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凶区の爪.
竹本 健治


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竹本健治2連発。すっかりミステリィファン以外には優しくないサイトに。

探偵役は17歳の天才囲碁少年・牧場智久君です。
彼はすごいですよ。なんせ17歳で史上最年少の本因坊になってしまうのですから。
おまけに美少年です。やりましたね!(何がだよ)
こんな話があるくらいなんだから、ヒカルが一発でプロになって、
このままブイブイいわせていっても私は全然驚かないもんね。

竹本健治を読み始めた理由なんですが、大変不純です。
お気に入りの森博嗣サークルさんが作ってたミステリィミックス本に
牧場智久君と武藤類子ちゃん(剣道少女)の話があったのです。
その2人の大変ラブな様子に心惹かれ、しかも囲碁少年とあるので、
これは原典にあたらないと、あたらなきゃだわ、そう思ったわけなのですよ。
そこの本は有栖川は学生アリスだし、牧場智久だしと大変マニアックです。

ところが『囲碁殺人事件』のシリーズでは智久君は12歳で院生だし、
類子ちゃんのるの字も出てこないので「?」と思ってたら、
智久(本因坊)&類子ちゃんシリーズというのが別にあったのでした。
そう、3冊も回り道してやっと辿り着いたのです。これはその第一作。
ここで智久君と類子ちゃんは出会うので、全然ラブくないです。キー!
続きに期待するナリ。


サマー・アポカリプス.
笠井 潔


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またもやミステリィで代わり映えしなくてゴメンよ。
だってミステリィ以外全然読んでないんだもんここんところ。

えーっとこれは矢吹駆という日本人がフランスで色んな事件を解決しちゃう話です。
タイトルの「アポカリプス」とは黙示録の事ですね。夏の黙示録。
なかなか覚えられなくって「アポカリス?ん?アポカリトス?あれ?」状態に。

実はこれ一冊読むのに一週間かかってしまいました。この私がだよ。
私は大体夜寝る前にだーっと読んでしまったりするのですが、
他のミステリィだと面白くて眠れなくなってしまうので「いかん、ここまでにしとこ」と
無理矢理自分を押さえて電気消して寝るという具合なのに、
この本だけは、読んでたはずなのに気付くとメガネかけて電気つけたまま朝というパターンに。
要するにたるくて眠いのです。『バイバイ・エンジェル』もダメでした。

矢吹駆の蘊蓄っぷりは京極に通じるものがあるのですが、
京極の蘊蓄が読む者を酩酊させるのに対して、矢吹駆の蘊蓄はラリホーの呪文といった感じ。
描写や語り口は外国産ミステリィっぽくてとっても良いんですけどね。
なんでこんなに眠くなるのか謎です。謎物語。
でも矢吹駆3部作の中でこれが一番面白いそうなのです。
だから私は3作目を読みません。きっと耐えられないから。矢吹駆、恐るべし。
(追記:三部作でなく、『哲学者の密室』も矢吹らしい。…読めません、あんなレンガ本…)


サーカス物語.


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中学の演劇部で上演した作品です。戯曲形式なもんで。
先日不意に思い出して図書館で読みました。
中学の時と今とじゃきっと感想も違うわ。感動もあるのかもしれなくてよ。
と思って読んだんですがあんまり感想の変わらない作品もあるんだなあ。
なんかひたすら「愛。愛なのよ」と言いまくってるだけのところが無きにしも。
そんなに盛り上がりもないお話なのですよ、今読んでも中だるみな。
でも思い出深い作品なわけで。でもあの芝居見た人、つまらなかっただろうな。

この話は潰れる寸前のサーカス団のピエロ・ジョジョが
団員である知恵遅れの少女エリに物語を聞かせてあげる形式です。
サーカス団の敷地を買う薬品業者の専属サーカス団となる選択肢が、
団員達の前に提示されるのですが、その代わりエリは施設に入らなければなりません。
エリの障害はその薬品業者の公害の所為である可能性が高く、
彼らは最終的に契約の話を蹴り、サーカス団は潰れます。

ジョジョの話す物語の中では、エリは知恵遅れの少女ではなく王女様。
実際は50過ぎのジョジョも、物語の中では明日の国のジョアン王子だし、
サーカス団の面々も貧しいながら活気に満ちています。
そして彼らが明日の国へ向けて希望の旅立ちをする所で物語は終わりますが、
現実は決して変わることなく、サーカス団に未来はないかのようなラストです。
サーカスの設備を壊す音を聞きながら、全員手を握り合うところで幕がおります。
物語のような希望は彼らにはありません。

しかし、きっと彼らにも希望はある。未来があると信じたかった。
中学生の時も、今もそれは変わらない気持ちです。
それはおそらく、この本を読んだ誰もが思うことなのかも知れません。


余談。この話には腹話術師とその人形が出て来るんですが、
あやつり左近な状態で、オトカールという人形の方がよくしゃべって、
それに腹話術師が「オトカール、口を慎め」とか言うわけです。全部自分で言ってるのに。
この「オトカール、口を慎め」が演劇部内でかつて大流行しました。
余計なこと言うヤツがいたら「オトカール…」とやるわけです。
多分今でも通じるだろうな。今度会ったら言ってみよう。


アンドロイドは電気羊の夢を見るか?.
フィリップ・K・ディック


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身体壊してぶっ倒れる直前に読んでた本です。
映画「ブレードランナー」の原作だそうですが、未見。
たまたま目にした「映画と原作」というテーマのコラムによると、
随分原作と映画は違うらしいですね。原作の方はかなり地味だとか。
表現手法の違いの問題なのでしょうね。

なんにせよ「電気羊」の意味が分かったのでそれで満足です。
そう、それだけの為に読んだのだ。

読了から1ヶ月、活字の本が読めない状態で禁断症状出そう。
本が読めない生活ってつらい。


螺旋階段のアリス 文春文庫.
加納 朋子


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きゃあああああ、加納朋子の新刊よ〜。
と、図書館で取り寄せて早速読んだ次第(買わないのか)。
北村薫なみに寡作な方なので嬉しいですよ。
週アスで『スペース』の連載もやってましたし、ファンとしてはたまりませんね。

会社を辞めて私立探偵を始めた50歳男性(独立した子供2人と高収入な妻あり)と
なぜか押しかけ探偵助手になった推定20歳(外見年齢高校生・自称人妻)の美少女が
様々な夫婦(だった人、これからなる人含む)にまつわる出来事に関わる話なのですが、
密輸とか麻薬とか、そんな話は一切絡まないのが加納朋子らしいですよね。

私の中で加納朋子は電車の中で読んじゃいけない作家と分類されてます。
かつては柴田亜美がそうだったんですが
(パプワくん読んでて笑いがこらえられずひんしゅく買った)
今はもう、ダントツで加納朋子です。
『一番初めにあった海』は幸い、ベッドの中で寝る前に読んでたのですが、
もう、どうしようってくらいに涙がどんどん出て来て止まらなくなってしまって、
「うわあ、電車の中じゃなくて良かったですよ〜」と思ったのでした。
何せONE PIECEのウソップ海賊団解散とサンジの「クソお世話になりました」を
電車の中で泣きながら読んだという恥ずかしいヤツなので
これ以上そんな真似はしてはいけないわけなのですよ。

みなさん、電車の中で泣きながら本読んでる人がいたら見ない振りしてあげましょうねー。