タケルとポーチのケンカ（37）…いつもの口論がエスカレートして、飛び出していってしまうポーチ。

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水が最後の一杯となってしまったゼウス船の中。補給しようにも、周りはサンドゾーン、砂漠のど真ん中。

しかも、ゼウス船が揺れた拍子に、こけたタケルの口の中へ、その残り一杯の水が飛び込む。

タケル 「うっめぇ〜！」

ポーチ 「（コップの中を見て）ない！ちょっと何すんのよ！」

タケル 「いいじゃんか、どうせ誰かが飲むんだしさ。」

ポーチ 「それがどうしてあんたなのよ！」

タケル 「ったく、がたがたうるさいな。」

ポーチ 「何なのよ、その態度！」

タケル 「あ〜悪かったな〜こんな態度で〜。」

ポーチ 「なに、ぶっさいくな顔ぶっさいくにして、もっと反省しなさいよね！」

タケル 「うっさいな、自分こそ水の使い方、反省しろよな。」

ポーチ 「それとこれとは話が別よ。」

タケル 「別じゃねえよ！」

カンジー 「２人ともやめてください！」

タケル 「カンジーも言ってやれよ、もうちょっと水を大切にしろって…。」

カンジー 「それは…。」

ポーチ 「もういや、こんな船もあんた達もウンザリ。」

カンジー 「ポーチさん！」

ポーチ 「決めた、あたし、ここを出る！」

カンジー 「出るって、もっと冷静に…。」

タケル 「ああ、出てけ出てけ。」

カンジー 「タケルさん！」

タケル 「ポーチなんかいなくても、俺達全然困らないもんね。」

ポーチ 「い？…（怒）！」

ポーチ、船から出ていく。

ポーチ 「プップクプ〜のプ〜！ふん！」

ゼウス 「早まるな！女の子の１人旅は、危険で危ないぞ。戻るんじゃ！」

カンジー 「まってくださいよ、ポーチさ〜ん！」

タケル 「ほっとけよ、カンジー。」

カンジー 「そうはいきませんよ〜、ゼウス様〜！」

ゼウス 「方向転換、左舷、前進！…どうしたんじゃ、進路が変わらんぞい。どうやら故障のようじゃ。」

カンジー 「そんな〜！」

ゼウス 「誰か止めてくれ〜！」

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一方砂漠に出ていったポーチは…。

ポーチ 「あんなダサイ連中と一緒にいたら、運命の天使様に出逢うどころか、きっと、運命の天使様の方から逃げだしちゃうわ！…考えてみれば、あいつらに出会ってから、ろくな事がないもんね。

ゼウスくんは、Ｈなじいさんだわ、戦使とか言って、ただの食い意地張ったガキにペース乱されるわ、やたら変な悪魔や魔守に出会っちゃうわ、ああ、もう、最低！」

しばらくして。

ポーチ 「暑い…。しかし、ホント、砂ばっかね〜。川とか湖とかないのかなあ。（振り返るポーチ、しかし、砂漠にはゼウス船の姿は見えない。）…絶対帰らないんだからね！」

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その後、流砂に飲み込まれたポーチが目を覚ましたのは、地下にある天使達の村。運命の天使様を見つけようと意気込むポーチであったが、結局うまくいかず、公園のベンチに腰掛ける。

ポーチ 「はあ…。」

ポーチの目の前で、１本のジュースを巡って、男の子と女の子が取り合いをしている様子が。そこに仲裁に入るもう１人の子ども。ポーチの中で、ケンカのことが思い出されてくる。

（タケル「水くれ〜！」ポーチ「水ちょうだい！」）

大人の天使がやってきて、コップを３つ用意。それを子ども達１人１人にわたす。

（タケル「俺が先だぞ！」）

（ポーチ「何言ってるの、あたしが先よ！」）

（カンジー「ちょっと待ってください！」）

そして、３人にジュースを等分する。

（ゼウス「これこれ、ケンカするでない。」）

ポーチ、その様子をずっと見つめる。

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一方のタケル達は、襲ってきたヌル魔ＵＦＯのぬるま湯攻撃でやる気を奪われ、ゼウス船も倒れてしまう。ポーチはそれを村のモニターを通じて知る。

ポーチ 「ゼウスくん…どうしたっていうの…！…あたしには関係ないんだもんね。」

口ではそう言いながらもタケル達の元へ。機転を効かせてタケル達を元に戻し、ヌル魔ＵＦＯを倒すことに成功する。

ポーチ 「（つぶやく）まったく…あたしがいなきゃダメなんだから。」

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タケルとポーチの様子を伺っているゼウスとカンジー、タケルとポーチは、お互いの様子を横目でちらちらとうかがっている。

タケル＆ポーチ 「あのさ…あ。」

ポーチ 「何よ、言いたいことがあるんなら、はっきり言ってよね。」

タケル 「そっちこそ、ちゃんと言えよ。」

タケルとポーチ、しばらく黙って下を向いていたが、やがて決心したように同時に相手に向かって口を開く。

タケル 「ごめんな、俺…。」

ポーチ 「ごめんなさい、あたし…。」

タケル＆ポーチ 「あ…。」

タケルとポーチ、お互いを見て、笑い出す。周りのカンジー＆ゼウスも一緒に笑い出す。