誕生、武装翔束タケル!(50)…ヘッドロココから聖神パシーを託されたタケル。タケルの心に聖神パシーが反応して、タケルを光が包む。武装翔束タケル誕生のシーン。
巨大船の中。タケルに語りかけるヘッドロココ。
ヘッドロココ 「タケルくん。私はこの傷だ。満足に戦うことはできない。君に、私の知識と、戦いの全てを託したい。」
タケル 「全て…?」
ヘッドロココ、タケルの頭上に剣をかざす。
ヘッドロココ 「かつて、デビルと戦うために、私が聖神ナディアから授かった、聖神パシーを、君に与えよう…戦使・タケルよ。」
剣が光るとともに、タケルの体も光る。そしてそのまま光は消える。タケル、自分の体を色々と見まわす。
タケル 「…何にも…変わって、ないけど?」
ヘッドロココ 「タケルくん。聖神パシーの力は、君の心に反応する。その力を引き出せるかどうかは、君の心次第だ。」
タケル 「…うん、わかったよ!」
今度はアズールの方を見るヘッドロココ。
ヘッドロココ 「アズール、君には…。」
アズール 「放っといてくれ。」
その様子を見ていたタケル。
タケル 「ポーチ!」
ポーチ、タケルの言わんとすることを悟ったかのように、アズールの所へ行き、自分のコンパクトを差しだす。
アズール 「フッ、邪魔者はすっこんでろってか?」
タケル 「少し休めっつってんだ!このひねくれ者!」
アズール 「…チッ。」
アズール、ポーチのコンパクトを取って、鏡をのぞき込む。
アズール 「(俺は…俺は、何なんだ?)」
次界胎后ノヴァの言葉がよみがえる。
ノヴァ 「お前の記憶も、野心も、全てはW仏KINGが与えたものに過ぎぬ。」
アズール 「(俺の過去は作り物なのか…じゃあ、未来は…。)」
コーラルと入れ替わるアズール。
コーラル 「ほよ?」
タケル 「(元ゼウス船から乗りだして)さあ、行くぜ、みんな!」
一同 「おう!!」
ゼウス 「…わしより偉そうじゃのう…。」
◆ ◆ ◆
ピンゾロイドの感知するデビルの魔理力、さらに、ダンディーラーのトランプ占いで頻繁に報告されるヘルスゾーンの危機。
ダンディーラー 「ああ!!湯煙シールドが破られる!」
タケル 「ああ!…くっそ〜!」
どこかへ駆けていくタケル。
コーラル 「!タケルちゃん!」
◆ ◆ ◆
ゼウス船のとある場所に座り、ブーメランを削っているタケル。そこにコーラルが現れる。
コーラル 「タケルちゃん、またブーメラン作ってるの?」
タケル 「こうでもしてないと、落ち着いてらんないからな。(ブーメランをじっと見て)それに俺、ブーメランのこと、『聖守』だって思ってるんだ。」
コーラル 「タケルちゃんの聖守かあ、いいなあ…。」
うらやましそうな顔でタケルのブーメランを見るコーラル。
タケル 「俺、負けないぜ。」
コーラル 「?」
タケル 「(明るい表情で)アズールが言ったんだ、『未来を見ろ』って。何なのかよくわかんないけど、見てみたいじゃん、未来。みんな一緒にさ。だから、俺、絶対負けない!」
コーラル 「うん!(笑顔でうなずく。)」
◆ ◆ ◆
その後も次々と続くヘルスゾーンの危機。タケル、意を決した表情で立っている。
タケル 「もう我慢できないよ!俺、行く!」
ゼウス 「行くって…どうやって!?」
外へ向かって駆け出すタケル。
タケル 「カオスの中を…泳いで行ってやらぁーーー!」
ゼウス船から飛び出すタケル。そのタケルが、光に包まれる。
ゼウス 「こ、これは!!」
タケルに生じる変化。ヘッドロココの羽根模様の腕輪、頭の新しい飾り、顔の黄色いマスク、そして背中から広げられる翼。服は緑色に。
タケル 「な、何だ?」
自分の姿に驚くタケル。
ヘッドロココ 「タケルくん。それが聖神パシーの力。『武装翔束(タクティカルウイング)』!」
タケル 「俺の…翼…ありがとう、ヘッドロココ!俺、先に行く!」
高速でカオスの中を飛んでいくタケル。
コーラル 「タケルちゃん、かっこいい!」
ピンゾロイド 「ゾロ〜!すごいゾロ〜!!」
ヘッドロココ 「ゼウス様…彼が次代戦使ヘッドになる日も、近いようですね…。」
カオスの空を爆音を上げて飛ぶタケル。
タケル 「待ってろよ…みんな!」
◆ ◆ ◆
ヘルスゾーンを襲う遅延僧とその部下の捨てるッス&戦闘鬼達。ゾーンの主である湯あみ天女を倒そうとする遅延僧のところに、タケルが現れる。
遅延僧 「あ〜っはっはっはっは!湯あみ天女、まずはお前から、カオスの餌食にしてくれる。」
タケル 「待てー!」
先ほど作っていたブーメランで直接攻撃するタケル。
遅延僧 「うわぁ〜!…何ヤツ?」
タケル 「…俺はタケル、星戦使タケルだ!!」
クリア受神 「タケルさん!」
その様子をカオス城から見ていたポーカード。
ポーカード 「これは!?」
デビルは、不敵な笑みを見せる。
デジ亀 「タケル、来てくれただば?」
タケル 「デジ亀!無事だったか?」
遅延僧 「おのれ、星戦使、何者ぞ!」
タケルと遅延僧の一騎打ち!タケルは手製のブーメランで遅延僧のチェーンソーに立ち向かう。しかし、チェーンソーによって、ブーメランはどんどん削られていく。
◆ ◆ ◆
そこへ、天聖理力砲の一撃とともに、ゼウス達の船も駆けつける。湯煙シールドの解除とともに、天使達の反撃が始まる。タケルVS遅延僧の戦いも終盤に。
遅延僧 「うらぁあ〜〜!」
タケル 「みんなは俺が守る!!」
交差させた手首のリングが光りだし、遅延僧の鎖をかき消す。驚く遅延僧。タケルの手に現れる、光り輝くブーメラン。
タケル 「…これが、新しいブーメラン…。」
遅延僧 「何だそんなもの!」
ヘッドロココ 「タケルくん、信じるんだ…自分の心を!!」
タケル 「…行けえ!ウイングスライサー!!」
ウイングスライサーは、巨大な竜巻を巻き起こし、捨てるッス&戦闘鬼達を一掃していく。
遅延僧 「何!あああ!でかくなってる!うわぁあ!」
巨大化したウイングスライサーに真っ二つにされて、消滅する遅延僧。
タケル 「(ウイングスライサーを手にして)決めたぜ!!」
天使達 「いえ〜〜〜い!」
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