悪魔軍軍事法廷(33)…裁判にかけられるバカラ軍曹。悪魔の世界の様子も垣間見られるシーン。
◆ ◆ ◆
カオスの中に浮かぶ怪しげな建物へ入っていくガスベラス。ガスベラスから降りたバカラ達は、動く歩道のような床に乗り扉の前へ。バカラは余裕の顔だが、ダンディーラーとピンゾロイドは不安そうな顔をしている。
扉の向こうへはバカラ以外は入ることを禁じられてしまう。
バカラ 「!?何の真似だ。」
悪餓り 「あ、あ、あの、魔守の皆様は、ここまでで…。(バカラ達に注目されておびえる。)そ、そんなに見ないでください、は、恥ずかしい…。」
扉が開いて、中へ入っていくバカラ。
ダンディーラー 「バカラ様!」
ピンゾロイド 「バカ…」
バカラ 「心配すんな、すぐ戻ってくる。」
その言葉に少しだけほっとする2人。
悪餓り 「あの…あの…あの…背中の…武器は…。」
バカラに武器を投げつけられて下敷きになり、もがく悪餓り。
扉が閉まる。ピンゾロイドとダンディーラーが不安そうな顔をしている後ろで、ポーカードがササッとどこかへ。
◆ ◆ ◆
開廷。証言台に立つバカラ。
(どこからかの声) 「悪魔軍軍事法廷、開廷します。」
闇の中、陪審員(と思われる悪魔)がいる席と、裁判官のシネス皇帝ところのみに灯りがともる。
シネス皇帝 「バカラ軍曹。何故召喚されたか承知しておるか。」
バカラ軍曹 「おう、それぐらいわかってら。」
陪審員 「口を慎めい!法廷であるぞ!」
バカラ軍曹 「ケッ。」
シネス皇帝 「バカラ軍曹よ。そなたの部下が天使に救われたとの報告が入っておる。」
陪審員 「救う!?」
陪審員 「助ける!?」
陪審員 「救出?」
シネス皇帝 「救う。悪魔にとって最悪の言葉…最も忌むべき行為…。恥ずべき行い。だが貴様は部下を責めず、あまつさえ天使の手助けをした。間違いないな。」
バカラ軍曹、耳をほじりながら聞いていたが。
バカラ 「へっ、それがどうしたってんだ。」
シネス皇帝 「申し開くことはないか。」
バカラ 「俺様の信念を、とやかく言われる筋合いはねぇよ!」
陪審員 「信念!?」
陪審員 「信念!?」
陪審員 「信念!?」
シネス皇帝 「その信念に従い、失態を続けたというのか。」
バカラ 「失態!?」
シネス皇帝 「見るがよい!」
シネス皇帝の胸が映写機のようにしてスクリーンに映像を投影する。画面には今までのバカラ軍曹の作戦失敗映像が次々と流れる。
バカラ 「…で?」
シネス皇帝 「お前の使命はカオスで世界を覆うことだ。だがお前の担当したゾーンはどうだ。カオスは、カリスマデビル様のエネルギー。だがお前の担当地域に、カオス満たされぬゾーンが多いのは何故だ!」
バカラ、鼻をほじっている。
シネス皇帝 「皆の者、バカラ軍曹の処遇、いかに考える!」
陪審員 「滅!」
陪審員 「滅!」
陪審員 「滅!」
(12人の陪審員達が次々と。)
シネス皇帝 「結果が出たようだな…。判決!」
? 「待て…。」
ハッとするバカラ。
現れるカリスマデビル。
シネス皇帝 「カリスマデビル様…はは〜っ。」
シネス皇帝&陪審員達、頭を下げる。
バカラもその場にしゃがみ、敬意をしめす。
バカラ 「閣下…。」
◆ ◆ ◆
法廷の外。扉が開く。
ダンディーラー 「!バカラ様!」
ピンゾロイド 「ゾロ!?」
バカラ、無言。
悪餓り 「あ…あの…もう終わったんで…」
バカラ、悪餓りが預かっていた武器をひったくると、いつもの調子で。
バカラ 「いくぜぇ野郎ども!」
ピンゾロイド、ダンディーラー、安心して涙を流す。
ダンディーラー 「はい!」
ピンゾロイド 「はいゾロ!」
そして駆けて去っていく3人。
◆ ◆ ◆
法廷後、シネス皇帝とカリスマデビルの会話。
シネス皇帝 「カリスマデビル様、何故バカラ軍曹を、いまだお使いになるので?」
カリスマデビル 「用済みにするのはたやすいこと…今はもう一働きしてもらう。奴の信念が、我が復活の糧となろう…。」
シネス皇帝 「はは。」
頭を下げるシネス皇帝。そこにはもう1人頭を下げる魔守・ポーカードがいた。
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