【アンプの構成】
初段を真空管、出力段をMOSFETで構成します。
出力段にMOSFETを使うことで、出力トランスの制約がなくなります。スピーカーを直接駆動するので、歯切れの良い低音が期待できます。
初段は、真空管でならば、比較的に簡単にMOSFETを駆動できそうです。
出力段のMOSFETは、2SK405-2SJ115にします。手に入りやすく、これまで製作された実績があり、入力容量が低く高域特性が良くなる(悪くならない)ことが期待できます。
初段は、内部抵抗の低い双3極管6922(6DJ8)を使い、jFET入力、カスコードSRPP回路として、利得を稼ぎ、低インピーダンス出力が期待できます。
【電源トランス】
出力段の電源トランスは、47V-0-47V 容量、オークションで手に入れたものなので不明ですが、重さが10s近くあり、かなりの出力を出せそうです。
整流後±60V以上の電圧が取れます。 初段の電源トランスは、ノグチPMC100M(280V-240V-200V-0-200V-240V-280V
Dc100mA / 6.3V-5V2A / 6.3V-5V2A /
6.3V-5V2A)を200Vで使用します。もう少し低い電圧にしたいですが、所有するトランスで他に適切なものがありません。
【出力段の検討】
基本的なMOSFETの出力段は次のようになります。
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出力段のバイアスは、MOSFETの場合は、およそ3Vから4V程度です。
トランジスタ2SC1845を使い、可変抵抗で調整するようにします。2SC1845とMOSFETは温度結合するので、温度安定度が良いと言われています。
バイアスの値は、 Vb=((R1+R2)/R2)×Vbe ということです。
バイアス値=((6.8+1.5)÷1.5)×0.59=3.3V
R2を1k固定抵抗と1k半固定抵抗で構成すれば、バイアス値は、2.6Vから4.6Vくらいまで変化します。
R3(R4)の値=(Vcc×2−バイアス値)÷(R3とR4に流れる電流)÷2
ということですから、3mA程度流すとして
((60V×2−3.3V)÷3mA)÷2=19.45kΩ となります。(以上、CQ出版「定本 トランジスタ回路の設計」参照)
最大出力は、初段が真空管回路で構成しますから、120Vp-p の振幅は割と楽に出せそうです。
120Vp-p(約43Vrms)とすれば、(43V×43V)÷8Ω=231Wとなりますが、電源トランスの容量は不明なので、わかりません。ロスもあるので、150Wから200Wの間くらいでしょうか。
最大出力Po=(Vcc×Vcc)÷2RLということなので (60V×60V)÷(2×8Ω)=225W
ロスを見ると(56V×56V)÷(2×8Ω)=196W 最大電流 Imax=Vcc÷RL
60V÷8Ω=7.5A *****CQ出版「トランジスタ回路の実用設計」から***** |
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【初段の検討-6922の場合】
初段は、jFETを使ったカスコードSRPP回路とします。動作点は、それぞれ次のようになります。 [2SK246動作点]
2SK246grでIdss4.5mA程度のものを選びました。
6922は、μ=33 Rp=2.7
RL=45kΩとすると(大体のロードラインを引いてみる)
「私のアンプ設計マニュアル」のHPによれば、上側の球の負荷抵抗値は、
負荷抵抗値(RL) = 上側球のrp + ( 上側球のRk × 上側球のμ
) + 上側球のRk
ということなので、RKは、
Rk = (RL − rp) ÷(μ+1)
となるので、
Rk=(45−2.7)÷(33+1)=1.24kΩ
上側球のRkは、大体、1.2kΩ位にします。
【電源回路】
電源回路は、MOSFETリップルフィルター+独自回路U電源という構成です。
独自回路のU電源は、おそらく電源インピーダンスを強力に下げる働きをします。
電源回路を理想電源に近づけることで、増幅回路をシンプルなものにできます。
【放熱器】
放熱器は、千石電商で購入し、高さ30幅138長さ150(mm)の30F138L150をシャーシ上に設置しました。
【回路図】
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