ナドナド

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「ナドナド」は、糸井重里作『ドナドナ』に用いられた文字と記号のみを使って作られたものです。不足も重複もないはずです。ただし、ふりかなの「ハツ」は例外。以下に、制作過程を示します。

執筆:2002/4/23−5/9
   ナドナド
      (異本)『ドナドナ』

牛の死骸を食べているときに、
詩をまぜないでね。
 
 なんで。

こころ(ハツ)が痛むから。

人魚の肉は魚屋で売るのか肉屋で売るのかについて、
人間の牛のぼくに質問しないでね。
 
 なんで。

食べられるときに、
人魚は、こんな歌を歌ったものです。
「そういうこと 言ってるのね、
そういうことを言わないでねって、
そういうことを言わないでねって、
笑いたくなるような歌を歌って、
なんだか 悲しい目をしたこと、
馬車の荷に話さないでね」

 なんで。

 「ほんとにそうかもしれないけど」ってタイトルで
 ふざけたことを書いてみました。
 わざわざ言うのは、文句言ってるんだよ、
 言うということが、人間をつくるのでしょうねぇ。
 だけど、歌って、
 おなじ気持ちにさせちゃうんです、
 そんなことには ひかれていくのですよねぇ。
 そして、国のために
 戦争という焼き肉をつくったのかなぁと、
 思いませんか。
 だから、遠い話をつくっても いいんですけど、
 そのことも、
 言いたくなったりしちゃうんだよなぁ。
               ナドナド 

執筆:2002/4/23
   詩などなど

 牛の死骸を食べてべているときに、
 魚の生造りのことを話さないでね。
 胸が悪くなるから。

 焼肉に文句を言いたいときに、
 詩や歌をまぜないでね。
 こころが痛むから。

 人魚の肉は魚屋で売るのか肉屋で売るのか、
 パルコで質問しないでね。
 笑われたりしちゃうから。

 遠い国の戦争から逃げてきた人に、
 ふざけたことを言わないでね。
 悲しい目をされるから。

 なんで、
 こんな歌をつくったのかなぁと、思いませんか。
 いいんですけどねぇ、つくっても、歌っても。


執筆:2002/4/23−4/25
   牛の死骸や歌や詩のことなどなど

 牛の死骸を食べているときに、
 歌や詩のことを話さないでね。
 焼き肉に詩をまぜないでね。
 こころ(ハツ)が痛むから。

 だから、人間にたべられるために、
 人魚の肉は魚屋で売るのか肉屋で売るのかについて、
 詩を書いてみたぼくに質問しないでね。
 というのは、笑いたくなったりしちゃうんだよなぁ。

 そして、遠い国の戦争で荷馬車にひかれていくときに、
 そのことで、ふざけたことを言ってるのって、
 そういうことを言わないでね。
 なんだか悲しい目をされるから。

 なんで、こんな歌をつくったのかなぁと、思いませんか。
 だけど、人魚と牛にそういうことを言わないでね。
 そういうこと言ってると、
 おなじ気持ちにさせちゃうんですよねぇ。

 わざわざ言うことは、
 文句ですか。
 歌ですか。
 歌のタイトルですか。
 詩ですか。
 いいんですけどね、話をつくっても、歌っても。

 人間って、
 「ほんとにそうかもしれないけど、
 そんなことなんで言うんだよ」って、
 言いたくなるような
 歌を、なんでつくるのでしょうねぇ。


執筆:2002/4/23−4/26
   ドナドナ

 牛の死骸を食べているときに、
 詩のことをまぜないでね。
 こころ(ハツ)の焼肉が痛むから。

 だから、人間に食べられるために
 人魚の肉は魚屋で売るのか肉屋で売るのかについて、
 荷馬車にひかれていくぼくに質問しないでね。

 そして、そのことで、
 戦争の遠い国というタイトルの牛が、
 ふざけたことを書いてみました。

 「わざわざ言うのは、
 文句を言ってるのです。
 だけど、歌というのは、   
 おなじ気持ちにさせちゃうんですよねぇ。」ナドナド

 笑いたくなったりしちゃうんだよなぁ。
 なんで、こんな歌をつくったのかなぁと、思いませんか。
 いいんですけどね、話をつくっても、歌っても。

 人間って、
 「ほんとにそうかもしれないけど、
 そんなことなんで言うんだよ」
 って、言いたくなるような
 歌を、
 なんでつくるのでしょうねぇ。

 そういうことを言ってるときに、
 人魚は、歌ったものです。
 そういうことを言わないでねって、
 そういうことを言わないでねって
 なんだか悲しい目をしたことを

 話さないでね。


執筆:2002/4/23−5/1
  なんで、なんで

牛の死骸を食べているときに
詩をまぜないでね、
焼肉が痛むから。

人魚の肉は魚屋で売るのか肉屋で売るのかについて
話をつくったぼくに質問しないでね、
こころ(ハツ)って、つくるから。

食べられる人間牛が、たのんだのですな。そして、
「ほんとにそうかもしれないけど、
そんなことなんで言うんだよ」というタイトルで、
ふざけたことを書いてみました。

「文句というのは、わざわざ言うものでしょう。
いいことって、言いたくて言ってると、
戦争にのめっちゃうんですけどね。だけど、
歌は、人間をおなじ気持ちにさせちゃうんですよねぇ」
                     ナドナド

そのことって、つくったのかなぁ。
ものしりだよなぁと、思いませんか。

ときに、
遠い国の人魚は、
こんな歌を歌ったものです。

そういうことを言ってるのねぇ。
そういうことを言わないでね、
そういうことを言わないでね。
笑いたくなるような歌を歌って、
なんだか悲しい目をしたってことを、
ひかれていく荷馬車に話さないでね。
             ナドナド


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