さようならジェット様(59)…置き手紙を残してポーチの前から姿を消すジェット皇星。彼がポーチから離れていった理由とは?
凹十魔の上で弁当を食べるタケル達。まだ仲の良いお2人。
タケル 「メシぐらいゆっくり食いたいよなあ…。(弁当をパクパク食べながら。)」
糖衣嬢 「健康のためにもその方がいいですの。」
カンジー 「ダメですよ〜、早くフロンティアゾーンに行かなきゃならないんですから…。」
凹十魔 「あと少し行けばシンバシゾーン。その向こうがフロンティアゾーンだブォ。(ニコニコ顔で話す。)」
ゼウス 「危機感がないのも若干おるがのお…。(と、後部座席を見る。)」
そう言われて、後ろを見るタケルとカンジー。
ポーチ 「ジェット様のお口に合わないでしょうけど、我慢してね。はい、アーン。(と、箸につかんだおかずをジェット皇星の口元へ持っていく。)」
ジェット皇星 「あーんっ。おいしいよぉ。」
2人の世界へ突入。花畑で寄り添う2人。
ジェット皇星 「ポーチぃ〜!」
ポーチ 「ジェット様ぁ〜!」
ジェット皇星 「君と一緒なら、どんなつつましい食事でも、究極のごちそうさぁ!」
ポーチ 「ジェット様、うれしぃ!(目をハートにしてウットリする。)」
タケル 「あ〜っ、お前の弁当、エビフライが一本多いじゃん。」
ポーチ 「何よぉ。(目を光らせる。)」
タケル 「もーらい!(弁当からエビフライを取る。)」
ポーチ 「ちょっとタケル!」
タケル 「あーんん!!(至福の表情でエビフライをパクつくタケル。)」
次の瞬間、ポーチのマジックシュートがタケルの頭に直撃。
ポーチ 「(すごい怒った顔で)ジェット様の弁当に手ぇだすんじゃないの!!」
タケル 「(金ダライを頭に乗せた状態で涙を流しながら。)ううう〜〜…およよ…。」
ジェット 「(苦笑した表情で冷や汗をかいて)ポ、ポーチぃ…。」
◆ ◆ ◆
おそらくジェット皇星にとって決定的だった問題のシーン。
特別海賊と戦うバカラのところへ駆けつけたタケル達。
ダーツの発した謎の光によって、特別海賊の武器が全て溶け、素手同士での戦いになるバカラと特別海賊。それを見守るタケル達。
タケル 「頑張れバカラ!!」
ポーチ 「頑張って!!」
ジェット皇星 「(タケルとポーチの様子を横から見て、心で叫ぶ)!!…この2人って…2人って…2人って…2人って…2人ってぇ!!」
その後も、ピンゾロイド達とともにバカラの応援をしているポーチを後ろから見ていたジェット皇星。バカラが勝利して、みんなで喜んでいる時には、既に姿を消していた。
◆ ◆ ◆
ポーチ 「うう…ううう…うう、うう、…。(手紙を見ながら泣いている。)」
タケル 「どうした、ポーチ?」
糖衣嬢 「どこか痛いんですか?」
ポーチ 「ジェット様が…うう…ジェット様がぁ〜〜〜〜!!!(目を×の字にして泣き叫ぶ。)」
手紙の中身(カンジーが読み上げていたが、そのうちジェット皇星の声に)
我が愛しのポーチへ。
長い間仲良くしてくれてありがとう。…でも君は、僕に本当の姿を見せてくれなかったようだ…。
タケルくんたちと一緒にいる君は、僕といるより、ずっと輝いて見えていた…。
愛を育てるためには、本当の信頼関係が必要だ…。バカラさん一家を見て、僕はそれを痛感した。
僕は、君の相手にはふさわしくないのかも知れない…。
近くのゾーンが凶悪魔に襲われているらしいので、僕はそちらに向かう。いつかどこかで出会ったら、笑顔であいさつしようね。
ジェット皇星
泣き叫ぶポーチ。
ポーチ 「ジェット様ぁ〜…。」
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