闇の掟・千舞道士(58)…暗殺天使とも呼ばれる闇の天使属・千舞道士。昔の仲間であるはずの中途半魔を倒しに来たのは、それが闇の掟だからだというのだが…。
裏路地に凶悪魔を見つけて、武装翔束姿で追いかけるタケル。逃げた凶悪魔・一面鬼神は、魔守・中途半魔の目の前で天使・千舞道士に首を後ろから一突きにされて倒れる。さらに千舞道士は、中途半魔をにらむと…。
千舞道士 「半魔よ…おのれの罪を知るがいい…。」
中途半魔 「千舞道士…お前、まさか俺を…。」
タケル 「待ったぁ!あいつ凶悪魔じゃないじゃん、何で武器向けんだよ!(2人の間に入り、止めようとする。)」
千舞道士 「邪魔をするな!(瞬時にタケルの後ろに回り込む。)」
タケル 「!」
タケルの首を一突きにしようとする千舞道士。
千舞道士 「!な、なに!?」
しかし、タケルのトライブレードの先が千舞道士の胸のところに当てられているのに気付いて、その手を止める千舞道士。
その隙に、持っている鉄球を回して砂煙を起こし、それに紛れて逃げる中途半魔。
千舞道士 「待て、半魔!」
凹十魔 「キキーッ!」
裏路地に入ってくる凹十魔、ヘッドライトにタケルと千舞道士が明るく照らし出される。
ポーチ 「ジェット様!早くタケルを助けてあげて!」
ジェット皇星 「ダメだ…2人のバランスを崩せば、どちらもただじゃすまない。」
ポーチ 「え…。」
カンジー 「ハイパー千里ゴーグル、ON!」
ハイパー千里ゴーグルの分析画面には、タケルが天使、千舞道士が闇、と表示される。
カンジー 「これは…闇の天使属!」
タケル 「え、闇の天使属?」
糖衣嬢 「ではあの方、暗殺天使ですの?」
千舞道士 「そうだ、故に私は、天使にも悪魔にも組みせず、おのれの信念に従うのみ…。」
タケル 「何言ってんだかわかんねえよ!」
タケルが背中の羽根を広げると、千舞道士は離れ、タケルの前方に立つ。
ゼウス 「やめぇええ〜〜〜〜〜い!」
両者の間にどアップで現れるゼウスの顔。タケルはずっこける。
千舞道士 「!ゼウス様!」
カンジー、前に出てきて、ゼウスエンブレムを右手に構えてゼウスのホログラムを出す。
ゼウス 「闇の天使属・千舞道士…確か追放の身だったはずじゃが?」
◆ ◆ ◆
一方、近くの銭湯の煙突の上に立って、その様子を見下ろしているかのような、凶悪魔・発砲首領。
発砲首領 「一面鬼神もやられたか…既に十体…忌むべきは暗殺天使!災いの芽…つみ取らねばならん!」
銃につけたビールびんを振りながら語る発砲首領。そのびんの栓が月夜の空に発射される。
◆ ◆ ◆
ポツリと建っている家で話を聞いているタケル達。
ゼウス 「闇の天使属は、暗殺天使とも呼ばれ、カオスが広がる前に、平和と自由を脅かす者達を倒していた天使属じゃ。特に天使・千舞道士と聖守・中途半魔のコンビは、『仕掛けの千舞』『仕留めの半魔』として恐れられたもんじゃ。…聖魔和合といえど、他の者の自由を奪い、私利私欲に走る者はおったからなあ。千舞道士の言うこともわからんではなかったが、わしは治安を守る意味から、追放せざるをえなかった…。」
カンジー 「そんなことがあったんですか…。」
通信が切れる。
千舞道士 「それぞれがそれぞれの理想を目指せば、それでいいことだ…。」
月明かりの入る窓(木の格子がかかっている)から外を見ながら話す千舞道士。
ポーチ 「(頬を赤らめてウットリしながら)…な、なんかしぶいわ…。」
ポーチの言動にキョトンとするジェット皇星。
凹十魔 「ポーチさん…問題発言ブォ…。」
千舞道士 「それに、私は故郷・聖魔和合界が好きだ…この世界を守りたくて『闇の天使属』という道を選んだ…後悔はしていない。」
タケル 「じゃあ、何で凶悪魔でもないあいつまで倒そうとしたんだよ?」
千舞道士 「ヤツは魔守・中途半魔」
カンジー 「中途半魔?仕留めの半魔のことですよね。魔守になったんですか?」
千舞道士 「うん。…中途半魔は聖魔和合界を出て、悪魔属性にコンバートし、魔守になってしまった。ヤツはゼウスを逆恨みし、凶悪魔の手先になっているんだ。」
一同 「えーっ!!」
千舞道士 「私はヤツを止めるために戻って来たんだ…。」
糖衣嬢 「なんて非情なんですの…。」
タケル 「だからって武器を向けるなんて!」
千舞道士 「(タケル達を一瞥した後で、無言で建物から出ていく。)」
タケル 「仲間なんだろ!他に方法があるはずだよ!」
そのまま去っていく千舞道士。
◆ ◆ ◆
結局そのまま千舞道士と別れたタケル達。凹十魔に乗って先を進むことにするが、タケルはまだ千舞道士のことを気にしている模様。
糖衣嬢 「タケルさん…。」
タケル 「昔の仲間なのに、何であんなことできるんだよ…。」
ポーチ 「闇には闇のルールがあるってこと。」
タケル 「ルール?」
凹十魔 「『掟』…とも言えるブォ。」
タケル 「そんなの関係ないよ!」
と、突然凹十魔が手でタイヤを止めて急ブレーキ。
一同 「うわぁああっ!」
カンジー 「どうしたんですか、凹十魔さん?」
凹十魔 「行き倒れブォ!」
一同 「ええっ!?」
凹十魔の前には誰かが倒れている。凹十魔から降りて、抱き起こすタケル。
タケル 「おい、大丈夫か?…あ…中途半魔!」
◆ ◆ ◆
河原で中途半魔の手当てをすることにするタケル達。凶悪魔に襲われたのではないかと思うタケル達であったが、糖衣嬢はその傷が奇妙であることに気づく。
ジェット皇星 「(川から水をくんできながら)千舞道士はあんなことを言っていたが…この傷を見たら、考えを変えるんじゃないかな。」
ポーチ 「ひどい怪我…凶悪魔にやられたのかしら…。」
ジェット皇星 「おそらくね…。」
タケル 「俺、あいつをさがしてくる!!」
糖衣嬢 「待ってくださいですの!この傷、ちょっと変ですの!…微妙に急所をはずれてて、見た目ほどひどくないんですの。」
カンジー 「うまく凶悪魔の攻撃をかわしたんじゃないですか?」
糖衣嬢 「そうかも知れませんが…気になりますの。…昔、悪魔軍のスパイが天使属を信用させるために、わざと怪我を負って接触することがあった…って。」
凹十魔 「あ、それ!ホントのことブォ!」
ジェット皇星 「ああ。千舞道士の話もあるし、可能性は否定できないな…。」
カンジー 「タケルさん…。」
ポーチ 「中途半魔は凶悪魔のスパイなの?」
タケル 「そんなわけないだろ!みんなスパイだって思ってんのかよ!」
タケルの言葉に、黙り込む一行。
中途半魔 「う…。」
糖衣嬢 「お目覚めですの。」
中途半魔 「(起きあがって)すんません。」
タケル 「何があったんだ?」
中途半魔 「凶悪魔に襲われて…。」
ジェット皇星 「!」
顔を見合わせるカンジーとポーチ。
ゼウスもゼウスエンブレムで呼び出され…。
カンジー 「中途半魔さんは、凶悪魔に聖魔和合界の情報を流していたんです。」
ゼウス 「う〜む。」
中途半魔 「俺は、俺を追放したあんたが憎かった…だから、凶悪魔に言ってやったのさ…ブライトソウルは、最強のヘッドが持ってるとね。」
カンジー 「それで、三面鬼神はゼウス様を真っ先に狙ったんですね。」
中途半魔 「千舞は本気の目をしてた…そんで、俺もやっと自分のやらかしたことのでかさに気付いたのさ。…笑ってくれや。」
タケル 「本気の目…。」
ゼウス 「…凶悪魔とは決別したと言うのじゃな?」
中途半魔 「信じられないのは、無理もないが…本当に、逃げてきたんだ。」
タケル 「この怪我見りゃわかるだろ!」
黙り込む一同。沈黙が続く。
ジェット皇星 「(何かを言いかけようとするが、ためらうかのように再び黙る。)」
ゼウス 「何じゃ、ジェット?」
ジェット皇星 「いえ…。」
ゼウス 「タケルがそう言うならわしも信じよう。そこで、1つ聞きたいことがあるんじゃが…。」
中途半魔 「え…?」
ゼウス 「あの塔の役割についてじゃが…何のためにあんな塔を?」
中途半魔 「あれは、『ハダンタワー』と言って、魔凶次元と、先に制圧した幻次界に立っている。大昔に魔凶次元を通過した、魔零彗星の破片でできているんだそうだ。」
タケル 「幻次界?」
中途半魔 「魔凶次元は、もっと高次元の宇宙にある悪魔だけの空間で、幻次界の方は、かつての天聖界ヘッドが開いた世界だとか…。」
ゼウス 「かつてのヘッド…いったい何者じゃろう…。」
中途半魔 「魔凶次元、幻次界、聖魔和合界にハダンタワーをうち立て、グランドトライアングルを形成したあと、ブライトソウルを持つ生け贄をささげると、魔零彗星を呼び出すことができる…おれが聞いたのは、そこまでだがな…。」
聖魔塔で、シャーマンカーンと顔を見合わせてうなずくゼウス。
ゼウス 「大変な情報じゃ。中途半魔よ、聖魔塔に来てくれ。もっと詳しく聞きたい。」
中途半魔 「俺で出来ることなら、喜んで!」
ゼウス 「待っておるぞ。」
通信切れる。
タケル 「よ〜し、行こうぜ、中途半魔!」
ジェット皇星 「聖魔塔に送っていいのかい?」
タケル 「当たり前だろ!糖衣の話まだ気にしているのか?」
糖衣嬢 「…ごめんなさいですの…。」
再び黙り込む一同。
タケル 「…いいよ、もう!中途半魔は俺が送ってく!凹十魔、頼むよ!」
凹十魔 「任しとけブォ!途中のバスターミナルまで送るブォ!ブォオオ!」
そして、タケルと中途半魔を乗せて走っていく凹十魔。それを不安そうに見送る残った一行。
カンジー 「いいんでしょうか…このままで…。」
◆ ◆ ◆
収穫の終わった田圃の間の道を走る凹十魔。
凹十魔 「俺、仲間が増えるの嬉しいブォ!!天使と悪魔が力を合わせてこそ、凶悪魔を撃退できると信じてるブォー。」
中途半魔 「悪かったな、タケル…俺のせいで、仲間達とけんかさせちまって…。」
タケル 「(振り返りニッコリとVサイン)大丈夫大丈夫!そのうちみんなもわかってくれるって!」
再び前を向くタケル。そんなタケルの様子を見て、中途半魔の左半分の悪魔属の目がピクリとする。
凹十魔 「そうだ、中途半魔。腹減ってないかブォ?バスに乗る前に、弁当を買うブォ。」
タケル 「いいねえ、弁当!食おう、食おう!」
中途半魔 「(目をキラーンと輝かせて)…(左の方を指さし)あ!あそこ寄ろうぜ!駅弁天の釜飯弁当!」
タケル 「え?どこ、どこ?どこ、え、え、どこ、どこ?」
凹十魔 「ちゃんと方角を言って欲しいブォ…。」
タケル 「え?え?え?え?え?(キョロキョロ見回すタケル。)」
中途半魔が包帯の下から、ハンマー型の左手を取り出し、タケルの後頭部めがけてハンマーを振り下ろす。タケルはその場に落ち、凹十魔は、横に倒れてそのまま横滑りに畑の藁の山に突っ込む。
中途半魔 「仕留めてし損じなし!」
ひっくり返ってタイヤをコロコロと回転させている凹十魔。その近くで、地面に埋まってたんこぶだけ出しているタケル。が、すぐに顔を出す。
タケル 「痛って〜!」
中途半魔 「なあ!なんという石頭!」
タケル 「中途半魔!お前、まさか!」
中途半魔 「え〜い、死に損ないがぁ!くらえ!!(と、ハンマーを振り下ろそうとする。)」
慌てるタケル。そこに、どこからか千枚通しが飛んできて、ハンマーを貫通する。
中途半魔の後ろには、千舞道士が首に千枚通しを突きつけていた。
中途半魔 「せ、千舞…。」
タケル 「千舞道士!」
千舞道士 「タケル、すまない。こいつの本心を知りたくて、あとをつけさせてもらった。いつか隙を見て、お前を始末するだろうと思ってな…。」
タケル 「…何でそんな風にしか考えられないんだよ!あ痛って〜!」
たんこぶが痛くて頭をかかえているタケル。
千舞道士 「凶悪魔を裏切ったという話、興味深かったよ。例のハダンタワーの話も、私がつかんだ話と一致する。…お前の狙いは聖魔塔の破壊か…それとも、タケル達聖魔和合軍の方か!?」
中途半魔 「…千舞よ…俺達の仕事を認めぬ聖魔和合界など、滅びて当然だ!」
千舞道士 「我らの仕事は公に認められるものではない…。裏稼業だ。」
中途半魔 「聖魔和合軍と暗殺天使を葬れば、俺は凶悪魔様に幹部に取り立ててもらえるんだ!」
千舞道士 「世迷言(よまいごと)を!」
千枚通しを構える千舞道士。
タケル 「やめろぉ!」
千舞道士&中途半魔 「!」
タケル 「2人とも、仲間じゃないのかよ!」
地面からやっと出て、2人に話すタケル。
千舞道士 「そいつは昔の話だ…。」
タケル 「あんただって仲間だから自分の手で決着つけたいって思ってんだろ!」
そこへ飛んでくるビールびんの栓。それはタケル達のところで爆発し、3人は吹き飛ばされる。タケルはこれでもかと言わんばかりに回転しながら飛んでいく。
中途半魔 「この攻撃は…発砲首領様!」
姿を現す発砲首領。
発砲首領 「シュポーーーン!!凶悪魔・発砲首領、見参!」
着地して立ち上がる千舞道士と、藁の山に突っ込んで顔を出すタケル。
タケル 「凶悪魔!?」
中途半魔 「発砲首領様、今です!聖魔和合軍も、暗殺天使も、ダメージを受けています!凶悪魔の勝利のために、ヤツらにとどめを!」
しかし、発砲首領の撃った弾は、中途半魔の胸を撃ち抜く。
中途半魔 「なぜ…。(撃たれた勢いでふっ飛ばされて倒れる。)」
発砲首領 「失敗には死を!」
タケル 「あんにゃろぉ…。」
発砲首領 「所詮裏切りに裏切りを重ねただけの小物。せっかくの始末できるチャンスを…これでは茶番に過ぎぬ!」
中途半魔 「こ、小物…。」
千舞道士 「半魔!」
中途半魔に駆け寄る千舞道士。
千舞道士に抱きかかえられて、苦しみながらも一瞬フッと笑みを見せる中途半魔。しかし、そのまま息絶える。悪魔属の顔になっていた左半分の顔が元の聖守の時の顔になる。そして、そのまま消滅する。
千舞道士 「!…。」
タケル 「くっそう…聖神シンパシー、放射!(武装飛翔姿に)」
発砲首領 「凶悪魔一の早撃ちと言われたこのわしを討てるか?」
タケルとともに向かっていく千舞道士。
発砲首領 「非力な!」
弾を撃つ発砲首領。それに飛ばされる千舞道士。
千舞道士 「うっ!」
タケル 「ああ!」
それを受け止めるジェット皇星とポーチ。
タケル 「ジェット!ポーチ!」
ポーチ 「何とか間に合ったわね!」
ジェット皇星 「ポーチは、凹十魔を!」
ポーチ 「はい、ジェット様!(ひっくり返ってもがいている凹十魔のところへ向かう)凹十魔!いま糖衣嬢が来るわ!」
発砲首領の攻撃は続く。千舞道士とともに地面に降りるジェット皇星。
千舞道士 「すまんジェット!ヤツは私が殺る(やる)!」
発砲首領の激しい攻撃を必死でかわすジェット皇星。
ポーチ 「ジェット様!それ!(凹十魔をなんとか起こし終えて、攻撃に参加。マジックシュートで金だらいを飛ばす。)」
発砲首領の撃った弾が、金ダライを貫通し、金ダライは爆発。
ポーチ 「ひえぇぇ…。」
タケル 「うぉおお!!(トライブレードで弾をはじきながら向かって行こうとするが…)うわ、わわっと!わあ!(弾を撃つスピードが早くて追いつかず、体勢を崩して落下。参ったなあ、というような顔に。)」
千舞道士 「ヤツを確実に仕留めるには、接近戦に持ち込むしかない!」
タケル 「そうか、そういうことなら!はあっ!」
タケル、地面スレスレを羽根を羽ばたかせて高速で飛ぶ。その早さは、タケルの体がゆがんでいるように見えるほど。
発砲首領 「よけきれるか?」
タケル 「よけねえよ!」
ビールびんの栓を早撃ちしてくる発砲首領。タケルは、その弾を、頭の飾りの石の部分で全てはじいていく。
発砲首領 「な!?」
ポーチ 「うそぉ!?何で爆発しないの!?」
千舞道士 「(二ヤリとして)タフだな…弾よりも早く激突し、弾の速度を中和して爆発を制御したんだ。」
ポーチ 「それホントぉ?(汗)」
ジェット皇星 「さすがは戦使!」
千舞道士 「自分の力を信じていればこそできること…。」
タケル 「とぉおおお!!」
発砲首領に突っ込み、胸にトライブレードを突き刺すタケル。
発砲首領 「ぐぁあああ!…おのれ…戦使めぇ!」
タケルの首を両手でつかんでしめつけてくる発砲首領。
タケル 「うぁああ、千舞道士、今だ!」
千舞道士 「うおおぉ!たあっ!(と、発砲首領の後ろに回ると、首を一突き。)」
発砲首領 「ぐぁああああ!!」
タケル 「(首締めから解放されて落下)うわぁ、い、痛って〜…。」
発砲首領、消滅して、魔黒石に。
タケル 「はぁ〜、危なかったぁ。」
ポーチ 「危ないのはどっちよ、もう!(タケルの頭を一発殴る。)」
千舞道士のところに、ジェット皇星がやってくる。
ジェット皇星 「OK!」
千舞道士 「ああ。(笑みを見せる。)」
タケル 「やったな、千舞道士!(ポンとたたく。)」
千舞道士 「ああ。」
◆ ◆ ◆
夕方。中途半魔の墓をつくる千舞道士と、それを見守るタケル達。
千舞道士、自分の千枚通しを2本交差させた形で地面につきたて、その交差したところに中途半魔の使っていた鉄球をかける。
タケル 「千舞道士…。」
ゼウスエンブレムから現れるゼウス。
ゼウス 「千舞道士よ…。」
立ち上がって振り返る千舞道士。
ゼウス 「本日をもって追放命令は解除じゃ。チームゼウスの新隊員として働いてくれんか。」
千舞道士 「!…ゼウス様…。」
ゼウス 「お前もこの世界を愛しておろう…目指すものは同じはずじゃ。」
笑顔で千舞道士を見る一行。
タケル 「(千舞道士に手を差しだして)行こうぜ!」
タケルの手をしばらく見ていたが、手を差しだし、握手をかわす。
千舞道士 「(握手をかわしたままで笑顔でタケルに)タケル…疑うことを知らないその性格が、君の命取りにならないことを、願っているよ。」
タケル 「え…。」
千舞道士 「ゼウス様、やはり私は闇に生きる者…一人で戦っていきます…。さらば!」
去っていく千舞道士。
タケル 「あ…。」
ゼウス 「あ〜〜〜。」
ポーチ 「やっぱ危険な香り…。(再びウットリ顔になるポーチ。)」
ジェット皇星 「うぁ!(ジェット皇星、ポーチの言動にビクッとして、コホンと咳払いする。)」
ゼウス 「なんじゃポーチ、千舞道士も運命の天使様か?あやつああ見えても、ギャルじゃよ。」
ポーチ 「ゲッ!(目が点に&青ざめる。)」
続けて目が点になるカンジー&糖衣嬢。
カンジー&糖衣嬢&凹十魔 「えぇ〜〜〜っ!!!」
タケル 「千舞道士、また会おうなぁ〜〜!!」
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