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大沢オフィス(大沢在昌・宮部みゆき・京極夏彦のマネジメントをする会社)でおなじみの(?) 山椒太夫こと大沢在昌の代表作、というかこれが出るまで売れなかったという作品。 大沢在昌の家は「鮫御殿」と呼ばれているらしい。 (我孫子武丸の「かまいたち御殿」みたいなもの?) 内容はもう、ケレン味たっぷりというかケレン味しかないような刑事物です。 はぐれ刑事です。でも純情ではないかも。 新宿署の鮫島だから新宿鮫です。36歳ですが10歳くらいは若く見えます。 キャリアですが、公安の争いに巻き込まれて出世コースから見事に外れました。 そんな事情で誰も彼に近寄りません。一匹狼でバリバリでヤッさんもビビるおまわりです。 彼女は14歳年下のロックシンガーです。 なんつーか、男が憧れる男像やなーと思いました。コテコテっつーか。 しかしまあ、素直にカッコイイです。ヒーローは格好良くないとな。 最初が発展場(ホモの方の出会い系サウナ)で始まったのでちょっとドキドキしました 犯人がホモだから、情報を求めて潜入してただけなんですけどね。 でも鮫島さんは、そのホモの犯人に狙われてるので大変な事になるのですが。 やー、でも面白かったですよ。大沢在昌はとても筆力があるのだと知りました。 最後の、犯人を取り押さえるシーンは、文章なのにスローモーションになりました。 う、どう表現して良いのか。そう、淡々とした描写を読んでいると、 自然にスローモーション映像が頭に浮かんでくる、と言ったら良いんでしょうか。 初めての経験だったので、とてもドキドキしました。 NHKでは館ひろしが鮫島やったそうですが、ちょっと年が多いかな、と思いました。 誰か、若くて鮫島が出来そうな役者さんはいませんかねー。
新宿鮫の第2弾です。毒猿(ドゥユアン)とは、職業的殺し屋のあだ名です。 毒猿が、台湾からある人物を追って(もちろん殺すため)、新宿に現れます。 その毒猿を追って台湾の刑事もやって来る。まあにぎやか。 そしてそんな毒猿を愛してしまう、新宿のキャバレーで働く残留孤児二世の奈美(清娜)。 こんな濃い面子に囲まれて、鮫島は今回はちょっと脇役です。 でも、その脇役に徹したところが、いいんですよね。 その分毒猿と奈美、台湾の刑事の姿がより一層鮮やかになりまして。 ハードボイルド好きの方にはたまらないかと。
シリーズ第三弾、です。 前2作は対決する相手が男性でしたが、このたびは女性でございます。 それも2人も。 1人はビューティークリニックを経営する美しい女性経営者(&番犬の元キャリア刑事) そして、その女性経営者を自分の娘の様に愛していて、 彼女のためなら誰だって簡単に殺してしまう看護婦のおばさん。 どこから見たって普通のおばさんなので、全然疑われないのです。 この人がね、読んでて泣きたくなるほど怖いんですよ〜。普通なところがめちゃくちゃ怖いよ〜。 こ、これは大竹しのぶに是非!とか思っていたのですが、 NHKドラマでは吉行和子が演じたようです。む、年齢的にはそちらの方が! (殺人鬼おばさんは、50歳過ぎなのです)
雑誌の発売日うろ覚えだったのが主たる原因ですが、たまに読んでると、 2ページ分丸々、森博嗣独特の詩的文章で事件はどうなったかサッパリ分からない、だなんて そんなの「も、もう単行本が出るのを待ってまとめて読むしか…!」と思うようになりますよ。 実際、そういう詩っぽい部分はかなり読み飛ばしてしまいました…苦手なんよ…実は…。 メインの登場人物は6人。 某国立大化学工学科秘書・スージィ(むろんこれはハンドル)、科学工学科の助手・ホリ、 化学工学科教授・イエダ、化学工学科助教授・サトル、情報工学科助教授・サエグサ、 化学工学科図書室司書・ルナ。 彼らと謎の人物X(すなわち犯人)の視点と、森博嗣炸裂の謎の詩が交互に繰り返される構成です。 この、視点が変わるのがくせ者だと、気付くのは、最後になってからです。 そして秀逸なのはコジマケン氏のイラスト。この本の魅力の半分はこのイラストにあります。 イラストと、独特の構成が面白いので、森博嗣に飽き気味の人も読んでみてもいいかも。
臨安で漕運(水運業)を営む夏家の2人の若き貴公子・風生君と資生君の物語。 2人は従兄弟同士なのである。 本家筋は従弟の風生の方なのだが、年長に譲って資生が頭領をやってたりする。 でも実質家を仕切ってるのは風生なので「少爺(若旦那)」なんてよばれてたりするのです。 とても強い信頼で結ばれてる2人で、2人ともいい男なので、 お好きな人はいっぱい妄想しても良いのではないかと思ったり(煽るな)。 この架空の2人を主人公に、名将岳飛を陥れた秦檜が登場します。 一冊で完結してる話なので、コンパクトにまとまっててスッキリしてる反面、 主人公2人が良いキャラなのに一冊でお別れ…とちょっと寂しいです。 感情移入する前に、話の方が動き出してしまって、あれ、終わり?うそぉん。という感じ。 中国史に暗いので岳飛は存じ上げませんでした。秦檜は、う〜ん、おぼろげに(ダメじゃん)。
私が読んだのは徳間文庫版なので、表紙は主人公が描かれていました。 その額にちゃあんと目があるんだから、その時点で誰なのか気付けと自分にツッコミ100回。 主人公は天帝の甥御さんで、姓は楊、名は二郎。三尖刀を武器にします。 いや、まあ、さすがに姓を聞いた時点で気付きましたけどね…。母親は人間の人でしたか…。 WJの、というよりも安能版のに出てくるあの方よりもとっぽい兄ちゃんで、こっちも好きかも。 スキあらば遊郭で遊び倒そう(無論他人の金)なんて考えるあたりがすごくいい。 長安にかけられた呪いがどうのこうのよりも、二郎真君と東方朔とのかけあいとか、 誰も逆らう気が起きないほどの二郎真君のご無体ぶりに目が離せませんでした。 東方朔の正体がとてもプリティな童子だというのも驚きでしたけど。 どうもこれから話が続いているらしいんですけど、うちには続きがないんですにゃあ。 なんでいきなり六・七巻があるのだよ…。
…今の若い方々は、まったく全然知らないんですよね。8時だヨ!全員集合。 私が小学生の時は土曜の夜8時に全員集合とひょうきん族どちらを見るかで派閥が出来てました。 この本は全員集合のプロデューサーが当時を振り返って書いたものです。 当時の舞台裏を知ることが出来ます。熱い時代だったんだなあ…と思いました。 時々テレビ業界に対する作者の愚痴が出て来ますけど、そこは適当に読み飛ばしていいです。 ドリフを知らない世代の方。昔、毎週1時間、生放送のコント番組があったのです。 しかも公開生放送。大がかりな舞台セット。それをなんと16年も続けたのです。 懐かしいなあ…屋台崩し…。志村うしろうしろ!とか、ちょっとだけよ〜んとか東村山音頭とか。 月・水・金は欽ちゃんを見て、土曜日はドリフとひょうきん族どっちを見るかギリギリまで悩む、 これが私の世代の人が、小学生の時にしていたテレビスケジュールです。 思えば、優れたお笑い番組の多い幸せな時代でした。 風呂入れよ! 頭洗えよ! 宿題やれよ! 歯ぁみがけよ! また来週〜!!!
マジカルランドシリーズの最新作。 見習い魔法使いスキーヴ君と、師匠のオゥズの珍道中(その説明はどうよ)。 原作は6年ぶりに出たとか。日本語訳ではそれほど待たされずに済んでるんですけどね。 6年も間が空いたものだから作者が書き方を忘れてしまったので、 勘を取り戻すために書かれた番外編。 番外編は嬉しいんですけど、書かれた理由が理由だけに素直に喜べない… まだ宮廷魔術師になる前の、もう少しひよっこだった頃のスキーヴ少年のお話。 マジカルランドシリーズの魅力の半分くらいは水玉蛍之丞さんのイラストではないかと思います。 オゥズもスキーヴも水玉さんの絵以外ではもう想像出来ません。 勿論お話も掛け値なしに面白いので是非読んでみて下され。お勧め。
新宿鮫第4弾。これで大沢在昌(山椒太夫)は直木賞を取りました。 確かに面白いし、後半にある人物の正体を明かされたときには「あっ」とビックリしました。 でも個人的には『毒猿』か『屍蘭』の方が私好みでした。 一粒500円という安価で購入できるために子供達の間で流行し始めている覚醒剤「キャンディ」。 覚醒剤を憎む鮫島は執拗な捜査でその卸元を突き止めようとする。 地方の財閥香川家の兄弟の野望、キャンディの密売を独占しようとするヤクザの角、 鮫島同様に覚醒剤の密売ルートを追う麻薬取締官の塔下。 そして鮫島の恋人・晶は香川家の兄、昇の手に落ちる。とまあ、コッテコテです。でも面白いんですなこれが〜。 香川弟・進が心の弱さから、自分が密売している覚醒剤に自ら溺れていく姿が印象に残りました。 このぐらいなら大丈夫。すぐにやめるから。こんな弱さが一番命取りになるんですね。 新宿鮫シリーズはどれも表紙が怖いのですが、この『無間人形』の表紙はダントツの怖さを誇っています。 ハッキリ言って泣きたくなりました。必死で本屋で貰ったブックカバーを探してつけました。 自分の心臓にも良くないですが、こんな怖い表紙の本、電車の中では読めません。
講談社青い鳥文庫の人気ミステリーシリーズの競作。 図書館の返却日が来てしまったので、松原秀行さんの作品は読めませんでした。 「クイーン」「ジョーカー」「飛行船」「人工知能」の四つの同じキーワードを使って、 2人のミステリー作家がアイデアを競い合う、という趣向です。 ところでこの四つのキーワードを読んだときから私はなんだか尻の座りが悪くて、 なんというか…イヤな物を思い出しそうな…そう、忘れていた何かを… 何か…。……っ!!これだ!!(本棚から封神演義の単行本を勢い良く取り出す) 趙公明攻略……「クイーン・ジョーカーII世号」… なんだかんだで封神が骨の髄まで浸透してると判明した秋の日でした…。
元祖紳士同盟。コン・ゲームの決定版。 サギに引っかかって株で大損をした4人が、被害総額+αの100万ドルの奪還を計画。 それぞれが専門分野の知識を生かして大胆な詐欺を企てます。 一番役にたってなかったハズの貴族のおボンボンが、一番おいしいところを持っていくのがグッドです。 で、これを書いたアーチャーは、この本の売り上げで詐欺被害の借金を返したらしい。 転んでもタダでは起きないとはまさにこの事ですね。
鮎川哲也コレクション。本格ミステリ大賞発足記念に復刻したとかなんとか。 あとがきに書いてあったんですが、今ちょっと手元にないので分からないです。 鮎川哲也先生が鮎川哲也賞パーティ直前にお亡くなりになったのは記憶に新しいです。 あの時は本当にビックリしました。 そして、「ああ…また未読の作家さんに亡くなられてしまった…」と思いました。 池波正太郎も没後にハマッてます。生きてる間に読めば良かったのに、といつも思うんですよね。 これは時刻表トリックです。因みに満鉄。満州鉄道です。 そう、舞台は満州なんですよ。鮎川哲也先生は満州生まれだそうで。 かの地で青春を過ごされたそうです。 満州については授業で習ったことくらいし知らなかったので、 こんなに国際色豊かな所なのかと正直驚きました。日本語と中国語とロシア語の飛び交う世界。 実際に住んでらした方の書いたものなので、本当にこういう都市だったんでしょうね。 トリックよりも、むしろ都市描写の方に注意を向けて読んでみて欲しい本です。
新宿鮫第5弾。毎回いろんな趣向を凝らしてくれるので全然飽きないですね。 今回は外国人マフィアの抗争、ラブホテルの連続放火、外国人売春婦連続殺人事件と 実に多様な犯罪が同時発生。目白押しです。いやあ新宿署は大繁盛だなあ。(いやすぎ) これらの一見バラバラな事件が1つにつながって行くわけです。 いつも孤独な鮫島さんですが、今回は珍しくチームを組んで活躍をします。 相方の名前は甲屋(かぶとや)農水省植物防疫官です。 外国から様々な害虫が持ち込まれるのを防ぐお仕事だそうですが、 これを読むまで存在自体知りませんでした。 一瞬今読んでいるのは真保裕一かと思いました。 彼が追うのは外国人娼婦が南米から持ち込んだ稲の害虫「フラメウス・プーパ(火の蛹)」。 赤く綺麗な蛹であるため、ワラ細工のかざりとして使われていたのである。 この蛹が羽化すると、日本の稲は壊滅的な打撃を受けることになる。羽化まではあと数日。 そして今そのワラ細工を持つ外国人娼婦は鮫島が追うマフィアの情婦だったのだからややこしい。 果たして鮫島さんは全ての事件を解決することが出来るのでしょうか。 今回の見所は自分の仕事に一途でマニアックな専門官達。鮫島の影はちょっと薄目です。
汚職に関わり、捜査から逃れられないと悟った上で、男は愛人と心中したのだと警察も誰もが思った。 しかし男の妹は「現場にあるはずのものがない」ことから、心中ではなく殺されたのではと思い、 独自に調査を開始する…というお話。 鬼貫警部って、出て来たっけ…? というくらい存在が希薄でした。 悪くないんですが、全体的に地味な感じでした。 最後まで読んでもカタルシスはないです。しみじみしちゃうので、その情感を楽しむのが良いかも。
第2弾〜。相変わらず楊ゼン兄さん大活躍!東方朔との名コンビぶりにも磨きがかかる。 そこへやってきたのは韋護。某WJ封神の彼とは大違いのカチカチの堅物君。 そう、私は無責任艦長タイラーのヤマモト君(アニメの方)を思い出しましたね。二郎真君がタイラー。 そして琵琶を抱えた美しい女性の妖怪が登場して波風を立てます。 おまけに二郎さんは思いを寄せる女性と思惑がすれ違いイライラが募るばかり。 なんかもう、お前等いいからすっぱりくっつけ!と後ろからはたきたくなりますね。 今回一番お気に入りなのは子供に「おっさん」と呼ばれてガビーンとなる東方朔。 本当の姿は美少年の童子だからまあ気持ちは分からんでもナイが、どうみてもおっさんだから仕方ないね。 |