非公認教習所(決して非合法ではありませんので!!)で練習して試験場で仮免(技能+学科)、本免(技能+学科)試験を受けて普通自動車免許を取るという方法 |
普通、自動車免許は教習所に通って学科教習と仮免を経て本免検定をうけて、試験場に行って学科だけ受けて、合格して免許取得、となります。そのように、教習所を卒業すれば技能試験は免除されるところを「公認」教習所といいます。一番一般的な方法です。
で、私の場合は、とにかくお金を安く上げたかったため、非公認教習所(正式には届出教習所というらしい)で免許をとりました、いや、練習をして試験場で免許をとりました(笑)。18年位前の話です。
確か東京都東久留米市(今の西東京市)にあった親友自動車教習所とかいう名前でした。
当時、公認の多くは、ストレートで合格すると16〜7万円でしたが、そこは8万円程度。教習内容の差があるので何ともいえませんがとにかく安いということで入所しました。
駅から徒歩圏内に事務所があり、そこで待っていると迎えが来て練習コースまで連れて行ってくれます。練習コースは、まあまあ整備されていたほうですが、教習官の詰め所が廃車になったバス。教習車はタクシー上がりを改造してコラムシフトをフロアシフトに無理やり直したようなガタガタの車でした。
教習初回、「アクセルとブレーキとクラッチ、どれだか分かる?」と聞かれ、「ええ」と答えると、いきなり「じゃあ、乗って」と運転席へ。「エンジンかけて、サイド外して、クラッチ踏んで、ギア入れて、はい、スタート」。こんな感じでいきなりの実車教習が始まりました。いきなり運転させられるとは思っていなかったため、今まで見た他人の運転を一生懸命思い出し運転してみましたが、アクセルが安定せず、ガッタガッタとコースを数周。終わったころには右足が攣りそうなほどこわばり、グッタグタに疲れたのを覚えています。
いい忘れましたが、学科は教科書をくれるだけで自習です。授業はありませんでした。
技能教習についてですが、非公認教習所の場合のメリットとして?1日の乗車時間の制限がありませんでした。乗ろうと思えば1日4時間でも6時間でも可能。一気に練習して試験場チャレンジも可能でした。
ちなみに、その教習所では、仮免チャレンジは「そろそろ、行ってみるか?」という教官の一言で決まりました。入所して直ぐに言われる人もいれば、何日通っても言われない人が居るのは、普通の教習所と一緒です。
行ってみるか、と言われた私は、必要書類を持って、府中運転免許試験場へ向かいます。午前は学科、午後は技能の試験という感じです。当然、午前が受からなければ午後はありません。
試験場での技能試験は、公認組と比べていくつかの過酷な条件が負荷され、より厳しいものとなっています。
1つめは、練習していた車と試験場の車が違うこと。車幅感覚、クラッチの軽さ・切れる位置、ハンドルの軽さ、加速の仕方。さらには、教習所練習車はフェンダーミラーだったのに試験場ではドアミラー(爆)。これに即座に順応しなくてはなりません。公認なら、いつも乗っている車で試験ですから楽なものです。
2つめは、今まであったことも無い試験官、しかもお巡りさんを助手席に乗せて運転しなくてはならないこと。こんなに緊張することもありません。へたな運転をしたら即逮捕もありえます(嘘)。
3つめは、事前に紙ベースの情報はもらえますが、全く初めての道を走らなくてはいけないこと。正に実戦的な運転が仮免許でも求められることとなります。
そんなこんな言い訳をして、仮免許は計2回落ちて3回目に受かりました。
次は、本免試験目指して練習再開です。今度は公道での練習となります。公道にでるのも、またしてもあっけなく、「じゃ、行こうか」の言葉とともに、いきなり飛び出していきます。始めのうちは緊張でガチガチですが、なんといっても「車を運転している」という実感があり、楽しい練習です。
先ほども書きましたが、この非公認教習所では、一日何時間でも練習が可能です。で、ある日4時間連続の練習を入れたときには、たまたま若い教官があたり、「きょうは4時間か。じゃ、ちょっと足を伸ばしてみようか!」などと言って、新青梅街道→青梅街道を遡ること1時間半くらい、奥多摩の山間地まで攻めに行ったこともありました。登りなら安全だと私にワインディングを攻めさせ、直線では「もっとアクセル!もっと」などと言いつつ、やえkm/hくらいまで出させるという暴挙に!サスガに下りは「怖いから」と教官自ら運転し、市街地でまた私に変わって帰ってくるというツーリング教習。いまでも楽しかった思い出です(もう時効なので許して)。
さて、本免試験を受けるには、「路上練習申告書」というものが必要となってきます。これは、「過去3ヶ月以内に5日間以上(1日2時間以上)道路で運転練習したよ」という申告書で、同乗した「普通免許を取得後、3年以上経った人」のサインを入れて必要書類とともに提出します。
また仮免同様の午前学科、午後技能という試験場通いが始まります。午前中の学科は、ちゃんとお金を払ってほぼ免許取得が約束されたような圧倒的多数の公認組みが大量に受けに来るので、試験場は大変な賑わいとなります。
学科試験が終わってしばらくすると、合格発表。たしか合格者は電光掲示板に番号が浮かびます。受かった公認組は、そのまま免許証交付へ進み、私のような正統派は午後の技能試験に備えます。従って、午後の技能教習を待つ教室は、ガラーんとしていて、しかも皆真剣な顔をして、へんな緊迫感があります。
技能試験は、仮免許でもそうですが、3人+お巡りさん(試験官)のチームでまわります。仮免試験で多少は慣れたとはいえ、まだまだ不慣れな車での試験です。しかも、初めての道。
私は、良く分からない理由で1回、交差点内停止(渋滞で交差点内に居るときに信号が赤になってしまった)で1回落とされ、3回目に合格しました。
技能試験の合格発表は、仮免のときに書き忘れましたが、試験終了後教室に戻り、試験官からアドバイスとともに発表されます。従ってその3人の中では、誰が落ちた、受かったが分かるので、非常に嫌な時間となります。
試験場で合格を目指すひとの中には、事故や重大な違反で免許取り消しになったひとも多く、この試験後の合否発表のときに「あなた、ナゼ取り消しになったの?」「もう二度としないと約束できるのか?」などと、試験官がいきなり警官に変わって取り調べモードになるのを何度も見ました。
そんなこんなで、仮免3回、本免3回の受験でやっと免許を取るに至り、合計費用は約13万円程だったと記憶しています。公認ストレート合格組とは4万円程度の違いとなりました。あんまり変わらない割には苦労が多い、かも知れませんが、試験場で合格したというのは大変な満足感を得られますし、運転技術的にも自信を持っていいものと思います。たたき上げた!という気がします。
万人にお勧めできる方法ではありませんが、人と変わったことがしてみたい向きには、プチ冒険として面白いと思います。