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【全体の構成を考える】 6BM8初段カスコードシングルを製作したところ、非常に音がきれいで、良い結果が得られました。そこで、同様の回路で300Bシングルなら、どんな音になるのか、という期待から、300B初段カスコード直結シングルを製作することにしました。 電源トランスは、PT-1180というもので、以前にオークションで手に入れたものです。490V、200mAという容量です。整流後は、490V× 1.3≒637Vと電圧が非常に高いのですが、初段の動作点を高くして、電流、電圧とも、かなり多めに設定しようと思います。 電圧配分は、初段動作点(出力段グリッド電圧)150V、出力段380V程度、バイアス -80V程度とします。150V+380V+80V=610Vとなるので、637V−610V=27V。 リップルフィルターでの電圧降下が、約10V、出力トランスでの電圧降下が17V程度ということになります。
【電源部の検討】 ★PT-1180の仕様★ 490V×2 200mA 270V×2 60mA 40V 5mA 6.3V 4.3A 6.3V 0.7A 5V 2A 490Vを両波整流すると、490V×1.3=637Vとなりますので、電圧が高く、適当な電解コンデンサがありません。コンデンサを直列接続し、耐圧を高めるようにします。チョークは使わないで、FETリップルフィルターにします。 300Bのヒーターは直流点火とします。 電源トランスは、PT-1180は、300Bのヒーターに供給する電源が都合が悪いので、TDKラムダの「VS10C5」というスイッチング電源を使うことにしました。仕様は、「出力電圧:5.0V・出力電流:2.0A」というものです。 【出力段の検討】 出力トランスは、ソフトンRW20を使うことにします。 出力トランス:ソフトンRW20の仕様 (ソフトンHPから引用) このトランスは、2.7k、5kがありますが、それぞれでロードラインを引いてみます。動作点は、プレート電圧375V プレート電流80mA- バイアス−75Vにします。初段が1.3mA。 整流後の電圧が、637V。 リップルフィルター回路の電圧降下を、約15Vとします。637V−15V=622V。 出力トランス直流抵抗が150Ωから200Ω程度だとすると 622V−(80mA×150Ω)=610V程度、622V−(80mA×200Ω)=606Vになる予定です。 定電流ICのLM317を駆動するため15V程度を見込むと、カソード抵抗は、(610V−375V−15V)÷0.08=2.75kΩになります。 出力トランスは、2.7kΩ:6Ω、5kΩ:6Ωの関係にあるので、8Ωのスピーカ接続の場合は、 3.6kΩ:8Ω、6.7kΩ:8Ωの関係になります。 【300Bロードライン】 2.7k(3.6k)と5k(6.7k)のロードライン 動作点は、375V、-75V、80mAとします。 【初段の検討】 初段は、負荷抵抗50kで、ロードラインを引いてみました。出力段のカソード電圧が、だいたい610V-375V=235V程度になる予定なので、バイア ス分75Vを引いて、160Vあたりが動作点になります。以上から、動作点は、160V 2.5mA -2.3V、2SK246の動作点は、0.65V 2.5mA。カソード抵抗は、0.65V÷2.5mA=260Ω。 初段は、FETを使ったカスコード回路とします。動作点は、次のようになります。
【NFBの検討】 初段は、RL=50kΩならロードラインから、およそ180倍(RL=40kΩなら150倍) 出力段はロードラインから、およそ7倍(5k接続時) 総合利得は、およそ 180倍×7倍=1260倍になります。 出力トランス2次側では 5kΩ/8Ω=625 巻線比は、√625=25なので ******* 1260 ÷ 25 ≒50倍 となる予定です。 増幅度は、11倍程度が適当なので、NFB量は、 50倍(約34dB)−11倍(約21dB)=約13dBあたりが適当です。 この場合、NFBの抵抗値は、2kΩ弱が適当ですが、2KΩから3kΩの間で実機で、 音を聞きながら、決定します。 * NFB抵抗とNFB量、増幅度の予想
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