東葛人的自転車安全考
自転車の安全について独断と偏見による考察です


【グレーチングの恐怖、自転車にとって最悪のトラップですね】


 上の写真は、道路をまたぐ溝にフタをする鉄格子(「グレーチング」と言うらしいです)です。なんかヘンなのが分かりますか。そうなんです。右のグレーチングが天地逆さまです。正しくはめられている場合、左のグレーチングのように表面が格子状です。ところが左のグレーチングは天地逆さまのため、表面が格子ではなくスリットになっています。

 これ、細いタイヤだとスリットの中に落ちちゃうんですね。この日は折り畳み自転車のPacific-18で走っていたのですが、履かせているタイヤは細身のステルビオ。スリットに平行して走ると、見事にスリットの間にタイヤが落ちてしまいます。

 場所はここです。つくばエクスプレスの柏たなか駅方面から問題の常磐道下を目指しました。このルートは常磐道をくぐると上り坂になるために、一気にスピードをつけて・・・と思った瞬間、このグレーチングの異変に気付きました。

 本当に危なかったです。「あっ!」と思った瞬間、もう自転車は天地がひっくり返ったグレーチングの上です。わずかに斜めに進入したために、スリットの間の溝に落ちなくて済みました。

 もし、落ちていたらどうなっていただろう。想像すると恐ろしいです。Pacific-18は小径車ですから、落ちたら、たちまち転倒でしょう。スピードを出していましたから、体は前に飛び・・・。わーわー怖い!

 それにしても、グレーチングを天地さかさまに入れるなんて、ひどいミスですね。タイヤが細いスポーツバイクには、あまりに危険です。でも、その後ネットで調べたら、よくあるらしく、実際にそのせいで自転車事故も起こっているようです。

 これ、放置しておいてはいけなかったんです。うかつなことに、すっかり忘却の彼方に行ってしまっていました。で、数日経った日の朝ようやく思い出し、柏市の土木部道路サービス事務所に電話を入れ、グレーチングを正しく入れ直してほしいと依頼しました。

 しかし、グレーチングの天地さかさまの危険性を説明するのって難しいですね。ちょっと手間取りましたが、なんとか理解してもらえました。で、「簡単に直せるようなら、すぐにやっておきます」と事務所の方におっしゃていただきました。



 そんなわけで今日、その後どうかと気になっていたので、次の休みの日にほぼ同じルートで、確認しに行きました。そしてら、正しく入れ直されていました(喜)

 やはり、この手のことは見つけたら、すぐに行政に善処を申し入れないといけないですね。もちろん、私の連絡は遅れましたので、その前に直されていたのかもしれません。いずれにしろ、良かったです。ただ、工事関係者の皆さんには、このようなミスのないよう、くれぐれもお願いしたいものです。


【自転車の歩道走行をルール化だそうです】


 今日(2006年11月30日)、asahi.comを見ていたら、「自転車、歩道走行認めるルール作り 事故急増で警察庁」という記事が載っていました。なんでも、車道左側端を通行する原則を維持するものの、買い物目的や道路が著しく危険な場合などには、歩道走行を認めるとのこと。来年の国会に提出する改正道交法案に盛り込まれるそうです。

 そう言えば、以前「自転車は車道ではなく、歩道を走るように義務付ける」といった、とんでもない話があって随分物議をかもしました。まあ、この記事のような話なら妥当なところだと思います。ただ現状追認だけのような気もしますし、これが本当に事故防止につながるか疑問です。むしろ、「自転車は歩道を走るものだ」と勘違いするママチャリや自動車が増えて、歩行者や車道を走る自転車がさらに危険な目に遭う恐れもありますね。

 ところで警察では、無法自転車の取り締まりも強化するとのこと。酒酔い運転や信号無視などは積極的に検挙するそうです。ルール無視のママチャリにひどい目に遭ったばかりですので(苦笑)、これは是非ビシバシやってもらいたいところです。ただ、私たちもついうっかりからルール違反にならないように、今まで以上に注意しないといけないですね。

 最近、そうしたついうっかりを防ぐために、小型のフラッシングライトを常にバッグに入れて走るようにしました。実は少し前、日没までに帰るつもりでライトを持たずに走り始め、帰る途中で日没、あっという間に真っ暗になり、完全にレッドカード状態になったことがありました。日没の時間がどんどん早くなっているのを考慮しなかったゆえの失敗です(反省)

 これを防ぐのに一番手っ取り早い方法は、ライトを常備することです。ただ真昼に、でかいライトをスポーツバイクに付けて走るのもなんなんで、サドルバッグなどに収まるような小型のフラッシングライトを常備することにしました。リアは以前から持っていたユニコのミニライト(たぶん)ですが、フロントはキャットアイのコンパクトセーフティライトを新たに購入しました。

 いずれも、ゴムバンドで固定する簡易なものですが、本格的なナイトランをやらないなら、これで十分です(もちろん安全運転が前提ですが)。実際には日没までに帰れることがほとんどですので、使うことはあまりないのですが、これを持っていると精神的に随分余裕が生まれます。日没前にあせりながら必死で漕ぐのは、それだけで危ないですから、使わなくても持っていて損はないです。


【利根運河に「競輪の練習のように走るな」との立て札】


利根運河北岸の東京理科大キャンパス付近に、いつの間にか、こんな立て札立てられていました。利根運河ではあまり見かけないのですが、江戸川サイクリングロードでは、子供やお年寄りの脇を猛スピードで駆け抜けていくロードレーサーをたまに見掛けますので、「ヤバイな」と思っていました。案の定、警告が出てしまいましたね。

 人のことをとやかく言える立場ではありませんが、人の側を通るときは十分に減速しましょうよ。自転車乗りにとってはサイクリングロードでも、歩行者にとっては歩道です。時速30km以上のスピードで“車両”が横を通り過ぎるなど想定していません。こちらが安全だと思っても、歩行者は驚き、そして不安になるでしょう。不安になると、人間は怒り出すんですよね。

 そして、怒った人が行政にねじ込み、その数が増えると、行政も対応せざるを得なくなります。特に“絶対的正義”であるお年寄りや子連れの親を不安がらせ、怒らせては、どうにもなりません。そもそも歩行者や近隣住民に白い眼で見られて走るのは、楽しくないですから、歩行者へのご配慮をお願いします。

 ところで、この立て札はよく読むと、思いのほか目配りが利いていますね。「サイクリングロードでは」と書くことで、この道が“自転車のための道”であることを、間接的ながら歩行者にも告知しています。「競輪の練習のようにスピードを出して」で、歩行者がどういう行為にクレームを付けているかが一目瞭然です。私もロードレーサーに乗るときは、戦闘モードにならないように注意することにします。


【自転車安全考・・・「とにかく譲る」が私の原則】


 私が自転車に乗るうえで鉄則としている「とにかく譲る」について書いておきます。私が折り畳み自転車のPacific-18を購入して、本格的に自転車に乗り始めたころ、ママチャリでの走行時も含め本当によく事故っていました。 Pacific-18では宙返りしたのが3回ありますし、ママチャリでは電柱に顔面から激突して大きなアザを作ったり、同じく顔から路面に落ちて前歯を 折ったりと、「お前、自転車乗るのやめた方がいいよ」という状態でした。

 原因はいろいろですが、事故るのは不注意なのがもちろんですが、たいてい苛立っているときでした。人に前を強引に横切られたり、自動車に進路をふさがれ たり、まあ、そんなことで苛立った次の瞬間、注意力が散漫になるのか、操作を誤って自滅、痛い思いをすることになります。今から思うとよく人にケガをさせ なかったものです。

 出身の関西の言葉で言うと“イラチ”な性格、もっとはっきり言うと人間が全く出来ていないということです。当時は「そんなことで、いらつくな」と自分に 言い聞かせていましたが、これは全く無意味です。緊張しているときに「落ち着け」と言ったところで無意味なのと同じです。

 そんなときに思い至ったのが、この「とにかく譲る」です。「このままじゃ本当に死ぬな」と深く反省し、これを実践しようと思ったのです。相手が譲ること を勝手に期待せず、自分の方がとにかく譲る。車であろうが、人であろうが、動物であろうが、誰にでも譲る。そう心に決めました。

 細い道で自転車同士がすれ違う際は、こちらが止まる。交差点で右折したい自動車がいる場合は、進入速度を落として先に右折させてあげる。人や動物も無条 件で相手が優先・・・などなどです。実際に実践するのはなかなか難しいのですが、そうしようと決めたことで劇的な効果がありました。

 第一に苛立たなくなったです。初めから自分に優先権はないと思っていますから、強引なことをされても、あまり腹が立ちません。また、こちらが譲ろうとす ると、相手の方も譲ろうしてくださり、お互い感謝したり、感謝されたりで、とても気分よく走れるようになりました。そのおかげで、つまらぬ事故も起こらな くなりました。

 まあ日々の生活には、譲ってはならぬこと、負けてはならぬことが山ほどありますから、せめて大好きな自転車に乗っているときぐらいは、これからも“よい人”でいようと思っています(笑)



【ヘルメットをかぶる、かぶらないの基準は個人が決めること】


 いつか書こうと思っていたセンシティブな話を書きます。何かいうとヘルメット。このヘルメット、私にとっては本当にセンシティブです。なぜかというと、私 は子供のときから頭デカ。子供のときは帽子に困りましたが、今はヘルメットに困っています。かぶれるヘルメットがほとんどないのです。ようやく見つけたの が、このOGKのアレクレス。さすが日本のメーカー、日本人の頭をよく知っています。

 ただ、これが似合わないんだ(苦笑)。ショップでかぶったとき、薦めてくれた店員さんの笑いをかみ殺した表情が忘れられません(その店員さん←お客に悟 られるなんて、接客のプロとは言えませんぜ)。私も鏡を見て呆然。キノコがいる・・・。まあ、こんなこと気にしなければいいんだと思い直しました。で、人 の見てくれなんか最も気にしない友人とポタリングに行くことになり、このヘルメットをかぶっていくと、そいついわく「ほぉ・・・」。それだけですかい! すっかり私は、子供のころのコンプレックスが復活してしましました。

 そんなこんなで、私はヘルメットなんか着用したくありません。でも、それは安全面からは愚かなことです。で、自分でヘルメットを着用するルールを決めま した。ヘルメットをかぶらなければならないのは(1)都心へ向かうなど幹線道路を走る場合、(2)見知らぬ土地に輪行する場合(ただし折り畳み自転車の Padific-18を除く)、(3)ヘルメット着用が義務付けられている場合----の3つです。

 それ以外では、私はヘルメットはかぶりません。もちろん、ヘルメット着用時よりも危険であることを十分認識して、安全運転に心がけるようにしています。 いつも完璧な安全走行を心がけてらっしゃる方から見れば、いろいろとご批判もあるかと思います。しかし少なくとも、他人に「ヘルメットをかぶれ」と言って おきながら、下り道で自動車の制限速度ですら平気で無視して飛ばすバカ(人を巻き込んで事故ったらどうするつもりなんでしょう)とは、同列ではないでしょ う。

 ヘルメットに関しては、いろんなところで物議をかもしているようです。第三者がどうこう言うのは不躾なことですが、ヘルメットをかぶれと言われて反発す る人の気持ちは分かる気がします。私も、誰かに「ヘルメットをかぶれ」と言われたら、自分のセンシティブな領域に土足で踏み込まれた気持ちになります。ま あそれは、人間が出来ていないことに、ほかなりませんが。



【東京近郊の幹線道路では車道を走ると命にかかわる】


  国道6号線(水戸街道)を走っていたロードレーサーが、危うく軽トラックに押しつぶされそうになるのを見ました。軽トラックが左折するため、ガードレールに幅寄せしたところに、ちょうどロードレーサーがいて、軽トラックとガードレールにはさまれそうになったのです。

 そのロードレーサーは、問題の軽トラックと並走して走ってきたため、軽トラックが左折を出したのに気づきません。軽トラックもロードレーサーが並走して いるとは夢にも思っていなかったようで、そのまま左折しようとしたのです。幸い、ロードレーサーに乗っている人の大声で、軽トラックの運転手が気づき停止 したため、事なきを得ました。

 まあ、どちらが悪いかは、ここでは触れません。それよりも問題は、この水戸街道という幹線道路は、自転車が走るのには危険するぎるのです。東京都内はま だよいのですが、千葉県に入ると交通量は変わらないのに車道が狭くなり、めちゃくちゃ危険です。ちょくちょくロードレーサーや、ときにはママチャリが車道 を走っていますが、怖くて見ていられません。これは水戸街道に限ったことではなく、東京近郊の多くの幹線道路がそんな状態でしょう。

 国の道路行政の問題と言ってしまえばそれまでですが、こんな状態で「自転車は車道を走れ」という道路交通法を無条件で守っていては命にかかわります。私 は車道を走っていて、警察官から「歩道を走れ」と言われ、何なんだと思ったことがありますが、現実に即してみると警察官の注意の方が正しい気がします。

 ですから、特に初めてスポーツバイクに乗った人に「車道を走れ」と言うのは躊躇されます。歩道をサイクリングロード並みの速度で飛ばして、歩行者に危な い思いをさせる馬鹿がたまにいるので、こんなことを言うと問題かもしれませんが、危険な道路では道交法違反でも歩道を走った方がよいでしょう。もちろん歩 行者の道に乗り入れさせてもらっているわけですから、最徐行し、場合によっては自転車を押して歩くぐらいの気持ちが必要ですが。



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