最終更新H19.3.21
ISO14001環境マネジメントシステム審査員補

資格の内容

 ISO14001環境マネジメントシステム審査員とは、何のための資格かというと、ISO14001に関わる環境マネジメントシステム審査登録制度における、企業等組織のISO14001規格適合性の審査を行なうための資格です。
 具体的には、その審査登録を行なう審査登録機関で働く(審査を行なう)ための資格ということになります。或いは環境コンサルタント、企業の環境ISO事務局担当者などのスキルアップ(箔を付ける)等のための取得も多いと思います。

 ISO14001環境マネジメントシステム審査員には、3つのランクがあります。
●審査員補
●審査員
●主任審査員
 普通は、審査員補の資格を取った後に審査・監査の実績を重ねて審査員、主任審査員へと昇格していきます。
 今回、私の取得した審査員補という資格は、要するに入門編みたいなものですが、以下のような資格要件が決まっています。

※詳細及び最新情報は、社団法人産業環境管理協会(JEMAI)のHPなどを参照してください。2006年12月から”新スキーム”となり、昇格要件、フォーマルトレーニングコースの試験内容(今まで研修期間がそれぞれ実施していたがJABが直接実施することとなった)など変更になっています。従って、以下の内容は”旧スキーム”のものとなります。

(概略)
1. 学校教育法に定める高等学校卒業以上の学歴を有すること。また次の者は相当以上の学歴を有する者とする。
@ 高等専門学校卒業者、文部科学大臣の指定を受けた3年制以上の高等課程専修学校修了者、文部科学省令に基づく高等学校卒業程度認定試験合格者、海外の中等教育以上の修了者。
A 高等学校以上に相当する組織内教育施設の修了者。
2. 業務経験を3 年以上有すること。
※なお、ここでいう業務経験として、非常勤の講師・顧問・監査役等としての経験、大学生、大学院生、アルバイトとしての経験及び各種ボランタリ活動は対象となりません。
3. 業務上の関係が1年以上ある所属組織の責任者等から、企業等組織のJIS Q14001(ISO14001)への適合性監査を行う環境審査員に要求されるJIS Q 19011(ISO19011) 7.2項に示す個人的特質を有する者として推薦されること。
JIS Q 19011(ISO19011) 7.2項に定める個人的特質とは、
 a)倫理的である。すなわち,公正である,信用できる,誠実である,正直である,そして分別がある
 b)心が広い。すなわち,別の考え方又は視点を進んで考慮する
 c)外交的である。すなわち,目的を達成するように人と上手に接する
 d)観察力がある。すなわち,物理的な周囲の状況及び活動を積極的に意識する
 e)知覚が鋭い。すなわち,状況を直感的に認知し,理解できる
 f)適応性がある。すなわち,異なる状況に容易に合わせる
 g)粘り強い。すなわち,根気があり,目的の達成に集中する
 h)決断力がある。すなわち,論理的な思考及び分析に基づいて,時宜を得た結論に到達する
 i)自立的である。すなわち,他人と効果的なやりとりをしながらも独立して行動し,役割を果たす
4. 財団法人日本適合性認定協会(以下「JAB」という)に認定された環境審査員研修機関が主催するJIS Q 14001(ISO14001)フォーマルトレーニングコース(以下「フォーマルトレーニングコース」という) を修了し、その試験に合格していること。

要するに、現在のところ、JAB認定のフォーマルトレーニングコースを受講し、その後のテストで合格して申請すればOK(厳密には、申請を環境マネジメントシステム審査員評価登録機関が認め、登録することが必要)、というのが審査員補です。


フォーマルトレーニングコース概要
 フォーマルトレーニングコースの内容、時間等についても、別の規格で規定されていて、何処の研修機関で受講しても内容はほぼ同じです。進め方は違うと思いますが。
 以下が、私がJACOで受けた平成18年4月17日〜21日の5日間コースの内容です。
コース内容 時間
@関連知識及び演習
 ・環境関連規格の動向と環境審査員に要求される資格基準 1.8H
 ・環境マネジメントシステム規格(含:演習) 4.9H
 ・環境側面と環境影響評価(含:演習) 9.9H
 ・環境関連法(含:演習) 5.4H
 ・環境科学、環境技術 1.1H
 ・環境施設 1.8H
A審査の手順と実施及び演習
 ・審査の手順 1.6H
 ・審査の実施(含:演習) 5.1H
 ・書類審査演習(含:チェックリスト作成) 4.2H
 ・模擬審査(役割分担演技)演習 4.3H
B試験 2.0H
合 計 42.1H
JACOでは、最初の日以外の時間割の最後の時間が「演習」で、翌日朝から発表等が有った為、演習が終わるまで帰れず、夜の10時ごろまで教室で居残りとなりました。
ちなみに演習は、殆どチームでまとめるものなので、チームに1人でも”納得しない君”が居たりすると、グズグズと深夜に至るハメになります。
資格の有効期限 1年ごと身分証書替え

JAB認定環境マネジメントシステム審査員研修機関(12件;2006/09/01 現在)
株式会社 テクノファ(TF)
株式会社 日本環境認証機構(JACO)
株式会社 グローバルテクノ(GTC)
株式会社 エル・エム・ジェイ・ジャパン(LMJ)
社団法人 中部産業連盟ISO事業部(CHU-SAN-REN ISO)
財団法人 日本科学技術連盟ISO研修事業部(JUSE-ISO Training Div.)
SGSジャパン 株式会社教育訓練部(SGS TRS)
社団法人 日本能率協会ISO・マネジメントシステム事業部(JMA IMD)
社団法人 日本海事検定協会 ISOサービスセンター(NKKK ISO-SC)
株式会社 イ−エムエスジャパン(EMSJ)
株式会社 品質保証総合研究所(JQAI)
法政大学環境センタ−(CEI)
試験概要

 試験、と言っても、要は「フォーマルトレーニングコース」の修了試験です。フォーマルトレーニングコースで学んだことが身に付いたかどうかをチェックするものです。
 試験のやり方は、研修機関により異なるようですが、私の受講したJACOでは、教科書持込可でした。
但し、何せ教科書は何分冊にもなっていて分厚いので、何処に何が書いてあるかが分かっていないと無理です。また、全て記述試験で問題の分量も多いので、かなりヘトヘトになります。
 合否発表は、個々人に通知されるので、全体的な合格率はわかりません。

合格基準
 ・筆記試験 70%以上
 ・研修態度 50%以上
筆記試験概要
 ・小説問(短文回答方式:75分間に20問) 配点60点
 ・規格理解度問題及び小論文(記述方式:45分間) 配点各20点
研修態度の評価
 ・時間厳守、研修参加態度
 ・討議への参加態度、質問の程度
 ・発言、態度、作成文書に示される理解の程度
 ・審査技法の習熟度合い
 ・審査員としての適正

昇格について
 先にも書きましたが、ISO14001環境マネジメントシステム審査員には、3つのランクがあり、審査員補から始まって、必要条件を満たすことにより、審査員、主任審査員へと昇格していきます。その昇格要件を以下に記します。但し、今後近い将来に変更になる予定ですのでご注意ください。
※詳細及び最新情報は、社団法人産業環境管理協会(JEMAI)のHPなどを参照してください。時々変更があります。

<審査員補から審査員への昇格 2006/9/9現在>
全般業務経験 技術的、管理的又は専門的立場での業務経験を5年以上有すること。
環境業務経験 全般業務経験のうち、2年以上は環境マネジメント分野の知識及び技能に係わる業務経験であること。
※この業務経験は、判断を下し、問題を解決し、他の管理者又は専門家、同僚、顧客及び/又はその他の利害関係者と意思の疎通を図るといった内容のものであること。
監査経験 主任審査員の指導及び指揮の下、監査メンバーとして監査の全過程に、申請日前の3年間に4回以上 延べ20日以上の監査経験があること
主任審査員からの推薦 上記の監査で指揮指導した2人の主任審査員からの推薦があること
上記条件が揃い申請して、環境マネジメントシステム審査員評価登録機関が認め、登録されること。

<審査員から主任審査員への昇格 2006/9/9現在>
監査チームリーダーとしての監査経験 主任審査員の指導及び指揮の下、監査メンバーとして監査の全過程に、申請日前の2年間に3回以上 延べ15日以上の監査経験があること
主任審査員からの推薦 上記の監査で指揮指導した2人の主任審査員からの推薦があること
上記条件が揃い申請して、環境マネジメントシステム審査員評価登録機関が認め、登録されること。



その他記録
資格取得日 2006.8.15(正確には、審査員評価登録機関に認められて登録された日)
●各種費用(審査員補初回登録)
 ・フォーマルトレーニングコース受講料(5日間)  30万円前後!
 ・申請料(審査料)  12600円
 ・登録料(年間)   13650円
資格維持に掛かる費用
 ・登録料(年間)    12810円


    

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