「俺達の未来を食らえ！」（52）…カオスの力のせいで無敵とも思われるデビルとの最終決戦。天使達、悪魔達の思いが１つになり、タケルに託される。デビルとの決着のシーン。

死闘の末、デビルによって胸を貫かれて、落ちてくるアズール。復活してようやく駆けつけたタケルがあわてて受け止めるが。

タケル 「アズール！…しっかりしろ！アズール！…！！」

アズールの胸の傷に気付くタケル。

アズール 「うっ…。…ここからは、お前の番だ…。」

タケル 「アズール…？」

アズール 「鏡の向こうから、見てるからな…ぐっ…。」

タケルの腕から消えるアズール。

タケル 「アズール！！」

入れ替わってコーラルがタケルの腕に現れる。

タケル 「！…コーラル…。」

タケル、涙が溢れて、頬を伝う。

目を開けるコーラル。タケルの目に浮かぶ涙を手で拭って。

コーラル 「タケルちゃん。…タケルちゃん、スマイル、スマイル…（タケルに微笑む）。」

カオス城の壁を破って入ってくる六手の里の月。

ピンゾロイド 「な、何だゾロ！？」

月の中から出てくる御神籤仙人とポーチ。

ポーチ 「タケル！」

御神籤仙人 「早く、みんな来るぞよ！」

タケル 「ポーチ！御神籤仙人！」

ピンゾロイド 「ゾロ〜！！」

コーラルを抱きかかえたタケル＆ピンゾロイド＆ダンディーラー、月の方へと駆けていく。

倒れていたデビルが起きある。

タケル 「あ！」

ダンディーラー＆ピンゾロイド 「！」

デビル 「ぬぉおお！！」

タケル 「早く、月の中へ！」

ポーチ 「タケル！」

タケル 「…コーラルを頼む。」

コーラルをポーチに渡すタケル。

ポーチ 「うん、任せといて！」

ピンゾロイド 「お前はどうするゾロ？」

ダンディーラー 「１人でカリスマデビルと戦おうっての？」

タケル 「（デビルの方に向き直して）…１人じゃない！！」

振り返るデビル。首から下げられているドクロに刺さったロココの尖聖剣が映る。

タケル 「…アズールが一緒だ！！（マスクをつけるタケル）」

デビル 「！…逃がさんぞ！！」

カオスの剣をタケルに振りかざすデビル。それをかわすタケル。

タケル 「ウイングスライサー！」

カオスの剣と、ウイングスライサーがぶつかり合う。

デビル 「許さん…許さんぞぉお！！」

タケル 「…それは、こっちのセリフだ！！」

一度離れる両者。

デビル 「カオスよ！！」

壁がカオスでドロドロとなり、タケルの方に大量の粒が飛んでくる。

かわしきれずにふっ飛ばされるタケル。

タケル 「うわぁーーっ！」

地面に倒れるタケル。

デビル 「滅びよ！星戦使よぉおお！」

カオスの剣を振りかざすデビル。

デビル 「うぁあああ！」

ドクロに刺さった尖聖剣に苦しむデビル。

戦いの様子を月の中からモニター越しに見ているゼウス達。

ヘッドロココ 「尖聖剣から、アズールの意志を感じます。」

ゼウス 「なんと！？」

ヘッドロココ 「アズールの中にも、戦使の遺伝子が眠っていたんです。彼が誰かのために生きようとしたとき、遺伝子は目覚めたんです。」

ゼウス 「誰かとは…タケルのことか！？」

苦しむデビルに突っ込むタケル。デビルはタケルを払いのける。

直後、デビルの叫び声と共にドクロの部分から爆発が生じる。

デビル 「うぁあああああ！！」

倒れていくデビル。

タケル 「…あ、アズール…？」

倒れたデビルであったが、少しして目を開く。デビルの周りをカオスが包み始める。

その様子をじっと見つめるタケル。しばらくして起きあがるデビル。

タケル 「！！」

デビル 「ふっふっふっ…・。」

ウイングスライサーを構え直すタケル。

デビル 「カオスある限り余は不滅だ！！」

再びカオスの剣を取り出す。

タケル 「何！？」

剣をタケルに振りかざすデビル。タケルはウイングスライサーで防ごうとするも、その圧倒的な力で押し込まれ、そのまままカオス城の床を貫通してヘルスゾーンへとたたき落とされる。

クリア受神 「！…タケルさん！」

岩の下敷きになっているタケル。

タケル 「く…なんて…パワーだ…。」

ポーチ 「タケル！」

月の方から飛んでくるポーチ。しかし、タケルとポーチの間にデビルが立ちはだかる。

タケル 「！」

ポーチ 「！」

デビル 「逃がさんぞ、星戦使よ！！」

デビル 「…天使どもよ、お前達の希望がついえる様を見るがよい！」

剣を掲げるデビル。

タケル 「（このままやられてたまるかよ！）」

デビル 「覚悟！」

タケル 「う…。」

デビル 「これまでだ！星戦使よ！！」

剣を振りかざすデビル。

タケル 「！」

しかし、間一髪のところで鞭が飛んでくる。

バカラ 「（タケルの近くに立つ。）悪魔軍　聖魔和合推進局総代　バカラ軍曹　ごう爆復活ぁ〜つ！」

タケル 「バカラ！」

ポーチ 「バカラ！」

ダンディーラー 「バカラ様！」

目に涙を浮かべて叫ぶダンディーラー。

ピンゾロイド 「バカ、バカ、バカ、バカラ様ぁーーー！！」

目から涙を滝のように流すピンゾロイド。

デビル 「バカラ…。」

タケルが下敷きになっている岩を鞭で破壊するバカラ。

タケル 「バカラ！」

バカラ 「おう、デビル！落とし前をつけに来たぜ！」

デビル 「フッ、何をたわけたことを…。」

バカラ 「うるせぇ！！」

バカラ、鞭を振るいデビルと戦う。

タケル 「バカラ！…どうすりゃいいんだ、デビルに弱点はねえのかよ！」

アズールの声 「タケル…タケル！」

タケル 「！？」

振り向くタケル、そこにはアズールの姿が。

アズール 「タケル、自分を信じるんだ！お前の力はそんなものじゃない！」

光となって消えるアズール。

タケル 「アズール！…！」

岩壁に突き刺さっている尖聖剣に気付くタケル。

タケル 「よーし…。」

デビルに追いつめられるバカラ。

一方で、尖聖剣を抜くタケル。

デビル 「道化め、消え失せろ！！」

バカラを倒そうとするデビル。

タケル 「させるか！！」

タケルが尖聖剣を突き出し突っ込む。

デビル 「！？」

振り向いたデビルの額のＸのマークの部分に尖聖剣を突き刺すタケル。剣から電撃のようなものが走り、デビルの体を伝う。

バカラ 「少年！」

◆　　　◆　　　◆

ポーチ 「タケル…。」

ポーチの体から光が発せられ始める。

ポーチ 「？…何これ…。（自分の体を見まわす）」

コーラル 「戦使の聖守の力だよ、ポーチ。」

ポーチ 「戦使って…タケルの！？」

クリア受神 「！聞こえます。平和を願うみんなの声が…一刻も早く、無益な戦いを終えたいという、天使族、悪魔族の声が…。」

デジ亀天帝 「悪魔族？」

月の中の天使達、悪魔達の体から発せられる無数の光の粒。天使達からは青い光が、悪魔達からは赤い光が。

御神籤仙人 「悪魔とて思いは同じぞよ。」

中吉中吉 「中とって聖魔和合ってねえ！」

オゾン僧侶の傘に乗っている天使達からも発せられる光。

クリア受神 「私達も、祈りましょう…。」

祈るクリア受神、湯あみ天女、デジ亀天帝。それぞれの体からも、青い光の粒が。

バカラ 「こいつは…・。」

ヘルスゾーンにいる全ての天使、悪魔達から放出される光。

タケル 「すっげえ…・。」

赤い光と青い光は、それぞれ宙に浮くコーラルとポーチの周りに集結していく。

ゼウス 「今こそ聖魔和合界への願いを、集結する時じゃ！わしらはいつの時代もその思いで、未来を紡いできたのじゃ！」

目を開けてコーラルの方を見るポーチ。

同じく、ポーチの方を見るコーラル。

手を向け合う２人の間で、赤い光の粒と青い光の粒が集結していき、１つの大きな光の塊に。

ポーチ 「タケル！みんなの思いよ！」

タケル 「！」

コーラル 「受け止めて！」

ポーチ＆コーラル 「えい！！」

タケルの方を目がけて、光の塊を飛ばすポーチとコーラル。

タケルを包む光の塊。

デビル 「こ、この光は！…でぁっ！！」

折れたカオスの剣先を光の塊の方へと投げつけるデビル。しかし、その剣先は光の塊に触れるとともに消滅する。

タケルが手にするは、巨大なブーメラン。希望の顔でそれを見る天使＆悪魔達。

デビル 「！」

タケル 「食らえ…俺達の…俺達の…俺達の…未来をぉおおお！！」

手にしたブーメランをデビルに力一杯投げつけるタケル。

タケル 「俺達の未来を食らえーーっ！！！」

杖を地面に突き刺し、立ち上がるデビル。

デビル 「カオスよ！！」

杖に稲妻が走ると共に、デビルの周りを竜巻のように包むカオス。そのカオスの中へタケルの投げたブーメランが突っ込んでいく。激突の瞬間、激しい衝撃波が辺りを襲い、吹き飛ばされるタケル。

しばらくして視界が晴れると、そこには仁王立ち状態のデビルがいる。しかし、デビルの胸には、タケルの投げたブーメランが突き刺さっている。

デビル 「ぐぁあああああ！！！」

激しい叫び声とともに炎に包まれて消滅するデビル。その火柱は、上空のカオス城にまで達し、カオス城を貫通、城は大爆発を起こして消滅する。

笑顔になるポーチとコーラル。

ポーチ 「タケル！」

コーラル 「タケルちゃん！」

タケル 「やったか…。」

バカラ 「ヘッ…。」

喜ぶ月の中の天使＆悪魔達。

ゼウス 「でかしたぞ！タケル！」

デジ亀天帝 「やっただば〜タケルぅ〜！」

クリア受神 「見て！カオスが！」

湯あみ天女とともに喜びの顔で空を見上げるクリア受神。一緒にいたデジ亀天帝もすぐに上を見る。

カオス覆われた空に穴があき、広がっていくと同時に、差し込む光がどんどん広がっていく。そして完全に消えるカオス。