このページで紹介した本はAmazon.co.jpで購入出来ます。1,500円以上の注文で送料無料。
タイトルに惹かれて読んでみました。表紙はいしいひさいちです。 ホームズパロディですが、本物のホームズと違って安楽椅子探偵ものです。 (安楽椅子探偵というのは、現場に赴かずに話を聞くだけで事件を解決する探偵の事ナリ) 探偵役は妙な大学生の保住くん。こちらがボケ。相方(?)の和戸君がツッコミです。 特筆すべきはその表現手法。本を開いてみればすぐに気付く異色っぷり。 全4話構成なのですが、第1話は保住君と和戸君の会話のみで描かれます。 ト書きは一切ありません。ボケとツッコミの応酬の間に事件は解決します。 第2話は全て保住と和戸の書簡のやりとりです。 第3話は二人の電話での会話。第4話は告白と会話で終始しています。 すごいです。みなさんとにかく、良くしゃべります。まるで私みたいです。 それが全部関西弁なのです。なんてミステリーでしょうか。 そして4話目で全てのエピソードが集約されるのです。そんな構成もステキ。 こうやって、色々な形態の小説を読んでいると、ミステリーも奥が深いな〜と、 改めてしみじみと思ってみたりするわけです。何でもありですね。
実は『遙かなる時空の中で」は未プレイだったりします。近藤史恵ファンなのです。 キャラクタ設定は、幸いにしてLaLaを講読しておりますので掴めています。 オフィシャルファンブックの『はるか通信』に連載していたもの+書き下ろしです。 ミステリ作家である近藤史恵先生がなぜ『遙か』の小説を書かれているかというと、 先生は個人サイト「むくいぬ屋本舗」で遙かのプレイ日記などものしてらっしゃいまして、 これがすっごく面白いのです。なんせ未プレイの私が面白かったのですから本物です。 それを見たコーエーの方がお話を持ちかけたそうです。(あとがきより) 世の中なにが起こるか分からないという例ですね! 未プレイゆえにキャラ萌えなどしない私ですが、普通に楽しめました。 やっぱり元々力のある作家さんが書いてる本ですから、 世に溢れているノベライズの中では秀作だと思います。まず文が上手いし! (これが話にならないノベライズのなんと多いことか…王子さまLv1のもね!) ただ、まったく遙かの知識が無い方はツライでしょうね。基本的設定の説明は省かれますから。 遙かに興味がある方、遙か好きの方にはとってもおすすめです。 八葉全部に焦点が当たっていますし、読み応えもあると思います。 大貫健一さんのイラストもとても美しいです。水野先生より好きかもしんない。 遙かは、PS2を買ったらプレイしてみようと思ってます。 そして頼久を籠絡して、平安時代に置き去りにしてみたいです(笑)。 だって頼久っていじめてみたくなるじゃないですかーv ああ、楽しみだなー(鬼畜)。
喜国雅彦と言えば、何と言ってもメフィストでの連載が超有名ですね!(狭い世界で) メフィスト誌上で炸裂する喜国雅彦の濃ゆいミステリ古書のネタ。 読むために買ってたはずが、いつの間にか本を並べるために買っている。 そんな喜国氏の楽しみは自分の本棚だけではつまらないので他人の本棚を整理すること。 もちろんそれは全てミステリでなければならないのです。う〜ん深い。<そうか? 犠牲になったのは我孫子武丸氏の本棚。本棚整理のためだけに京都に行くか普通。 江戸川乱歩も横溝正史も未読の私には遠い世界。 そもそも私は古書のホコリにアレルギーがあるので初めから縁もへったくれもアレですが。 喜国雅彦は夢幻の本棚を求めて帝都を走り続けます。そんな喜国氏の傑作エッセイ集。 古書蒐集というのも因果な趣味ですね。国樹由香さん(喜国雅彦の奥さん。漫画家)も大変だ。 そして何と言ってもこの本の特徴は… 初回配本分のみ、函・帯・月報・著者検印付きです。こだわってます。こだわってます。 実は著者検印って初めて見たかも…。 (昔は本を発売するとき、作者が一冊一冊に検印を押していったのです。今は廃止されてます) ひょっとすると、もう初回配本分はないかもしれませんけど、是非装丁だけでも見て下さい。 バカですよ〜!!!!
―私は、この男に壊されるかもしれない。― 『遙かなる夢ものがたり―小説遙かなる時空の中で―』を書かれている近藤史恵先生です。 こういう歌舞伎ミステリを書かれてる方が「遙か」も書かれてる、が正しいのですけど。 「桜姫」とは「桜姫東文章(さくらひめあずまのぶんしょう)」という番組から。 梨園を舞台にしたミステリで、 シリーズ通しての主人公は研修所出身の大部屋役者瀬川小菊(女形)。 友人の今泉文吾が探偵役。(ていうか探偵事務所経営してるんですが) 本作の主人公は大物歌舞伎役者の娘、笙子。跡取りであった兄・音也は幼くして死んだ。 それ以後、笙子は自らの手で兄を絞め殺す夢に苦しめられる。 自分が兄を殺したのではないかと悩む笙子の前に、 音也の親友であったという若手歌舞伎役者・市川銀京が現れた。 音也の死の真相を探る2人は、激しい恋に落ちるが――。 近藤史恵先生の作品はマイナなので真面目に紹介してみました。 面白いんですけど、メジャではないので普及につとめてみようと。 レンガ本と呼ばれる分厚い小説が溢れる最近では珍しく、短いお話です。中編というべきか。 近藤先生の作品はどれも長くなりすぎないので読みやすいですよ。
フランスにある「シュヴァルの理想宮」をご存じですか? 「たけし・さんまの超偉人伝説(うろ覚え)」で紹介されていましたし、 有栖川有栖が好きで、作品中で時々触れていますね。 ご存じない方はまずこちらを見て下さい。 個人サイトさんへの無断リンクなのですが、 シュヴァルの理想宮について大変分かりやすくまとめてあります。 シュヴァルの理想宮はフランスの片田舎オートリーヴにあります。 これは、郵便配達夫シュヴァルが33年かけてたった1人で作り上げた宮殿です。 始まりは、偶然につまずいた変わった形の石でした。 彼はその石に魅せられ、石の蒐集をして、その石で理想の宮殿を作り上げました。 彼は建築に関する知識は一切持っていなかったそうです。 理想宮がどのようなものなのかは、先に紹介したサイトの写真を参照して下さい。 実に独特な形をしています。特に東の正面の三体の巨人像が目を引きます。 確かにすごいです。これをたった1人で作ったなんて信じられません。 本を読んで、私は強い嫌悪を感じました。嘔吐感すら覚えました。 それは、この宮殿がシュヴァルという1人の男の妄念の固まりだからです。 33年ひとりで宮殿を作り続けた。これを狂気と言わずして、なんというのでしょう。 誰もが心の中にだけ持つ物を具現化した理想宮。そこには明らかに狂気があります。 しかし、私は激しい嫌悪を抱くと同時に、どうしようもなく惹かれてしまっているのも事実です。 実際に触れたら彼岸に連れてかれそうな気がするので、本物を見たくはないですねえ。 (私、自分の精神にはあまり信頼を置いてないのです。ホホホ…) オートリーヴはシュヴァルの生前から理想宮を見たい人が詰めかけるようになり、 今ではすっかり観光地と化しているそうです。おみやげ物屋もあるとか。 (シュヴァル煎餅とかシュヴァルサブレがあるかどうかは知りません) 田舎なので確かにバスや列車の便は良くないそうですが、 他のメジャな観光地から車で1時間くらいなので、実際にはとても行きやすいそうです。 興味のある方は、フランス旅行のついでなどに行ってみてはいかがでしょうか。
我孫子武丸の腹話術師シリーズの最新作ですね。短編集です。 メフィストに掲載したものと、アンソロジー収録のものがほとんどなので、 未読のものは1、2本しかありませんでした。でも、まとめて読むとお得な気分。 ゲーム機を使ったトリックの作品があるのですが、 その中で嘉夫さんと睦月がゲームにずぶずぶとハマって、 おもわず徹夜しちゃったり、ゲーム機の購入を検討しちゃったりするのに もんのすごく共感してしまいました。 オトナになってからゲームにハマると質が悪いのよ…トホホ…。 嘉夫さんと睦月のラブラブも進展してるので、そっちが楽しみな人も満足かと。 (それにしても嘉夫さん本当にプロポーズは突然にですよね。)
中学生の頃、クリスティにどっぷりと浸かりました。ほぼ全部読みました。 その時、文庫のあとがき等で単行本未収録の作品群があることを知ったのです。 雑誌や新聞に掲載された作品の中には、そのまま眠っているものがあるとの事。 読みたくて仕方がなかったですね。誰か発掘してまとめてくれよと思いました。 自分で探して読みたいともちょっとは思いました。ええ、思いましたよ。 でもその雑誌や新聞はイギリスの人でも入手が困難なものだったのです。 そのうち、どこかが出版するだろうと気長に待つ道を選びました。 たとえ見ることが出来たって、どうせ英語なんか読めないですしね!!(本音) そして、この『マン島の黄金』こそが、その未収録作品を集めた短編集なのです。 まさに10年越しの出会いなのです。感動ですね。 文庫になる前に単行本で出てるから、読もうと思えば読めただろう、というツッコミは無しです。 愛は10年も経てば色褪せるものなのよ…(うつろな目)。 では10年越しの出会いをした短編に、一言ずつ感想を。 「夢の家」…ノットミステリィな作品。夢の家の全貌が分かるときは狂気への道が開くとき。 「名演技」…ちょこっとミステリィ。単純なプロットなので分かりやすい。 短編だから分かりやすいのであって、これが長編になると途端に分からなくなるのですよね。 「崖っぷち」…個人的にはこれが一番怖い。救いがないから。 「クリスマスの冒険」…「クリスマス・プディングの冒険」の元になった作品。「プディング」の方が良い。 比較してどこが良くなってるのか見るのも面白い?でも訳が悪いのでお勧め出来ないです。 「孤独な神様」…恋愛物。ロマンティックなお話ですね。少女漫画の原作に使えそう。 「マン島の黄金」…表題作。マン島で実際に行われた宝探しゲームのヒントなのです。新聞に掲載。 今だったら、宮部みゆきに頼むようなものでしょうかねえ。 「壁の中」…やっぱり恋愛物。暗い。しかもスッキリしない。 「バグダッドの大櫃の謎」…短編集『黄色いアイリス』所収と同じ短編。読み覚えあると思った。 短編集『クリスマス・プディングの冒険』所収の「スペイン櫃の秘密」はこれを元に書かれてるとか。 「光が消えぬかぎり」…恋愛物。救いなし。あまり欲をかくと取り返しの付かないことになるね。 「クィン氏のティーセット」…『謎のクィン氏』に収められていない幻の短編。 これを読むためだけに買ったって感じもしますね。短編なのに人物が多すぎるのはちょっと…。
ハリーポッターの3作目です。ここまでは映画化が決定してます。 ダニエル君もルパート君もエマちゃんも、アズカバンの頃には大きくなってるんでしょうね。 西洋の人は、大人っぽくなるのが早いですからね。 すでにダニエル君は大人っぽくなってきていてドキドキです。 ロンの方が大きくないとおかしいので、ルパート君にはガンガン背が伸びて欲しいです。 アズカバンとは悪いことをした魔法使いが収監される刑務所。 「秘密の部屋」でハグリッドが連れて行かれたのがここです。 魔法使い達はここに入れられることを何よりも怖れています。 なぜならここには吸魂鬼(ディメンター)がいて、人の「幸福」な気持ちを吸い取ってしまうから。 幸せな気持ちを吸い取られた者は、脱獄する気すら湧かず廃人のようになっていきます。 そんなアズカバンを一人の男が脱獄した。彼の名はシリウス・ブラック。 ヴォルデモ−トに寝返り、ハリーの両親を死に至らしめた男。 脱獄する前にシリウスが「あいつはホグワーツにいる」と呟いていたため、 ハリー・ポッターが命を狙われているのだと魔法省は大騒ぎに。 どうもハリーは、3年目も平穏な学校生活は送れそうにありません。 4巻を読んだ後だと4年目に比べればまだしもこっちのが平穏かと思われますがどうか。 3年生になるとホグワーツ特急が着く町・ホグズミードに遊びに行けるようになったりと、 学校生活もどんどん充実していきます。勉強も大変なようですが(特にハーマイオニー)。 最終学年のオリバー・ウッドはクィディッチで最後に優勝するために必死です。 また先生が替わった「闇の魔法に対する防衛術」。 今度のルーピン先生は見かけはちょっと貧乏くさいのですが良い先生なのです。 魔法生物飼育学の先生はちょっとアレです。占い学も一癖あります。 これまた一巻からの壮大な伏線が明らかになったりします。どこまで計算してるのかな。 相変わらず流してしまう伏線等は健在です。読み返すと確かに書いてあるんですけどね。 分かるかそんなもん。 4巻への伏線もバリバリ張られてるのでしっかり読んで下さい。 3巻で出てくる人物は、4巻で結構出てくるので覚えておくとよいかも。
大学院に入ってから何度読んだか分からない、『六の宮の姫君』をまた読み返してしまいました。 ≪円紫師匠と私≫シリーズは日常ミステリとよく言われますが、これはその中でも異色。 大学四年生になった主人公の「私」が卒論のテーマに選んだのは「芥川龍之介」。 その一方、出版社で初めてのアルバイトを経験し、その縁で文壇の長老から、 芥川が自作の王朝物短編「六の宮の姫君」に寄せた謎めいた言葉を聞く。 ≪あれは玉突きだね。……いや、というよりはキャッチボールだ≫ 「私」はこの言葉の意味を探していく…というお話です。 探偵の対象は偉大な文豪たちなのです。 この言葉が気になってしまった貴方、貴方は既に北村氏の術中にはまってしまいました。 諦めて『六の宮の姫君』を読みましょう。 どうやら元は北村薫本人の卒論らしいです。面白い卒論ですね。 そう、この本を読むと卒論の書き方が分かります。図書館の上手な使い方も。 故に卒論を控えてる学部の後輩に読ませてしまいました。自分も修論書く前に読みました。 私がこの本を読み返すのは論文を書くときと、人生の転機を迎えたときです。 創元推理文庫には国内の作品にも横文字のタイトルが付くのですが、 本書のタイトルは「A GATEWAY TO LIFE」。「人生の門出」。 きっと人生の節目ごとに読み返すことになるのではと思います。
塩野七生のエッセー集です。 帯には「エセー」とあるのですが、多分イタリア語で「エッセー」の事ではないかと。 小説家のエッセーは気取ってるのがわりと多くて、読んでいるとムカムカしてくるので 今までこれも敬遠してたのですが、塩野七生のエッセーは素直に面白いです。 独特の品がある文章で、するっと読めます。この人何を書いても上手いのね。 文庫になったのは1996年ですが、刊行されたのは私が生まれる前のことなので、 ところどころ時代の流れを感じさせてくれます。 例えば日本のスパゲッティはおかしい、という所とか。 今は本場に近いスパゲッティを食べさせてくれる店が沢山あるので、これは解決済みですね。 「ある軍医候補生の手記」と「村の診療所から」がお気に入りです。
劇場に就職するにあたって、業界の歴史を知っておきたくて読みました。 岡本綺堂は『半七捕物帖』の作者で、『東京日日新聞』の劇評記者をしていたのですね。 明治の初め頃、綺堂少年は父親に連れられて団十郎・菊五郎・左団次らの新富座興行を見ます。 これが綺堂の演劇初体験。残念ながら、現在新富座は存在していません。 明治の演劇史を辿っていくような本ではないのですが、 かえって明治という時代の演劇の雰囲気を強く感じられるような気がします。 実は「新派」とは何を指すものなのかこれを読むまで知りませんでした。 「歌舞伎以外」の演劇、つまり古典でない演劇はみんな新派だったのですね。 今日ちょうど舞台を観てきたのですが、外国のミュージカルなので当然これは歌舞伎でないので新派。 就職先の劇場でかかってるのも新派。あれも新派これも新派なのですね。 「新派」は、それが普通の芝居となった今では、すでに死んでいる言葉なのではないでしょうか。 その存在が消えたからではなく、それが普遍となったから死んでいく言葉。不思議ですね。 |