最終更新H18.6.5
消費生活アドバイザー

  H14年度受験で結構時間が経ってしまって忘れかけなのですが、自分の備忘録として書きます。あんまり参考には?? 

資格の内容

 消費生活アドバイザー制度とは、消費者と企業または行政等との"かけ橋"として、消費者の意向を企業経営または行政への提言に反映させるとともに、消費者からの苦情相談などに対して迅速かつ適切なアドバイスができる人材を養成する目的で、経済産業大臣の認定を得て実施する技能審査(消費生活アドバイザー試験)に合格し、なおかつ一定の要件を満たした者に対し消費生活アドバイザーの称号を付与する制度です。
 消費生活アドバイザーは、次の役割をとおし、企業の消費者志向促進と消費者利益の確保に役立てるほか、複雑化する経済社会において賢い消費者の育成にもその能力の発揮が求められています
(以上(財)日本産業協会HPより)、とのことです。
 一方、似た資格に「消費生活専門相談員」、「消費生活コンサルタント」というのがあります。違いは何かというと、良くわかりません(爆!)。もうちょっと消費者(受験者)にわかり易い資格体系にしてもらいたいものです。言われているのは、消費生活アドバイザーは主に企業に働く人向け、消費生活専門相談員は主に消費生活センター等の行政で働く人向け、らしいです。「消費生活コンサルタント」は、講習を修了するともらえるもので、試験がありません。

試験概要

(私の受けた当時の話なので、現在は多少異なるかも知れません)
一次試験;筆記試験(択一試験)。
    択一式試験には珍しく単なる筆記式だった。今はマークシートになったのかどうか・・。
    3時限に分けて実施され、各60〜80分位だった気がします。受験要綱参照。

二次試験;(一次試験合格者のみ)
    論文 800字×2本。1本60分。
    面接 15分位。相手は3人、こちらは1人。
合格率;20%弱程度。女性6割超。



受験体験記































 消費生活アドバイザーという資格については、現在でもそうだが決してメジャーではなく、かつ単なる「苦情処理担当者の資格」位の負のイメージしかなかったため、受験しようなんて事は思ってもいなかった。
 しかしながら、他ページに書いたようなプロパンガス会社とのトラブルがあって「契約」やら「消費者関連法規」等について勉強せざるを得なくなり、更にはそんな時に頼りになるはずの消費生活センターにまで相手にされず、もう自分でやるしかないとの思いを胸に秘めつつ何もしていなかった(爆!)時に、たまたま会社で消費生活アドバイザー受験講座受講募集があり、乗っかったというのが本当の動機である。

 1次試験に対する勉強は、社内受験講座で貰ったテキスト「消費生活アドバイザー合格完全対策(2002年版)」を2回位読み(かなり誤植、データ間違いがあり危険な本でもあったが)、プラス月刊「国民生活」(国民生活センタ)、「くらしの豆知識」(同)を同じく2回位読んだ。「ハンドブック消費者」(経済企画庁国民生活局)も買ったが、つまらなくてあんまり・・・。期間的には3ヶ月程度、実質はムニャムニャ・・。夏休みにやろうと思ったのに・・。
 で、何せ範囲がむちゃくちゃに広い(小学校家庭科から大学経済原論まで。或いはナイロン生地の特性からデフレスパイラル下の金融政策まで)ので、テキストを読んでいると「一体自分は何をしているのか」と訳が分からなくなる。それを「国民生活」と「くら豆」で整理していった。
 ついでに過去問も過去1年位(少な!)やってみた。出来なさ加減に嫌になるが、時事問題以外は過去問からそのままの形で出題されることも多く、やっておくに越したことは無い。というより、やらないと合格が遠くなるかもしれない。但し、当然ながら毎年消費者関連法規などは変わっていくので、過去問の答えが今年も正しいとは限らない点に要注意。

 1次試験は、10月第一週の日曜日に実施される。前述の通り択一式だったので、不十分な勉強による曖昧な記憶でも何とかなったらしく、無事合格できた。詳しくないが、合格ラインは65%程度と言われている。あと、科目ごとに足切りがあるという話。
 1次試験の結果は、11月上旬に発表されて、2次試験は11月下旬に行われる。ということは、1次試験が終わったら即2次の勉強に取り掛かるべきである。
 しかし、実際は「受かったか落ちたか」が気になって1ヶ月をモンモンと過ごし、合格通知が来てから改めてスタートする人が多い。かく言う私もその一人。無駄になるかもしれない2次の勉強なんて無理無理!(本当は落ちてたとしても来年につながるわけですが・・)

 そこで、いきなり残り1ヶ月弱の論文対策。論文は800字のものを2発書かねばならない。大概の識者の薦める勉強方法は、ひたすら書く!1日2本以上書いて慣れる、まとめかたを覚える。私もそうするつもりだった。しかし、結局は1ヶ月で2本くらい書いただけで本番の日になってしまった。
 その間、何をしていたかといえば、前述の「国民生活」と「くら豆」を読み返し、現在の様々な消費生活に関わる問題の把握と議論の方向性を頭に入れた。また、下記リンクにもあるプライベートサイトで、同じ受験生の投稿論文とそれに対する識者の意見等を読んで様子をつかんだ。これ、「他人のふんどしで相撲を取る」ような感じですが、かなり大事です。できることなら投稿してみて撃沈されれば尚よろしいかと。
 論文で一番大事なことは、問題に対する答えを書くこと。当たり前だが、この試験では問題の意図する処をつかむのが結構難しい。そんな気がした。行政はどうするべきか、という問いに消費者の自覚が大切である、と書いてはNG。分かっていても書いているうちに結論がずれて行ってしまう。だから数を書かなくてはいけないのだが。
 実際、1問については1/3まで書いていて、どうにも問題と結論が方向違いなのに気づき、一度全部消して他の問題で書き直しとなった。紙は破きそうになるわ、時間はなくなるわでえらい目にあった。
 論文テクニックとして気をつけたのは、以下の5点くらい。前述の各プライベートサイトで学んだ。
起承転結をはっきりすること。まず書き始める前にそれぞれの概略を問題用紙にでも書いてみる。
「結」に25%以上割くこと。解答用紙に線を引いてもいい。
文章を途中でぶった切らないこと(この文章のように「・・という話。」「・・だが。」はNG。必ず「・・である。」「・・と思う。」と完結させる。)
問題と「結」だけを読んで、つじつまが合うこと。途中が駄目でも結だけは合わせる。
最後の一行まで書くこと。読める字で。短いもの、字の汚いものは門前払いとか聞いたので。

 はっきり言って論文は、かなりシンドイ試験です。全力で頭を60分回して「グダッ」としたところでもう1本書くわけだから。集中できるよう、チョコレートとか齧っておいた方が身のため。

 更に私は当日の面接に指定されていて、論文から3時間位の間をおいて再度緊迫の時間を過ごすこととなった。面接は、受験者1名を試験官3名でいじめる形式を取る。
 大概聞かれることは決まっているが、こちらの受け答えに対して時々ズドーン!と突っ込んでくる。聞かれることの大筋は以下の通りである。
 なぜ受験したのか。

 合格したらどうするのか。資格をどのように生かすのか。
 受験勉強で学んだものは何か。
 最近の消費者問題で気になっていることは何か。また、それについてどう考えるか。
 論文で何を書いたか。出来は?
 面接時間は15分位だったと思う。これは、実に長い。いくら繕ってもこれだけの時間質問されれば化けの皮は剥がされる。私はいくら突っ込まれてもいいように、志望動機で時間を稼ぐことにした。うまくすればそれだけで終わるかな、などと甘い考えを抱きつつ。
 面接では、論文の出来をまず聞かれ、ムニャムニャ答えていたところで、「なぜ消費生活アドバイザーを受験しようとおもったのか」と聞かれた。私は、例のプロパンガス事件をとりあげ、「消費生活センターも誰も面倒見てくれないから自分で対処できるように、更には私と同様に困っている人がいれば、アドバイスが出来るようにこの資格を目指した」と答えた。その後、予想通りに突っ込んで頂き、多分15分のうち10分程度を費やすことに成功した。なにせ実体験なので話しやすい。
 その後は、現在気になっている消費者問題等を聞かれて、当時の「中国産抗生物質うなぎ」の話などしつつお茶を濁して切り抜けた。
 当たり前だが、質問に対して感情的に答えたり、怒ったり、聞かれたからと言って会社の機密事項をしゃべったりすれば即NG。向いていないと判断される。冷静に、客観的に、堂々とできればOK。

 2次試験の合否発表は、2月上旬。かなり不安な2ヶ月間を過ごさなくてはならない。日本産業協会HP上で番号を確認して、合格通知を貰い、称号付与申請手数料を支払って4月になってから「アドバイザー証」が届いた。

資格取得後

 消費生活アドバイザーの有効期間は5年であり、更新するためには有効期限満了までに、更新講座を4単位講座以上受講しなければならない。費用は1講座あたり2700円なので、10800円は掛かることとなる。現状資格で仕事をしているわけではないので、結構痛い。
 また、講習は、H16年度は「札幌」「名古屋」「高松」「福岡」が各1日、「大阪」が2日、「東京」で4日となっており、多分合格者数ベースの割り振りなんだと思いますが、地方の方には希望講座が受けられない、交通費が掛かるといった問題があります。有資格者が増えてくれば改善されるとはおもいますが。
 ちなみに来年度は、高松」をやめて「仙台」にする予定とか。ライブドアの影響か?

受験に
   役に立つリンク

全般的に網羅。ざっと見るだけでも時間が掛かる奥も深いサイト。情報の少ない消アド受験もココを見れば道筋がみえるかと思います。


特に論文投稿のコーナーは必見。出来れば投稿して撃沈されたし。「わいわい井戸端(BBS)」も受験同志の悩み等が見れて安心できるのでは。

「NPO法人 消費生活サポート」
「さいとお」さんの毒のある?HP。でも愛もあふれています。合格するための「さいとお」さんなりのやり方満載。取捨選択は見る人の技量にて。

消費生活アドバイザー受験記
小論文対策、面接対策の「かずお式」解説はかなり役にたつのではないかと思います。


消費生活アドバイザー試験予想問題があります。有料と無料あり。

東京の消費生活
試験にも実生活にも役立つ実社会の情報。

産業能率大学総合研究所
消費生活アドバイザー試験の過去問(解説付)、利用している方が多い通信講座、小論文徹底トレーニング等を手がけています。

財団法人 日本産業協会
消費生活アドバイザー試験情報。過去問(解説なし)、通信教育等やってます。さらには、資格取得後の求人紹介もあります!


世に蔓延る悪徳商法の数々。消費生活アドバイザーになったら、そんなのと戦うことになる、かも。日本産業協会のWEBサイトで「消費者と企業とのパイプ役として活躍している、自主グループ・企業活動グループ」として紹介されています。
参考書
月刊 国民生活 絶対にお勧め。受験年のバックナンバーを半年分位入手して読んでおけば、1次にも2次にも役立ちます。必須アイテム!
消費生活アドバイザー試験問題集&解説 1年分でもやっておくと違います。というより、これだけで十分という意見も有るほどです。私の意見は、この他に「国民生活」と「くら豆」は要るのではないかと思います。
くらしの豆知識’06 必須。2003年までは10/1発売で、読むのに数日しかなかったのですが、最近は9月発売で余裕が出来ました。
消費生活アドバイザー受験合格対策(2006年版) 会社の詰込み講習で使ったテキスト。当時の版は間違いが多かったのですが・・。初めから全てを一気に飲み込むのは大変ですが(というか無理)、ある程度勉強してきてから眺めると非常に有効な本だと思います。約550ページの分厚い本です。
ハンドブック消費者2005 各種マークを覚えるのに良いかと思います。その他は難しいというか、つまらないというか、細かいというか。「くら豆」の補強に。
現代用語の基礎知識 2007 必要に応じて。まあ、試験用というよりは、一般生活用として有っても良いとは思います。
国民生活白書(平成18年版) 白書ものは試験に出ます。でも原書は必読とは思いません。「くら豆」「国民生活」の記事に出てくる程度で凡そ良いのではと思います。100点は要らないのですから。時間のあるときにどうぞ。
決算書がおもしろいほどわかる本−新会計基準対応版―貸借対照表・損益計算書からキャッシュ・フロー計算書・経営分析まで 私としては、未だに苦手な分野です。経済学部なんですけど、苦手。これも「この系統の問題は捨てる!」という選択が可能ですので必読では有りませんが、分からないと悔しい方には、是非。


その他記録
資格取得日 2003.4.1(アドバイザー証有効期限から逆算)
受験、申請費用
 受験料12600円
 称号付与申請手数料10500円
資格維持に掛かる費用(有効期間5年間の間に)
 講習受講料 1講座あたり2700円×4単位なので、10800円

以下、各種書類記録