アズールの見る未来〜死闘カオス城（51）…コーラルの言葉に迷いを晴らし、カオス城へと一人向かうアズール。そこで待ち受けるデビルとの死闘。

タケルの傷を回復させたコーラル。タケルが完全に力を取り戻すには、後はしばらく（３分間）待つのみ。コーラルは、後をアズールに託す。

コーラル 「タケルちゃん、後はお兄ちゃんが助けてくれるよ。」

ポーチ 「え…アズールになるの？」

コーラル 「へんし〜ん！（鏡を見るコーラル）」

鏡のコーラルの顔が、アズールへと変わる。

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コーラルとアズールだけのいる空間。

コーラル 「お兄ちゃん…コーラルの記憶、届いた？」

アズール 「お前の記憶だ…俺はＷ仏ＫＩＮＧの影…ヤツに勝手にお前と融合された、心を持たない破壊の道具さ…。」

コーラル 「違うよ。コーラルがお兄ちゃんの心だよ。…だから、お兄ちゃんだって、タケルちゃんのこと、好きでしょ…。」

目を閉じて微笑むコーラル。

コーラル 「ねえ、未来を見ようよ！」

アズール 「未来？」

コーラル 「タケルちゃんは、未来を見てるよ。みんなのために何が出来るか、見てるよ！」

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アズール 「俺は…俺の未来…俺の見る天下だ…そのために、俺は戦う！」

ヘッドロココ 「…私も行こう。」

ゼウス 「ロココ…。」

ヘッドロココ 「私の力でも、まだ役には立てるだろうからね…。」

ポーチ 「ロココ様、あたしがサポートします！」

アズール、ロココに背を向けて。

アズール 「…お前らは足手まといだ。」

ヘッドロココ 「…。」

アズール 「手負いのあんたじゃ、デビルの餌食になるだけだ…。」

ポーチ 「何よ、そんな言い方ないでしょ〜！」

アズール、ロココの方を見る。ロココは剣をアズールに差しだしている。

ヘッドロココ 「持っていくがいい。」

剣を受け取るアズール。そして笑顔でうなずく。

ヘッドロココ 「君には、我々みんながついている！」

まだ目を覚ましていないタケルを見るアズール。

アズール 「タケル、先に行くぜ…。」

タケルに微笑むアズール。月を出て、カオス城へと飛んでいく。

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カオス城にて。アズール、通路を走るダンディーラーとピンゾロイドを発見し、目の前に姿を見せる。

ダンディーラー 「お前は！」

ピンゾロイド 「よくカオスを突破したゾロ！」

アズール 「当たり前だ。おれは悪魔だぞ。」

ピンゾロイド 「ええ、そうだったゾロ？」

ダンディーラー 「で、何しに来たの？」

アズール 「…同じことを考えてるんじゃないのか？」

顔を見合わせるダンディーラーとピンゾロイド。

ピンゾロイド 「デビルの反応を探すゾロ〜！」

一方デビル。次界胎后ノヴァを見ている。

デビル 「余は焦らぬ…ゆっくりと次界卵をはぐくむがいい…。復活までの長い時に比べれば、たいした時間ではない…。…ん？…次界卵誕生まで、退屈せずに済みそうだ…。」

デビルの部屋の扉をロココの剣で切って現れるアズール。

アズール 「デビルー！！」

デビル 「ロココの剣…。」

デビルに突撃していくアズール。デビルに剣を振りかざそうとしたところに、ポーカードが入り剣をステッキで防ぐ。

ポーカード 「デビル様！…相手は私が…。」

ピンゾロイド 「ゾロ！…ポーカード！」

ポーカード 「愚かしいですね、先輩。」

ピンゾロイド 「先輩って呼ぶなゾロ！」

ポーカード 「バカラ亡き後はＷ仏ＫＩＮＧの手先についたというわけですか…。ずいぶんと変わり身の早いことで…。」

ピンゾロイド 「なに！？」

ダンディーラー 「Ｗ仏ＫＩＮＧの手先！？」

アズール 「クッ…俺を惑わすつもりか！」

剣を構えてポーカードに走っていくアズール。ポーカード、ステッキを長くして、棒のようにしてアズールと戦う。

一度両者が離れたところに、ダンディーラーとピンゾロイドが飛び上がり、攻撃を行う。

ダンディーラー 「バカラ様の仇！」

ダンディーラーのトランプ攻撃。

ピンゾロイド 「討たせてもらうゾロ！」

ピンゾロイドのサイコロ攻撃。

ポーカード 「デビル様に近づくことは…不可能です！」

棒を回転させてすべてをはじくポーカード。

ポーカード 「何故ならば！」

来ている服を脱ぎ捨てるポーカード。宙に舞う服。

ダンディーラー 「！」

ピンゾロイド 「なんだその格好！？」

トランプのジョーカーによく描かれている小悪魔の格好をしたポーカードが立っている。

ジョーカード 「私はデビル様直属、裏切りと不実を旨とする最強の魔守、ジョーカードと申します。ハッハッハッハハハ！」

舌をベロンと出して高らかに笑う。

ピンゾロイド 「ひょえ〜っ！おいら達ババをつかまされたゾロ〜。」

ダンディーラー 「裏切りは、バカラ様が最も嫌ったことよ！ハッ！」

ダンディーラーが投げたトランプを、高笑いしながら棒を巧みに回してはじくジョーカード。

ジョーカード、ピンゾロイドに近づくと、ピンゾロイドを棒で叩いてバラバラに。

ピンゾロイド 「ゾロッ！」

ダンディーラーにも攻撃を仕掛けようとするジョーカードに、アズールの剣が待ったをかける。

アズール 「貴様の相手は俺だ！！」

ジョーカード 「いいだろう、まずは貴様から、デビル様の糧としてやろう…。カオスよ！！」

ジョーカードがステッキを突き立てた地面の割れ目から、カオスがあふれ出しアズールを囲みだす。

その場で動くことができないアズール。

ジョーカード 「デビル様。」

デビル 「星悪魔、我が肉体に取り込まれるか！」

アズール 「…破壊をもたらすお前じゃ、天下を取るには役不足だぜ！う、うぅ…。…！？（光だす剣に気づくアズール）」

ダンディーラー 「ヘッドロココの剣が！！」

アズール 「う、うぅ、…うぉおおお！！」

剣を上にかざすアズール。光とともに、アズールを取り巻いていたカオスが消え、カオスはアズールに寄りつかなくなる。

ジョーカード 「バカな！」

アズールに攻撃をしかけるジョーカード。しかし、アズールは飛び上がってかわす。

次界胎后ノヴァを捕らえている、カオス（？）を断ち切るアズール。

デビル 「うぉおお！」

周りの壁や地面から溢れるカオス。

ピンゾロイドは自己再生を行い、落ちてくる次界胎后ノヴァを真下でキャッチ。

ピンゾロイド 「んーーーーーー、取ったゾロ！」

ダンディーラー 「撤収よ！」

ピンゾロイド 「合点ゾロ！」

ダンディーラー達の前へ、ジャンプしてまわりこむジョーカード。

ジョーカード 「そうはいくか！」

アズール 「うぉおおお！！」

ジョーカードがダンディーラー達に攻撃をしかけようとしたところに、アズールが剣を構えて飛んでくる。

アズール 「だぁああっ！！」

ジョーカードの頭から足まで剣を振り下ろすアズール。

ジョーカード 「じ、次界卵は、わたくしがぁ〜！！」

消滅するジョーカード。

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アズール 「次はお前だ！！」

デビル 「使えぬものよ！（カオスの剣を構える）」

目にもとまらぬスピードでデビルに突っ込んでいき、一撃を加えるアズール。

ヘッドロココの剣が、デビルが首から下げているドクロの額の宝石のようなものに突き刺さる。ドクロにひびが入り、カオスが染みだしてくる。

デビル 「カオスよ！！」

ドクロのところへ、周りからカオスが集まってきたかと思うと、一気にカオスが放出される。

アズール 「うぉおおおおお！！」

一気に流れ出てくるカオスを宙でこらえているアズール。

霧状のカオスが辺り一面に分散して、視界が悪くなる。

ピンゾロイド 「やったゾロ？」

デビル 「ぬぉぉぉぉ…。」

カオスの中から起きあがるデビル。

ピンゾロイド 「ゲッ、まだデビル動いてるゾロ！！」

トランプを取り出して構えるダンディーラー。

ピンゾロイド 「ダンちゃん、何するゾロ〜〜〜！？」

ダンディーラー 「デビルにとどめを！！」

タケル 「アズールーーー！！」

ダンディーラー 「！」

武装翔束の姿で飛んでくるタケル。ダンディーラー達の所に降り立つ。

タケル 「アズール！」

振り返ると、アズールの姿が現れる…。カオスで見えなかった視界が次第にはれていく。

アズール 「う、うう、うう…。」

アズールは胸を魂壺のかけらのようなもので後ろから貫かれていた。その魂壺のかけらを後ろでつかんでいるデビル。

デビル 「ぬぅぅぅぅ。」

デビル、傷ついた体で、にらむように顔を上げる。（第51話ラスト）