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薩摩牛の蔵(広尾)   味:10 CP:8+ 総合:10 予算5500円
         
【住所】 港区南青山7-13-13

【TEL】 03-5766-7566

【定休日】 無休(盆・正月を除く)

【営業時間】 11:30-14:00/17:00-23:00

【HP/クーポン】 有り / 無し

日赤病院近く。広尾から徒歩10分。表参道から
徒歩15分。渋谷から日赤病院行バスが便利。

薩摩盛り(左上から時計周りに上カルビ・上ロース・焼きしゃぶ・上ハラミ・<中央>ミノサンド)
レバ刺し タン塩 
テールスープ 

【雰囲気】
間接照明を多用して、広尾という地域を心得たお忍びの雰囲気を醸しだしている。個室が中心
だが、テーブル席にも仕切りがあり、接待・大事なデートにも十分使えそう。(個室でもサ無)
【ロースター】
無煙鉄板ロースター
【訪問状況】
平日/予約有
【注文内容】  2名で11900円(満腹度105)
薩摩盛り 5000 見た目も美しいお得な5品盛り合わせ。これで3人前とのこと。
  上ロース   「サシの強い肉は脂に旨みが負けてしまう」とは、私が良く使う表現
だが、この店の扱う薩摩牛に関しては全くあてはまらない。見事な
サシに、それに負けない濃厚で芳醇な赤身の旨み。このバランス
は見事としか言いようがない。
  上カルビ   ロースとはしっかりと味が違う。こちらは脂の甘みが全面に広がる。
ただ、サシほど脂がくどくなく、後味がすっきりしているのが特長。
  上ハラミ   見事にサシの入ったハラミ。野性味はやや弱い気がしたが、ジュー
シーさには驚かされた。ややおまけで◎。
  ミノサンド   きれいに脂が挟まったミノサンド。鮮度はそれ程感じなかったが、脂
の旨みが尋常でない。
  焼きしゃぶ   軽く炙って、ポン酢ダレで食べる。もちろん美味しいのだが、厚切り
の他の肉に比べるとインパクトは弱いか。
レバ刺し  900 人生で5指に入るレバ刺し。ぶつ切り・薄切り両方楽しめるのが嬉
しい。鮮度もさることながら、レバ刺しが持つ舌にまとわりつく濃厚
な旨み及び甘みに痺れる。
上タン塩 1500 テーブルに置かれた瞬間に上物と直感。タンが光り輝いているのだ
。これが美味くないわけなかろう。上物特有の香り高さ。
三臓盛り 1500 3種類盛り合わせ。単品がそれ程安くないので、盛りがお得。
  ホルモン   連れは本日のNO1に。これだけ、脂が甘いホルモンは食べたこと
がない。薩摩牛、恐るべし。
  ミノサンド   上記参照のこと。
  ハツ   普通の店なら◎。サクサクとした食感が堪らない。
テールスープ  800 これは人生で食べたテールスープで1番美味しい。真っ白なスープ
は、濃厚ながら非常に上品。中にはたっぷりと肉のついたテールが
2つも。テールにもしゃぶりながら、一気にスープを飲み干した。
キムチ  400 肉のレベルの高さに目を囚われるとこのキムチのレベルの高さに気
づかないかもしれない。優しい味もしっかりとパンチが効いている。
その他、生中(550)、黒生中(550)、黒酢蜂蜜ジュース(350)×2
【気になる未食メニュー】
牛の蔵盛り
(8000)、ハラミステーキ(2500)、ツラミ(1200)
【ものがたり】
        『エウレカ!エウレカ!(ギリシア語で「見つけたぞ!」の意)』

 かのアルキメデスは風呂場で「アルキメデスの原理」を発見した時、「エウレカ!エウレカ!」
と狂喜乱舞をしながら裸のまま街中を駆け巡ったという。現代で同じ事をすれば、公然わいせ
つ罪(刑法174条)で捕まるのがオチであろうが、ここを初めて訪れた時、私の心にも「エウレ
カ!」という思いが去来し、アルキメデスのご乱行の意味が分かった気がした。長年探し求め
ていた理想の恋人に出逢った感覚に陥ったのだ。

 「お客様に美味しい焼肉を食べていただくために美味しい牛肉を仕入れよう」、これは善良な
焼肉屋さんの発想である。しかし、『薩摩牛の蔵』の発想はその上を行く。「薩摩牛の美味しさ
を知ってもらうため、東京で思う存分焼肉屋をやってみたい」・・・まず「薩摩牛ありき」なのだ。
 お店の薩摩牛に対する矜持は相当なもの。テーブルにおかれるランチョンマットには生産者
(蔵元と言うらしい)6名の熱い抱負が顔写真入りで書いてある。店員さんも元々は薩摩牛の営
業をやっていた方が東京に出張で来ているとのこと。極めつけには肉切り職人(ブッチャー)も
存在する。その矜持は、薩摩牛の店頭販売に最も良く表れている。

 前置きが非常に長くなってしまったが、この店は限りなく私の理想に近い店である。
肉・・・薩摩牛の濃厚な旨みを知ってしまったら、他の肉は食べづらくなるのでは?正肉は勿論
    のこと、同じく薩摩牛を使っているホルモンも抜群に美味しい。
雰囲気・・・個室であるのにサービス税が取られないのは驚き。間接照明を使っていながら、ロ
       ースターにはライトを当てて、肉の焼ける様をしっかり見せてくれる配慮に脱帽。
接客・・・マニュアル化されていない心温まる接客。良い意味で一生懸命さが伝わってくる。食
     後に出てくる枇杷茶と黒糖のサービスも嬉しい。
値段・・・これだけのものを食べさせてくれれば文句は無い。寧ろ安い位だ。
タレ・・・もみダレが非常に美味しい。つけダレ(特にポン酢ダレ)は工夫の余地ありか。

 神様は焼肉を愛している私を『牛の蔵』に出逢わせるという形で祝福してくださった。「大都会
の中の小さな鹿児島」こと『牛の蔵』は開店半年にして、もはや私の中では伝説の域に達してい
る。皆様も是非、この店に訪れて伝説の生き証人となってはいかがだろうか。(2006年7月)



          ミスジステーキ                        マルチョウ

【訪問状況】
平日/予約有
【注文内容】 2名で9150円(満腹度90)
ミスジ
ステーキ
2500 テーブルに置かれた瞬間に「おおっ!」と凝視してしまった。そこに
は芸術的にサシが入った分厚いミスジが・・・。はやる心を抑えて、
ロースターで丁寧に炙って口に入れるやいなや、浮世の疲れが
ふっとんだ。「何だ、この細やかな酸味は!」ミスジの理想形。
マルチョウ  800 この日のオススメということで、注文。それはそれは美味しいマル
チョウ。実は今までマルチョウにそれほどの思い入れが無かった
のだが、ここのマルチョウを食べてその美味さに開眼!この上な
く甘くジューシーな脂がとどめとなく舌の上に溢れ出す。
上ロース 1600 相変わらずの美味しさ。ロースという割にはサシが多いのだが、
凝縮された旨みは流石。
えんがわ
 カルビ
 800 今回のスマッシュヒット!トモバラの切れ端あたりと想像されるが、
濃い目の味つけと相俟って食欲を沸きたてる。同行者にも好評。
並カルビ  980 他の肉に比べると肉にやや筋を感じ、印象が弱い。ただし、薩摩
牛の旨みは感じられた。
テール
 スープ
 800 こちらも相変わらずの美味しさ。ゴロゴロと入っている食べ応え十
分のテールが嬉しい。
ナムル  420 オーソドックスだが、味付けが良く、箸休めには丁度良い。
その他、生ビール中(550)、ウーロン茶(350)×2
【ものがたり】
 前回の味が忘れられず、2週間とおかず再訪。今回は単品注文にしたが、改めてこの店の
底力を実感。特に、ミスジのステーキは魅惑の逸品。これだけ分厚いミスジをステーキ以外
では食べたことがなかった。それを焼肉でも楽しめるとは。
 タンステーキ、ハラミステーキなどまだまだ魅力たっぷりのメニューが満載なので、ここには
近いうちの再々訪も確実。(2006年8月)



牛の蔵盛り
                            極上カルビ

【訪問状況】
平日/予約有
【注文内容】  8名で47850円(満腹度110)
              〜印象に残ったメニューを抜粋〜
牛の蔵盛り 8000
   ×2
極上カルビ、極上ロース、極上ハラミ、サイコロステーキ、焼きしゃぶ、上
ミノの盛り合わせ。一同、その豪華さに目を奪われる。赤物はどれも目を
見張るほどのサシが入っている。今回の一番のお気に入りはサイコロス
テーキ。噛むほどに繊維に沿って、豊かな肉汁が溢れ出して来る。
見た目、サシとも文句なしだが、正直ここまでサシの強い肉を食べ続ける
のは若干辛い。赤身の肉を入れるなど、味にアクセントをつける工夫が
あってもいいのではないか。◎はつけたが、総合点では、薩摩盛りに軍
配をあげたい。
レバ刺し 900
 ×3
やはりここのレバ刺しは美味い!皆口々に絶賛。鮮度、濃厚な甘みとも
にここまで高レベルのレバ刺しには滅多に会えない。
ロース 980
 ×2
サシの強い肉がきつくなったので、ロースを注文。実は、こちらの方が赤
身をじっくり味わえて好みだった・・・
マルチョウ 800
 ×2
どうしたのであろう?前回の燦然たる煌きが全く見られない。鮮度もなけ
れば、弾力もない・・・
冷麺 800
 ×2
久々に焼肉屋で美味しい冷麺を食べた。盛岡冷麺とは異なる、本場韓国
風冷麺は、満腹ながらするっと食べることが出来た。
その他、○ゲタカルビ(980)、○極上タンステーキ(2500)、○大根サラダ(600)
     ○キムチ盛り合わせ
(850)、◎テールスープ(800)
【ものがたり】
 定期的に集まる友人達を満を持して「薩摩牛の蔵」に案内。赤坂店の方がアクセスが良いのだ
が、開店直後だったので勝手が分からず、安全策をとって南青山店を予約。
 この友人達は皆、舌が肥えている人々なので緊張するも、口々に絶賛の声があがり、一安心。
ただ、個人的に牛の蔵盛りのサシ連続攻撃は少しきつかった。寄る年波には勝てないのか・・・
 今回で、味を10+から10にさせていただくが、横綱の評価は変わらない。良い肉、良い空間、
良い接客・・・記念日焼肉はここで決まりである。(2007年2月)