天源核と闇王核の秘密(49)…次界胎后ノヴァによって天源核と闇王核の秘密が語られるシーン。タケルは、次界卵を作ってもらうために天源核を差し出す。
ノヴァ「私は超聖神様より「国産みの力」たまわりし、「次界胎后ノヴァ」。」
アズール 「次界胎后…。」
タケル 「ノヴァ?」
ゼウス 「次界胎后ノヴァ様、本当に存在しておられたのですか。」
ポーチ 「何、ヘーコラしてんのよ。」
ゼウス 「このお方は超聖神より生まれた、五造大神の1人なのだぞ!」
カンジー 「五造大神とは、超聖神降臨伝説にまつわる5人の創造神のことなんです。」
タケル 「創造神?」
カンジー 「はい。ものの本によれば、『万物創成の神【超聖神】様から生まれ落ちた、次界五大層を見守る役目を与えられた方々』とあります。」
ヘッドロココ 「次界五大層とは、この世界を構成する5つの元素、『命』『心』『天』『地』…。」
ノヴァ 「そして我、『国』。国とは入れ物に過ぎぬ。様々な存在が絡み合い、この糸のように無限に広がっていくものだ。」
周りに張り巡らされている太い糸を見回すゼウス。
ゼウス「ではこの糸は「時の糸」!」
過去のタケル達の戦いの様子が、時の糸をバックによみがえってくる。
ゼウス 「過去・現在・未来の記憶を紡いだ、我らの世界そのもの…。」
カンジー 「時の糸?」
ヘッドロココ 「この戦いは全て、時の糸が絡み合った歴史の必然だと言う…。」
ゼウス 「前にもそんなことを言うとったヤツがいたのう…。」
タケル 「俺、覚えてる!W仏KINGだ!」
ノヴァ 「W仏KING、さよう。あやつは五造大神が1人、『心産みの神』。」
ポーチ 「うっそぉ!?」
ゼウス 「あやつが、『心産みの神』…。」
ノヴァ 「W仏KINGは、天源核と闇王核を産んだ。善と悪の心の結晶。」
ゼウス 「そうか…じゃから、天源核は、タケルの心に連動して、力を発揮していたのか…。」
タケル 「俺の…心…。」
コアブーメランを見つめるタケル。
ノヴァ 「だが、W仏KINGは、心操るがゆえに、恐れを知らぬ野心家よ…。」
アズール 「…何が言いたい。」
闇王核を構えるアズール。
タケル 「アズール!」
アズール 「こいつもW仏KINGと同じだ!」
緊張が走る。
タケル 「…あ、ノヴァ!次界卵持ってるんだろ!?」
ノヴァ 「…我が手には無い…。」
タケル 「無い〜!?」
アズール 「!」
ポーチ 「どういうことよ!事と次第によっちゃあ、プップクプ〜じゃ済まないわよ!聞いてんの?聖守だと思ってなめると、痛い目見るわよ!だいたい、もったいつけて、そんなとこぶら下がってないで、降りて来たらどうなのよ!?」
ポーチの言葉に呆気にとられる一同。
ゼウス 「さすがポーチじゃ、いかに高位の神と言えど、ため口じゃもんなあ…。」
カンジー 「僕、ある意味尊敬しちゃいます…。」
あきれ顔のカンジー。
ノヴァ 「2つの核(コア)は、お前達の想いとともに怒り、ともに泣き、次代への成長を続けてきた。善の心『天源核』、悪の心『闇王核』。超聖神様は我らの力の均衡ゆえに、役割を分散させた。W仏KINGは、『心』は産むが『国』は産めぬ。私は、『国』は産むが『心』は産めぬ。」
カンジー 「!…まさか、ゼウス様!」
ゼウス 「うむ。」
ポーチ 「もしかして、この2つが、次界卵になるってことなんじゃないの!?」
タケル 「これが?」
アズール 「次界卵になるだと…。」
◆ ◆ ◆
ノヴァ 「天源核と闇王核は、次界卵の種子なのだ。2つの核(コア)を我が胎炉にかき抱き、融合の時を経て、次界卵は生まれる。…『国産みの神』と呼ばれる由縁だ。」
ポーチ 「なによそれ!納得いかないよ!そんなパワー持ってる神様ならさ、早く世界を助けてくれてもいいじゃない!」
ノヴァ 「神は産みだしはするが道は開かぬ。道は己自身で開くもの。ゆえに心をお与えになった。」
ポーチ 「勝手に与えて、勝手に偉そうにしないでよ!」
タケル 「これ、やるよ!」
コアブーメランをノヴァに見せるタケル。
アズール 「!」
ポーチ 「タケル!」
驚きの顔でタケルを見る。
タケル 「俺の心が天源核を動かして次界卵になるなんて、かっこいいかも!」
カンジー 「タケルさん…。」
ポーチ 「タケル…。」
コアブーメランをブーメラン型に変形させて、掲げるタケル。
タケル 「早く作ってくれよ、次界卵!」
ノヴァ 「…星悪魔よ、闇王核をここへ。」
アズール 「冗談じゃない、俺は…御免だ!」
タケルに闇王核を向けるアズール。
タケル 「うわぁああ!」
タケルがひるんだところに体当たりを食らわせて、天源核を手にする。
アズール 「これは俺のだ!」
タケル 「アズール、何すんだよ!」
カンジー 「返してください!」
アズール 「俺は、2つの核(コア)を合わせて、天下を取るパワーを手に入れるんだ!これは俺の力だ、次界卵のはずがない!!」
ノヴァ 「その天下のパワーとやらが、次界卵のこと…お前の記憶も、野心も、全てはW仏KINGが与えたものに過ぎぬ。」
闇王核を構えるアズール。
ノヴァ 「お前はW仏KINGの影なのだ。」
アズール 「違う!!俺は俺だぁ!!」
ノヴァに突っ込むアズール。
タケル 「やめろ、アズール!」
ノヴァ 「ハッ!」
口から超音波のようなものを出すノヴァ。それをまともに受けて、地面にたたきつけられるアズール。天源核も闇王核も手から離してしまう。
ポーチ 「アズール!」
タケル 「アズール!アズール、しっかりしろ!」
アズールを抱き起こすタケル。
アズール 「…なんて未来だ…。」
タケル 「早く次界卵を作ってくれよ!」
ノヴァ 「星悪魔よ、次界卵はW仏KINGのものではない。そこに生まれた、命のものなのだ。」
額にある3つ目の目のところに、天源核と闇王核を入れて、再びその目を閉じるノヴァ。クモの様にお尻から糸を出し、自分の体をまゆのようにくるむ。
ノヴァ 「次代の国産み…我、しばし時のゆりかごにて眠らん…。」
その様子を見つめる一同。
カンジー 「いよいよ次界卵が生まれるんですね。」
ポーチ 「いつ出てくるのかしら…?」
タケル 「あんまり時間がかかると、腹減らねえか?」
ゼウス 「お前ってヤツは…。」
|