北海道厳冬期ツーリングの装備と心構え |
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まずこれだけは言っておきたい!! |
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私個人としては冬季北海道バイクツーリング自体を人に勧める気にはなれません。 他の時季に比べてリスクが多すぎるのです。それが分かっている人で、これから冬季北海道をツーリングしてみたいと自分の意志で考えている人には参考になるとすればうれしいです。 |
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なぜ冬の北海道を単車で行くのか? | |
基本的に冬だけにこだわっているわけではないんですよ。 日本には四季というものがあり単車で走りながら、その四季全てを感じながら日本全国を走ってみたい。欲張りなんですね。 |
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もう少し言うと… |
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もともとなぜ冬の北海道をバイクでツーリングしようなんて思ったのでしょうねぇ。17歳の時に中型二輪の免許を取り友達からヤマハXT−250を3万円で買って喜んでいる時にたまたま雪が降り、白く雪化粧をした丹沢を見て『よし!いっちょ 行くか』と、その時の勢いでヤビツ峠方面にツーリングに行きました。 清川村側から入り、途中から圧雪路となつた林道を進み峠の手前にある富士見小屋まで辿り着き、コーヒーを飲みながら見た雪景色は今でも鮮烈に覚えています。
まだ雪道の怖さを知らなかった私は上りの往路が割りと走れたのに気を良くし、「ド
リフトだぁ」などと調子よく復路を下り始めた途端にボテッとコケました(笑)。 今思えばこの時に雪の素晴らしさと厳しさを知った事でその後の雪道通いが始まったような気がします。 それからしばらく経ち、その当時山梨の本栖湖でやっていたツーリングライダーの年越し大宴会 「エレファントラリー」に参加しました。その時出会い、いっしょに焚火 を囲み−14℃の中、いっしょにテントを張った人で冬の北海道を単車でツーリングしたというライダーと話しをしました。彼の話を聞いてちょっと自分には無理だなとその時は思いましたが、その後、冬の信州や奥日光をキャンプツーリングしているうちに気がつくと冬の北海道に行く気にな っていました。なんだか不思議です(笑) |
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冬季北海道ツーリングの装備と走行について |
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タイヤ | |
何といってもベストはスパイクタイヤでしょう。
スパイク規制の関係で年々購入が難しくなってきていますがまだ購入できます。
チェーンはあくまでセパレート的に使う臨時の物と思った方が賢明です。 新品のスパイクタイヤにはナラシというものが必要でバイクに装着したら30キロほど
のロースピード(20〜30キロ位)で走り、ピンをタイヤに馴染ませます。 |
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用ピンが走るようです。 |
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が経験上バイクは見逃してくれているようです。まぁ事故られるよりはマシということでしょう。 ただ道交法は別にしても125ccのバイクの方が軽いし余計なパワーもないので雪道 は走りやすかったです。 |
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エンジンオイル | |
ちなみにオイルは5W-50グレードのものを入れていました。
とにかく初期粘度の低いものを入れたほうが良いようです。 |
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防寒具 | |
次に防寒ですが、着りゃ良いってもんでもなく寒いからどんどん着重ねると ダルマさんのようになってしまいます。さすがにちよっと良いものを使いましょう。
登山用の物とバイク用の物がありますが、登山と違ってあまり動かないので汗をかきませんからバイク用の物が結構イケます。 ブーツですが私は「Kamick」のスノーブーツを使用しています。防寒使用の長靴を使用している人も良く見かけます。どちらもしっかりした物ならかなり良いようです。 靴下は登山用を使っています。 次に手ですが 、ほとんどの人がハンドルカバーを使用しています。やはりこれがベストです。カバーをしているのでグローブは普通のウィンターグローブ(ダイネーゼウィンター10)を使用しています 。あまりゴツイグローブを使うと操作がしづらくなります。 |
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ハンドルカバーは『ラフ&ロード』などからカッコいいのが出ていますが 、防寒性は実用車用の物が圧倒的に良いようです。私は『ヤママルト』製の物を使用しています。 グリップヒーターというものがありますよね?あれってかなり温かいみたいですよ 。ハンドルカバーと併用すれば普通のグローブでも平気だそうです。 ヘルメットは防寒はオンのメットの方が良いようですが 、シールドが古いとすぐ曇ってそのまま凍ってしまいます。行く前にシールドを新品にしたほうが良いでしょう。 オフメットはフェイスマスクをしっかり着ければOKです 。熱線入りゴーグルがあれば無敵ですね。凍っても3分で元通り(笑)フェイスマスクは顔だけの物と全部被る物がありま |
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すが好みでいいと思います。どのみち走り始めて30分くらいは頭が「カキーン」と冷えてちょっとツライですから、(そのうちナレます) | |
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テント | |
テント自体は普通のテントを使っていました。(モンベル・ムーンライトやダンロップ のR−110など)フライ自体がフルフライになるようにすれば結構保温はしてくれます。 | |
ただ問題なのはテント内で煮炊きをするので朝、蒸気が凍ってポールがくっついてしまいバラすのに一苦労です。私は手でジョイント部分を握り体温で温めてバラしています。 市販のペグは雪が深く、あまり意味がないの8センチ角ぐらいの板に真中に穴を開けて紐を通した物を数個持ってペグ代わりにしています。ペグと言うよりアンカーですね。 |
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シュラフ | |
テントの中に引くスリーピングマットは、最初の内はウレタン製の物とエアーマットの 二重敷きというスペシャル豪華使用でしたが、かさばるので最近はペラペラのマットと 米軍用のウレタン製スリーピングマットのコンビにしています。
シュラフはモンベルの冬用(化繊の1番、最近は0番)にゴアテックスのシュラフカバー
。シバれる日はその中に夏用(モンベルの6番)を入れて寝てました。そうそうテントの中に入る時,及び寝る時にテントシューズ(なんとダウンです)を履くとあったかくてイイ感じです。私は某釣具屋さんで |
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ランタン | |
明かりはガスランタンとヘッドランプを使用しています。 |
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酒 | |
キャンプと言えば、やはり酒ですね
(笑)私は欠かしません。 どんなに寒くても、やはり1杯目はビールですね。その後はだいたい日本酒を飲みます。ワンカップを買い、それをコッフェルに沸かしたお湯で燗酒にして飲んでいます。体が温まるので冬場のキャンプにはもってこいですね。 それと必ずバーボンを一本持っていきます。寒い所ではアルコール度の高い酒を飲むと体が温まって良いというのもありますが、これは私が単純に酒好きなだけかもしれません。
一日中寒い中を走ると寒さで頭が痛くなることがあります。 |
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コンロ(ラジウス) | |
最近はコンロも進化して冬場でも結構使えるようになりましたが、やはり私はガソリンコンロをお勧めします。どんなに寒くてもパワーが落ちる事は無いし、やはりバイクのタンクから燃料を取れるというのも絶対的な魅力ですね。 私は『MSRウイスパーライトインターナショナル』を使っています。これを雪の上で使う時は焼き網を下に敷くと熱で雪が溶けてもコンロが沈まなくてマルです。 |
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飲料水 | |
ポリタンクは当然凍ってしまうので小さな保温水筒(テルモス)を持っていくとマルです。朝、そのお湯でポリタンクの氷を融かせばOK!です。寝る前にコッフェルの中に水を先に入れておき、朝、凍ったコッフェルごとコンロにかけるという手もあります。 |
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その他 | |
それとキャンプ用の座イスがあるとテントの中でとても楽です。座イスとラジオと文庫本と日本酒とバーボンがあれば雪上ソロキャンプの夜も楽しく快適に過ごせます(笑)。 |
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まとめ | |
まぁいろいろ書きましたが、最終的には能書きよりも経験と慣れだと思います。 人にたよりすぎたり自己判断が出来ない人はそれこそ『イノチトリ』になるので甘く見ている人は止めておいた方が身のためです。 それでも行ってみたい人は、勇気をだしてその扉を開いてみましょう。 白銀の大地がアナタを魅了します。 |
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