秋の北ヤツ・天狗岳テン泊山行

2006101415


【地図で酒が呑める男】                              

今回の北八ヶ岳山行プランは当初2週間前の予定だったのだが諸事情で1週間ズレ、そしてまた1週間ズレてこの日程になったのだ。実行日が延びに延びたおかげでルートを考える時間がとにかくあり、ソロのおかげで好き勝手にルートを考えた。地図を肴に呑みながら考えた数十プランの中、決行のルートは2日前に決まったのだった。


初日・1014(曇り・晴れ)                               

【稲子湯−みどり池】                               

地図上参考タイム・稲子湯(30)唐沢橋(2時間10)みどり池 

前日の夜に自宅を車で出発し松原湖近くで車中泊し早朝まだ暗いうちに稲子湯へ。
駐車場に車を停めて準備、
AM6時08分朝霧の中、稲子湯を出発。

テント泊装備(酒と肴が重い)満載のデカザックの重さがまだ慣れない体にズシリときて汗が噴き出す。
うへ〜 こんなんで一日歩けるんだろうか()そんな感じでヒィヒィ歩くと唐沢橋に出た。
地図での時間は
30分の表記だが実際はダラダラ歩いても15分くらいだった。唐沢橋からしばらくは白駒林道をショートカットするように道が続き、途中から沢筋をのぼる林道をしばらく進むとそこから本格的な登山道になる。
沢沿いのルートを歩いていくと時折昔のトロッコの軌道が現れた。


そもそもしらびそ小屋までのルートは昔のトロッコの軌道を元にできているそうで今でもその名残りで細いレールが残っているのだ。道を包む唐松や白樺の紅葉が朝霧のベールを被り静かにたたずんでいる。そんな気持ちの良い道を進む自分は朝一番の登りに青色吐息。約
3年ぶりになるテン泊装備での歩きなので只でさえキツイ最初の12時間がよりキツく感じる。そもそも麓に近い稲子湯から一気に標高2千メートル以上のみどり池まで上がるのだから緩いわけがないのだ。

スタートから
1時間ほど歩いたところで最初の10分休憩。ヒーハー()でも気分良いねぇ。
再び歩き出すも勾配はますますキツくなりペース時が落ち休み休み歩くとほどなくみどり池の畔にあるしらびそ小屋に着いた
(AM803分着)。稲子湯から休憩込みで2時間ほどだった。みどり池ごしの山々はまだ朝霧に隠れて見えないが気分は良い。小屋脇に小鳥やリスが現れて置き餌を食べている。
小屋泊まりだったらしいオジさんオバさんとしばらく談笑して出発。

朝霧煙る早朝の登山道を進む 時折昔のトロッコのレールが現れる

朝霧で神秘的なみどり池

昔からの山小屋の風情を残すしらびそ小屋


【みどり池−中山峠】                                

地図上参考タイム・みどり池(1時間50)中山峠 

みどり池からしばらく平坦な道を歩くと本沢温泉方面との分岐が現れ、自分は中山峠方面へと進む。
体が大分慣れてきたのか登りもペースが落ちなくなってきた
(というのは最初だけだったが)。

朝霧もだいぶ晴れてきて青空が見え始めてきた。紅葉をまとった木々の隙間からにゅうを頂く東壁や稲子岳を頂く南壁が荒々しくそびえるのが見える。最初はたいしてきつくなかった登りも次第にキツくなり、気がつけば結構な勾配である。慣れた筈の体も肩で息をしペースはどんどん落ちていく。実際今回のルートで一番キツい登りだった。途中
10分程度の休憩をいれながら登ると遠かった稜線も次第に近くなり目の前の木々が切れた所が中山峠だった(AM1000)途中の休憩込みでみどり池から1時間40分くらいだった。

紅葉の隙間から東壁が見える キツイ登りに息も絶え絶えです()ヒーハー

それでも単独行は気楽で良いです

いやはやお疲れ様の中山峠で一服


【中山峠−天狗岳(東天狗)                              

地図上参考タイム・中山峠(1時間20)天狗岳 

キツい登りを歩き終えたところで大休憩。コンロを取り出しコーヒーを入れる。
のんびりとコーヒーを飲んでいるとさすが天狗岳への北側メインルートなだけに人の往来も多い。
20分ほど休んで天狗岳に向かって出発。頂上付近の雲の流れが速く風が強そうな気配だが体感の気温は意外と寒くない。

中山峠からは大きな石がゴロゴロと並ぶルートで緩い登りと急な岩場が交互に現れる。先ほどまでの樹林帯とはまったく違う風景なのがまた楽しい。途中プチ鎖場があったりするけど足元に気をつければ別段難しいルートではない。そんなルートをゆっくり休み休み進むと雲の中だった進行方向が不意に晴れて目の前に頂上が現れた。
(1140分頃着)

東側斜面は断崖絶壁の岩場を行く こんな道やプチ鎖場もあったりします

目の前の雲が晴れて目前に山頂が!!

いやはや山頂はにぎやかです


【天狗岳−根石岳−夏沢峠−本沢温泉】                             

地図上参考タイム・東天狗(40)根石山荘(25)夏沢峠(40分)本沢温泉 

やっとたどり着いた天狗岳はさすがに賑やかだった()
ともあれ無事山頂に到着したので記念撮影などしてから一休み。魚肉ソーセージわ食べながら家にメ―ルをしていると今まで景色を覆っていた雲が綺麗に晴れて
360度の対展望が現れた。いやはやこりゃ見事。
しばらく景色をのんびり眺めて今度は根石岳側に進むとここがまた美しいルートだった。女性的な弧を描く尾根筋の道が眼下に見下ろせて気分が良いのだ。根石岳の頂上に着いた所で昼飯タイム。混雑している天狗岳の山頂に比べこっちは静かなものだ
()さっきまで居た天狗岳の山並みを眺めながらラーメンを作って食べコーヒーを飲んだ。

東天狗のすぐ近くに西天狗がある

絵に描いたように美しい根石岳への尾根道

のんびり昼休みをして夏沢峠方面へと進むと道は再び樹林帯に入る。
緩い下りの快適な道だが結構足にきている事に気づいた。実は余裕があれば硫黄岳にも行こうと考えていたのだが、体力的にも時間的にもちょっと厳しいので止めた。

ほどなく夏沢峠に到着。
2件ある山小屋のうちヒュッテ夏沢はすでに休業になっていたが山彦荘は営業していた。天狗岳のピンバッチを買って本沢温泉方面へと降り、30分ほど歩くと硫黄の匂いがし始め、目の前の視界が開けた。

硫黄岳を見上げる位置にある沢筋の道になり下を見下ろすと噂の「日本最高所の露天風呂・本沢温泉露天風呂」が見えた。今回本沢温泉泊にした色々な理由のひとつにこの露天風呂に入りたいというのがあったのだが、私の目に映った光景は小さな湯船に私的な許容を遥かに越えた人数が膝を折って湯に浸かっている姿である。
それを見て入る気無くなりました
()露天風呂から5分ほど歩くと本沢温泉に到着。あ〜着いた着いた。
売店でキャンプの受付を済ませるが宿とキャンプ指定地が意外と遠い、もっと近くにしてくれい。
そんなキャンプ指定地は特に閉鎖的ではないし紅葉も綺麗だし地面も平でまずまず文句の無い仕様だった。
手際良く慣れ親しんだテントを張り服を着替えて、いざビール
!!とまたエッチラホッチラ歩き宿の売店へ。

缶ビールをと手を伸ばすと
「生ビールあります」
の文字が
!
!
実際ここ数年の山小屋事情としては当然となってきたのだか物量の豊富な山小屋では当然のようにジョッキで冷え冷えの生ビールが呑めるのだ。

ううーむ惹かれる・・・缶ビール500mlよりも割高な金額ではあるが、私は迷う事なく一杯注文しました。
ビバ山小屋
!!ビバ生ビール!! そしてやってきた生ビ―ルは居酒屋で御馴染みの肌に水滴をまとわせた大きい取手の付いた透明なグラスで私の前に現れた。ビバ北ヤツ!!天狗岳に乾杯!!そして家族と周りの人間に感謝!!グビグビ ぷはぁ♪ うまいぜい。

有名な秘湯温泉宿だけに賑やかです

でもこっちは5張りだけで静かです


【やっぱりカレーでしょ】                     

本沢温泉キャンプ・一人500(あれ?600円だっけ?)宿の前でジョッキの生ビールを堪能した後、缶ビールを1本買ってキャンプ場に戻る。

晩飯を食べるにはまだちょっと早いのでテントの中で行動食の余りをツマミに缶ビールや持参のバーボンをチビチビ呑みつつ文庫本を読む。昔からソロでキャンプをしている時の文庫本を読んでいる時間が好きだ。
が、気がつくとうたた寝してる
()。短い睡眠時間で朝6時から歩きっぱなしなのだから当然なのだ。
とここは何とか睡魔と闘い暗くなってきた頃合で晩飯タイム。やっぱりと言うか当然と言うかカレーなのだ。
初めての学校キャンプで脳内にインプットされて
25年、山でご飯と言えばカレーである。

今回は御飯も炊かずにレンジでチンで御馴染みの加ト吉御飯
()サイドメニューも「サンマの蒲焼缶」と双璧の「ほていの焼き鳥缶」である。いやぁ旨いウマイ。いつもの単車キャンプとは違う。ソロの山歩きはこんな食事が良いのだ。

美味しい晩御飯の後はバーボンをチビチビやりながら文庫本タイム。今夜のキャンプ地はワタクシ・初老のオッサン・初老の夫婦・若いカップル・家主不明の計
5張り。今回の行程でテン泊らしいハイカーの姿をほとんど見なかったので5張りもあったのは正直意外だった。頑張って起きていたのだが睡眠不足には勝てず、PM8時前に撃沈、初日の夜は夜霧に消えていった。                 

最近の山では普通にこんなのが飲めます

嗚呼 カレーの呪縛から逃れられない


2日目・1015(晴れ)                 

【本沢温泉―みどり池―稲子湯】            

地図上参考タイム・本沢温泉(1時間)みどり池(1時間40)唐沢橋(20)稲子湯 

早く寝たおかげでAM5時の起床も余裕である()絶対に欠かせない朝コーヒーを飲み、ラーメン&餅の朝飯を食べてAM644分に出発。天気はすこぶる良くて樹林帯の中の道でも木漏れ日がまぶしいくらいだ。
本沢温泉から麓へ向かって林道を少し歩いた所にみどり池方面への分岐がありそこからはまた登山道になる。
最初はしばらく登り。たいした傾斜ではないのにすぐ息が上がり(
)だらしないが、見かけ倒しの巨体は昔からなのである。体が慣れるまでは息を整えながらゆっくり歩く。山を巻くように続く爽林の中の道はしばらくすると下りになり苔むすような湿林になった。

道端から水が沸き一筋の沢となって麓に流れて行く。切り株は苔に覆われ白駒池周辺のような雰囲気だ。道は下り終えて平になり今度は湿原地帯になった。湿原の向こうには天狗岳周辺の山々が蒼空と供に並びたっている。今日登っている人は最高だろうなぁと少々羨ましく思うが、今日は昇る根性無し
()。
途中イマイチルートのわかりにくい箇所があったが1時間ほどでみどり池に到着。時間に余裕があるのでしらびそ小屋の前にザックを降ろしてコンロを出しコーヒータイム。みどり池ごしの天狗岳の眺めが素晴らしい。昨日はガスで全然見えなかったからね。

前日はリスや山鳥の居た小屋脇に今日はオコジョの姿が。うーむやっぱり一眼レフカメラを持ってくれば良かった。のんびりコーヒーを飲んで出発、手作りの道標には稲子湯までのんびり一時間半とある。前日ヒィコラ言いながら登った道を軽快に下って行く。唐松が黄色く紅葉し陽に照らされて輝いている。

そんな気持ちの良い道を鼻歌まじりに歩いて
1時間ほどで稲子湯に到着。本日の行程2時間ほどだけど今回はこれで良いのだ。停めておいた車に荷物を降ろしてさっそく稲子湯のお風呂に突入である。

午前も早い時間なので外来入浴の客は皆無で当然貸切状態の風呂にド根性ガエルのヒロシよろしく突入するが朝イチの湯は見事に熱かった
()。

熱い湯で汗を流して気持ちよく外に出て(トイレのスリッパを忘れて玄関まで履いていってしまったのはナイショの話だ)帰宅の途へ。

途中色々な所で家族へのお土産などを色々買っても時間が早いおかげで帰りの道は快適に流れていてさしたる混雑には一切会わずに無事帰宅。足腰にはヘビーだったが気分スッキリ鋭気を養うに満ち足りた山行だった。
ヤツ万歳、また行きたいぜい!。

おおっ素晴らしい風景じゃないか!! 

唐松の黄色がまぶしい ゴールは近い