ものの本によれば

独断と偏見によるアニメ・ビックリマン2000辞書です(未完成)。

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コーラルと凹十魔のふれあい(31)…タケルのブーメランを奪い、コーラルを人質として逃走する凹十魔。そうとは知らないコーラルの優しさに触れて、次第にコーラルのことが好きになる凹十魔。

◆   ◆   ◆

1人きりのコーラルに声をかける凹十魔。

凹十魔 「そこのきゃわいいお嬢ちゃん。」

コーラル 「?あたしのことなの?おじちゃんだあれ?」

凹十魔 「見ての通り、何の怪しいところもない、清く正しい自動車だよ、ブロロロ。きゃわいいお嬢ちゃん、お兄ちゃんをさがしているのかブォーン?」

コーラル 「そうだけど。」

凹十魔 「ブォーッ!おっとこれは偶然ブォーッ!実は俺様の知り合いにも、生き別れの妹をさがしている男の子がいるんだブォーン。」

コーラル 「本当〜?」

凹十魔 「ああ、ホントもホント、大ホントブォー。そうだ、よかったら、これから案内してあげるブロー。」

コーラル 「わあ、ありがとう!」

コーラル、凹十魔に乗るが、催眠スプレーで眠らされる。

凹十魔 「がははは、ちょろいもんだブォー。」

◆   ◆   ◆

凹十魔のすみかで目をさますコーラル。

コーラル 「ここどこ?」

凹十魔 「(こいつのこと忘れてたブーン。)」

コーラル 「ねえおじちゃん、お兄ちゃんのところに連れてきてくれたの?」

凹十魔 「あ?(…そうか、ずっと寝てたから、何が起きたかわかってないブーン。)そうだよお嬢ちゃん、さっき連絡して、お兄ちゃんはこっちに向かっているとこブーン。」

コーラル 「ほんと〜?」

凹十魔 「お嬢ちゃんに会えるのを、すごく楽しみにしてたブロロロロ。」

コーラル 「ありがとう。うふ、かっこいい自動車のおじちゃん。」

凹十魔 「(凹十魔、顔を赤らめて)かっこいい?そんな…ホントのこと言われたの初めてだブォーン。」

照れているうちに少しずつ前進して、前方に激突する凹十魔。

凹十魔 「ブレーキはずしちゃうと、クリープ現象でこうなるのを忘れてたブォーン。」

コーラル 「だいじょうぶ?」

凹十魔 「大したことないブー。…?何するブーン」

コーラル 「あ、壊れてる。…直してあげる!」

壊れたところを身につけていた飾りのひもで結ぶコーラル。

凹十魔 「あ、ありがとうブーン。」

コーラル 「どういたしまして!」

凹十魔 「何か、調子狂っちゃうブォーン。」

◆   ◆   ◆

部屋の掃除をするコーラル。

凹十魔 「お嬢ちゃん、そんなに丁寧にやらなくてもいいブォーン。」

コーラル 「いいからいいから、汚くしてると彼女できないよ。」

凹十魔 「!…か、彼女なんて、いらないブォーン…。」

コーラル 「さ、次は凹十魔ちゃんの番ね!」

凹十魔 「!」

凹十魔のボディをワックスかけるコーラル。

凹十魔 「おお、鮮やか。生まれ変わったようだブォーン。」

コーラル 「さ、あとはお兄ちゃんを待つだけ!」

凹十魔 「…そんなにお兄ちゃんに会いたいのかな…ブォーン。」

コーラル 「うん。」

凹十魔 「…。」

◆   ◆   ◆

兄を待っているコーラルに、凹十魔が話しかける。

凹十魔 「お兄ちゃんのことは忘れちゃったのに、何でそんなに会いたいブォーン?」

コーラル 「うっすら覚えてるの。格好良くて、やさしくて、とってもあったかかったの。あたし、独りぼっちだったけど、ちっとも寂しくなかった。いつかきっとお兄ちゃんと会えると信じてたから。ねぇ、凹十魔ちゃんは家族はいないの?」

凹十魔 「家族、ブォーン?」

コーラル 「あと、友達とか、ガールフレンドとか。」

凹十魔 「そんなもん、いないブーン。俺様は、孤独に走りを追求する一匹狼ブォーン。」

コーラル 「じゃあ、コーラルが友達第1号!」

凹十魔 「と、友達ブォーン!?」

コーラル 「うん。友達!」

凹十魔 「…。…お嬢ちゃん…実はブォーン…?」

コーラル、凹十魔のボディに寄りかかって眠っている。凹十魔、コーラルをソファに寝かせて、毛布をかけてあげる。

◆   ◆   ◆

ポーカードにブーメランを奪うことに成功したことを報告しているところをコーラルに見られてしまう。

コーラル 「うそつき〜!」

凹十魔 「!う…。」

コーラル 「…いい自動車さんで、お友達だと思ってたのに…。」

凹十魔 「聞いてくれブォーン、これにはわけが…。」

コーラル 「お掃除して、ワックスかけてあげたのに、それなのに…。う、う…。」

凹十魔 「な、泣かないでくれブォーン。」

コーラル 「凹十魔ちゃんの、凹十魔ちゃんの、バカぁ〜〜〜〜!」

コーラルの叫び声で、窓ガラスが割れ、凹十魔がひっくり返る。

コーラル 「…あっかんべぇ〜〜!」

泣きながらブーメランを持って外に出ていくコーラル。

凹十魔 「外にでちゃダメブォー、ポーカード様達が、こっちに向かってるブォーン!」

◆   ◆   ◆

バカラ達に見つかり追い掛けられるコーラル。すぐ近くにドリルが迫る。

凹十魔 「お嬢ちゃ〜〜ん、ブロォ〜〜〜!」

コーラル 「!凹十魔ちゃん!」

バカラ 「でかした、凹十魔!ん?」

凹十魔 「逃げるブーン。」

ピンゾロイド 「どうなってるゾロ?」

ポーカード 「ヤツは我々を裏切ったようですね。」

バカラ 「裏切り!?許せねぇ、追い掛けるぞ!」

◆   ◆   ◆

バカラ達から逃れようと必死にハイウェイを爆走する凹十魔。

コーラル 「ど、どうして…?」

凹十魔 「安心するブォーン、お嬢ちゃんは、絶対に、絶対に守ってみせるブォーン!」

◆   ◆   ◆

ガードレールから飛び出し、決死の大ジャンプ。

コーラル 「凹十魔ちゃん、すご〜い!」

凹十魔 「お嬢ちゃんのためならこれくらい、何て事ないブォーン!」

コーラル 「あっ!来るよ〜!」

凹十魔 「ブォ〜〜ン!」

◆   ◆   ◆

凹十魔の壊れた部分にコーラルが結んでいたひもが切れてしまう。凹十魔がスピンし、コーラルが放り出される。

そのコーラルをバカラ達の主砲が狙う。

凹十魔 「ぬぅ〜〜っ!」

凹十魔、自分を盾にしてコーラルを守り、ボロボロに。

コーラル 「お、凹十魔ちゃん!」

バカラ 「凹十魔、覚悟しやがれ。」

タケル 「コーラル〜!」

バカラ 「ん?」

コーラル 「タケルちゃん!それ〜っ!」

コーラル、タケルにブーメランを渡す。

タケル、ブーメランをコアランサーへ変形させ、フライングバカラ2世号の翼をぶった切る。

◆   ◆   ◆

バカラ達を追い払ったタケルは、今度はコーラルをさらった張本人である凹十魔を倒そうとする。

タケル 「次はこっちだ!」

コーラル、凹十魔の前に立ちふさがり、必死に首を振る。

タケル 「どけ!そいつはお前をさらった悪魔だぞ!」

コーラル 「違う!コーラルのお友達よ!」

タケル 「え!?」

ゼウス 「コーラルちゃんの言うとおりじゃ、この悪魔はコーラルちゃんを守る為に戦ったのじゃよ。」

◆   ◆   ◆

傷ついた凹十魔にコーラルが話しかける。

コーラル 「凹十魔ちゃん、しっかりして、凹十魔ちゃん!」

凹十魔 「…お嬢ちゃん。怪我はなかったかい。」

コーラル 「うん、凹十魔ちゃんのおかげだよ。」

凹十魔 「俺様のこと、許して、くれるブロ?」

コーラル 「うん、早く元気になってよ、またワックスで磨いてあげる!」

凹十魔 「お嬢ちゃんと友達になれて、良かった…ブロ…。」

凹十魔、動かなくなる。

コーラル 「!…凹十魔ちゃん!」

ゼウス 「…友達の為に凹十魔は命がけで戦った…。悪魔といえどもやはり真心は通じるんじゃのぉ。」

タケル 「いい悪魔だったんだ…。」

コーラル 「凹十魔ちゃ〜〜ん…。」

号泣するコーラル。

しんみりとしている中、カンジーが凹十魔を調べる。

カンジー 「…ただのガス欠ですね。」

タケル&ポーチ 「いい!?」

同時にひっくり返る2人。

◆   ◆   ◆

凹十魔とコーラルのお別れ。

凹十魔 「バカラ様にたてついた以上、ここにはいられないブォーン。これからさすらいの旅に出るブォーン。」

コーラル 「ごめんね、あたしのために…。」

凹十魔 「早く、お兄ちゃんに会えるよう、旅の空から祈ってるブォーン。」

コーラル 「ありがとう、チュ。」

コーラルからキスをもらい、凹十魔は、照れつつ出発する。

凹十魔 「お嬢ちゃん、お元気でブォン。」

コーラル 「凹十魔ちゃん、今度会ったら、お兄ちゃんと一緒にドライブしようね!」

凹十魔 「楽しみにしてるブーン!」

お互い、両手で手を振りながら別れる。

◆   ◆   ◆

コーラルのくれた飾りを身につけて、上機嫌に独り走る凹十魔の姿が映る。

    
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