョフがヨレヨレと到着。その有様はもはや前に進む気力も無いという感じであった。10分ほどの休憩の後、再び女王様の勅令。
「プガチョフぅ〜遅いんだから先頭歩きなさいよぉ」
彼のペースで下れば少しは楽だろうとの女王様の慈愛のお言葉ではあるが、
ある意味「ちんたら歩いているんじゃねーよ」という非情なる無言のプレッシャーとも言える(笑)。

      ↑この後、メルトダウンした

そんな緊張した雰囲気で再び歩き始めた我々だが、5分もすると自体は予想外の展開へと動きつつあった。どうもペースが早いのである。普段コースタイムを1/3で踏破するキリンちゃんが
「なんか早くない?」と言うくらいのペースなのだから初心者中年軍団としてはかなり異常なペースである。

そう!先頭のブガチョフ氏が異様に早いペースで進んでいるのである。
かなり早いペースの我々を更に突き離していくようだ。こんなペースはそう長く続かないであろうとタカをくくっていたら延々とこのペースが続いていくのである。
ついにブガチョフが壊れたか?はたまた切れる前の電球の明るさか?
と皆口々に言い合うが、そんな声も聞こえない遥か先をブガチョフがずんずんと、暴走機関車トーマスの如く進んでいくのである。

こんなペースが皆続く訳も無く、大根ノ山ノ神の手前あたりで休憩タイム。この時の女王様の「ブガチョフはヒロポンでも打ったのか?」の一言でブガチョフは以後ヒロポンと改名する事になった。
また、この休憩時に通りすがりの今時滅多に見かけないニッカボッカを履いた登山者、木下松雄:推定71歳(仮名)に、ある出来事について濡れ衣的注意を言われたのだが、ここは大人として姿が見えなくなってから罵詈雑言を浴びせるのである。(内容は自主規制ぶははは♪)

そんな下りをまたしばらく歩いて行くと民家裏に出てそこで登山道は終わるのであった。
こんなとこは原動機付きの移動手段が無いと嫌になりそうな勾配のある街中を鳩ノ巣駅まで歩き我々の第一回集団登山は無事終了となったのであった。


【悲劇は導きなのか?】

山頂―舟井戸―大根ノ山ノ神―JR鳩の巣駅

7人となった女王の登山部ですが、発足以来の掟は何人増えても変わらないと女王様が豪語しております。そうつまりアレですよアレ。「ビールジャンケン」ですよ。
山の上ならばだいたい1本500円ほどになる高価なヒエヒエビールをジャンケンに負けた人間が全員に奢るという財布にとっては、危険極まりないこの勝負を今回はゴールの駅前食堂で行う事になりました。
ちなみに今回の参加者で誰とは言いませんが1人だけ酒の飲めない人間がいます。が、当然女王様の強権により参加となってしまうのです。そして恐怖のジャンケンタイムそらポン!!ポン!!

悪夢(感動)再び

「エイトワン様! 酒飲まないのに御馳走様でした!」

時価2,300円と化したコーラを前にして呆然自失のエイトワンを尻目に歓喜の乾杯をする我々一堂。
嗚呼うまい・・・うまいよぉ・・・タダビール最高です。

参加者全員に呪いの呪文を唱え続けるエイトワンと供に今日の反省会をする。我々は次回の山行に思いに胸をはせるのであった。
                               おわり