ものの本によれば

独断と偏見によるアニメ・ビックリマン2000辞書です(未完成)。

<サイトトップ <辞書のトップ
次界卵編 >> 付録 話数別 凶悪魔編へ >>
      

ガングローブとタケル達(38)…ガングローブの後をついていき、彼女の悩みを聞いて、力になろうとするタケル達。

数年前のガングローブ&密林ジムの回想シーン。リボンの黄色以外は全てがモノクロ。

ガングローブ 「ねえねえ、密林ジム。このリボン、どお?」

密林ジム 「ああ、似合っているよ。ものすごく。」

ガングローブ 「でしょお!」

密林ジム 「黄色、好きなんだ。」

ガングローブ 「うん、大好きだよ!卵の黄身も、レモンも、ひまわりも、黄色い声も!」

密林ジム 「え?」

ガングローブ 「冗談、冗談!」

森の中を歩く2人。

ガングローブ 「いいなあ、鳥さんは。」

密林ジム 「ん?」

ガングローブ 「何にも縛られないで、自由に広い空を飛び回れて。…住んでるとこだって…ほら、あんなに高い木の上だよ。」

密林ジム 「…住めるさ。」

ガングローブ 「え?」

密林ジム 「…あの木の上に、家をつくればいいんだ。」

ガングローブ 「あの上に?」

密林ジム 「うん。きっと自分がつくってやる。…いつか、たくましい男になって。」

ガングローブ 「本当!?」

密林ジム 「ああ、約束するよ。」

ガングローブ 「嬉しい!木の上のおうちね…素敵、素敵よ!」

◆   ◆   ◆

回想から現在に戻って。

カンジー 「それが密林ジムさんとの約束なんですね。」

ガングローブ 「うん。」

ポーチ 「そんじゃあ、本当に密林ジムは、ガングローブの運命の聖守様っていうわけじゃん。素敵ぃ!」

ガングローブ 「ってゆーか、この手紙届いたのはもう何年も前だし〜。」

タケル 「なら、もう忘れてっかも。」

ポーチ 「(タケルをぶん殴って)んなわけないでしょ!もう…。」

ガングローブ 「それにあたし、魔守になっちゃったし。」

カンジー 「!?ガングローブさんは、天使族だったんですか?」

ガングローブ 「うん。…このゾーンのルールがうざったくってさ、自由でいたくって、ルールを破ってばかりいたら、いつの間にか魔守になってたの。それからはポリスに追われて、務所から務所を流れて歩く渡り鳥。もう、元に戻れないのかな…。」

ポーチ、ガングローブの手を握る。

ポーチ 「会ってみたら?」

ガングローブ 「え…。」

ポーチ 「ねっ、ジムはどこ?ジムの約束、信じてるから、ずっとこの手紙もってたんでしょ?」

ガングローブ 「別に…こんなあたしのことなんか、きっと、もう忘れてるよ。」

カンジー 「魔物になったことを気にしてるんですか?」

タケル 「そんなの全然関係ねえよ。だって、ガングローブはガングローブだろ。何も変わってねえよ。行こうぜ。」

カンジー 「行きましょう!」

ポーチ 「さ、ガングローブ!」

タケル達、笑顔でガングローブの方を見る。

一緒に歩きながらたずねるガングローブ。

ガングローブ 「あんたら、あたしなんかのために、なに一生懸命になってんの?」

タケル 「ガングローブだって、俺達のこと助けてくれたじゃん。」

カンジー 「僕たちも、何かガングローブさんのお役に立ちたいんです。」

ポーチ 「いい、あきらめちゃだめだよ!あきらめたら、心まで魔守に乗っ取られちゃうよ!」

カンジー 「そうなんですか〜?」

ポーチ 「さあ。嘘も方便って言うでしょ。」

タケル 「お前、こういうことになると燃えるな〜。」

ポーチ 「燃える燃える、当然よ!」

ガングローブ 「…あんたら、バカじゃん…。」

◆   ◆   ◆

道中、黒子ダイル団に襲われるが、タケルが足止めしている間に先を進むガングローブ&ポーチ&カンジー。

草むらの前で急に立ち止まるガングローブ。

カンジー 「どうしたんですか?」

ガングローブ 「…ここをこえると、約束の場所…。」

ポーチ 「じゃあすぐじゃない、何ぐずぐずしてんのよ。」

カンジー 「そうは言っても、やはり一歩踏み出す決心というものが。」

ポーチ 「何言ってんの?もうここまで来てんのよ!すぐにでも密林ジムに会えるじゃないの。」

カンジー 「そうとは限りません。だって、ガングローブさんとの約束の後、密林ジムさんの気が変わったかも知れないんですよ。ガングローブさんが慎重になるのも当然です。」

ポーチ 「もう、だったら私が代わりに会ってくるわよ。」

カンジー 「いえ、ダメです!ここはやっぱり、ガングローブさんが自分で!」

ポーチ 「ちょっと様子を見てくるだけよ、それならいいでしょ。ね、ガングローブ?」

ポーチ&カンジー 「?」

2人が話し合っているうちに、すでにガングローブは行った後だった。

◆   ◆   ◆

たどり着いたガングローブが目にしたのは、木の上に建っている家。そして、ターザンの格好で、雄叫びをあげ、ツタにつかまって行ったり来たりしながら黄色のペンキを塗る密林ジム。全員目が点に。

カンジー 「…ガングローブさん…か、彼が、密林ジムさん…ですか…?」

ガングローブ、恥ずかしそうにうつむく。

タケル 「お〜い、ガングローブ〜!」

カンジー 「タケルさん。」

タケル 「も、もしかして…あれ?…」

カンジー&ポーチ、無言でうなずく

ターザン状態の密林ジムをあきれて見ているタケル達。

◆   ◆   ◆

再会したガングローブと密林ジムの会話。

密林ジム 「あと、もう少しで、完成する。…約束の、家だ…。」

ガングローブ 「ってゆーか、結構、ダサくない…?」

密林ジム 「自分は…。…。…不器用、ですから…。」

ため息をつくガングローブ。

その後、2人は一緒にその家に住むことに。

    
サイト管理:harasan