今想うミラスタ☆ちゃん

〜解散通達から一ヵ月経って〜

2003/08/25記

「2003年5月末にてミラクルツインスタアは解散しました」

 それをいきなり過去形で叩きつけられたのは、2003年7月24日のことであった。
 2003年2月11日のライブ出演を最後に「ライブ活動の」休止を宣言し、それ以後(公式的には)表に出てくることのないままの、今回の解散通達。誰しもが、「一体何があったのか?」と疑念を抱かざるを得ないだろう。
 しかし、本稿ではそれに関しては一切触れない。わからないことが多すぎるため、推測でしか語れないからだ。それは本稿の趣旨とは相容れない。
 本稿では、ミラスタ☆の想い出についてだけ、語っていきたい。なお、私とミラスタ☆との出会いは、別稿「私がミラスタ。ちゃんを好きになったワケ」に詳しい。

 「ミラスタ☆といえば」と問われれば、皆さんは何を思い出すだろうか? 二人組の可愛い女の子ユニットだとか、歌の絶妙なハモり具合だとか、実は意外と毒舌なトークだとか、各人それぞれ思い当たるものは違うだろうが、私にとっては最初から最後まで「振り付けの揃い具合」であった。
 何しろ、どうやったらそこまで揃えることが出来るのか、見てるこちらが不思議に思ってしまうほどのものだったのである。しかも、その振り付けは決して簡単なものではない。手も動けば足も動くし、それぞれが前後左右に動くだけではなく、お互いのフォーメーション移動まである。一度見て一朝一夕で真似出来るというものではない。
 その上、二人の振り付けが等価値なので、必然的に二人を見比べてしまうことになる。そんな厳しい目で見ても完璧に揃えてみせていたのが、ミラスタ☆なのだ。あえて難癖をつけるとしたら、手を振り上げる角度がちょっと違ったね、とか、そういう些細なことしか出てこない。
 未だに彼女らを超えるユニットにお目にかかったことはないが、それが彼女らの振り付けの凄さを殊更に印象付けているのだろう。そして、彼女らを超えるユニットに出会うことは、恐らく今後もないのではないだろうか。それくらい、言うなれば「異常なまでの」振り付けの揃い具合を見せていたのが、ミラスタ☆なのである。

 さて、「ミラスタ☆といえば」他にも、意外とオリジナル曲が多いことに驚かされる。正式発表されたもので13曲。活動期間が正味2年半だったことを考えれば、多いと言って差し支えはないだろう。もっとも、「意外と」と枕詞をつけてしまうのは、私には「ミラスタ☆といえばオリジナル曲」という印象が全くないからである。それは(私が後期のミラスタ☆をあまり見てないこともあって)ハロプロ系をよく歌っていた初期のイメージが強いからだろう。
 ミラスタ☆オリジナル曲は、作詞作曲者によって3期に大別することが出来る(最初の「rustic girl」は例外と考える)。
  前期 作詞:Midori/Mikiko 作曲:阿部真
  中期 作詞:Midori/Mikiko 作曲:有坂光弘
  後期 作詞:Midori 作曲:Mikiko
の3期である(休業中に作られた曲がどうだったのかは興味がある)。
 実は私は、前期〜中期に移りかけの頃のミラスタ☆までしかよく知らない。それまで月一くらいで見ていたものが、数ヶ月に一度のペースに落ちてしまったからだ。それでもワンマンライブには欠かさず行っていたので、オリジナル曲は一通り聴いてはいるのだが。
 オリジナル曲はどの期のものも佳作が多いと思うが、個人的な趣味では、中期の頃の曲が好きである。この頃の曲が一番盛り上がれるからだ(他のタレント向けの曲も含め、有坂氏の曲は非常に私好みである)。
 もっともミラスタ☆的には、ワンマンライブの表題にもしていた前期の「Happy ING」を代表曲としていた感じであるが。

 では、振り付け、曲と来れば、最後はMCについて語ってみよう。
 二人のMCは、普段の様子の報告といった感じで親近感が湧きやすく、総じて好印象であった。二人の息が合っているので、客からのツッコミが入ることもほとんどなく、安心して二人の世界に浸れたのも心地好かった。みどりんごは割と毒舌気味だったが、みきぼんがそれをうまくフォローしてたように思う。
 しかし、そつがなさすぎて、あまり印象に残っていないというのも事実だ。「ミラスタ☆といえば」と言えるようなMCは、特に記憶にない。もっとも、ミラスタ☆の魅力はあくまで歌(とそれに付随する振り付け)であるのだから、MCはあくまで引き立て役に徹していて成功だっただろう。

 「ミラスタ☆」というアイドルユニットの存在は、私のプレアイドルファン史の中から消え去ることはないであろう。それくらい魅力的な存在であった。楽しませてもらった。
 ありがとう。そして・・・さようなら。