2005年、利根運河、桜吹雪



 これ何か分かりますか。実はこれ、正真正銘の「桜吹雪」なんです。この写真の右側に桜の木立があり、風に吹かれて散った桜の花びらが利根運河を吹雪のように舞っているのです。桜吹雪というのは、単なる比ゆかと思っていたのですが、本当に吹雪そのものなのですね。この一瞬は、目を開けていられないほどの花びらの乱舞でした。あちら、こちらから「すごい!」という歓声が上がりました。




 桜吹雪を引き起こした桜たちです。場所は、利根運河水辺公園より東、東武野田線運河駅から東に少し行った運河の南岸です。ここから利根川へ伸びる道はしばらく未舗装。桜の花びらが舞い散るなか走る土の感触は最高です。




 江戸川から利根運河南岸を少し走ったところにある、におどり公園の桜です。今年の利根運河の桜は恐ろしいほど、すごみがありました。妖気すら感じるほどでした。こんな見事に咲いた桜の花は、これまでの記憶にありません。におどり公園には、うるさく騒ぐ花見客はいません。わずかなグループや単独行動の人が、黙ったまま桜を見つめています。そんな気持ちにさせる静かで、美しく、そしてどこか恐ろしくさえある満開の桜でした。




 東武野田線運河駅の西側にある利根運河水辺公園では、運河北岸に出店も出て少し花見の風情があります。しかし、都内の桜の名所のような場所取り、ドンチャン騒ぎ、ゴミの山とは無縁です。シートを広げ静かに花を愛でるグループ、ゆっくりと散歩する老夫婦、桜吹雪の中をはしゃぎまわる子供たち、そんな中をゆっくりと走っていると幸せな気分に浸れます。



 最後の写真は、冒頭の桜吹雪の“張本人たち”の美しき1枚です。魂が吸い込まれそうになるとは、まさにこんな情景を言うのでしょうね。



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