-12AU7-2SK170_カスコード2段-フォノイコライザーの製作- |
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【全体の構成】 【アンプの構成】 求められる性能を考えてみます。 パワーアンプの入力レベルを1V程度に設定しているので、出力が1V以上と考えます。MM型カートリッジの出力は、2mV弱から10mV程度まで、かなり幅があります。2mV弱のカートリッジに対応することを考えると500倍から600倍の増幅が必要です。 レコードの音は、RIAAカーブという補正をかけて録音されているということなので、フォノイコライザーは、その逆の補正をかけるということになるようです。 RIAAカーブは、中域音の1kHzの音に対して、低音で約20dB下げ、高音で約20dB上げるというようなカーブです。フォノイコライザーは、その逆のカーブで元に戻してやるという機能を持ったアンプということになります。中音の1kHzで、500倍から600倍増幅して、低音でプラス約20dB、高音でマイナス約20dBするということになります。 500倍から600倍増幅というのは、およそ55dB程度の増幅ということになります。従って、低音でプラス約20dBなので、約75dB(およそ6000倍)、高音でマイナス約20dB(およそ60倍)なので、約35dBの増幅を行うアンプです。 2mV弱の微小な信号を、約6000倍増幅するアンプをつくり、RIAAカーブで減衰するアンプの製作ということになります。 フォノイコライザー・アンプの構成は、真空管2本でシンプルなものにします。 真空管は、12AU7を使います。初段は、FETを使ったカスコード回路。シンプルな2段の構成とします。 アンプ外観イメージは、真空管が2本並んで、後は電源スイッチだけというものです。
【電源部の検討】 電源トランス ★ソフトンM2-PWT(Rコアトランス)★ 150Vを倍電圧整流すると、およそ300V×1.3=390Vとなります。 電源は、左右独立で更に初段と2段目を分けて、それぞれ定電圧回路とします。定電圧回路は、基本的に「オーダーメイド手造り真空管アンプの店」のHPにあるMOS-FETの定電圧回路です。ただし、定電圧回路の出力にFETを並列に挿入する回路を付け加えています。シャントレギュレーター回路から、ツエナーダイオードを外したような回路で、機能的には、ただ電流を垂れ流しているだけですが、音質向上にかなり効果があります。 ヒーター電源は、ソフトンHPの回路をそのまま使いLM317で定電圧化して直流点火とします。 【増幅回路】 【初段の検討】 初段は、FET-2SK170を使ったカスコード回路とします。 動作点は、次のようになります。2SK170を20個ほど購入して、IDSS=6.2mAに近いものを探しました。
初段カスコード回路の12AU7の動作点は、次のようになります。 負荷抵抗は、50k。動作点は、140V、2.8mA。 2SK170の入力0.1Vがおよそ100Vに増幅できます。増幅度は、およそ1000倍。 【2段目の検討】
全体の増幅度を6000倍以上にするためには、出力段は、およそ6倍の増幅が必要です。 2段目は、RL=60kΩならロードラインから、およそ13倍になります。 総合利得は、初段1000倍×2段目13倍=13000倍(約82dB)となります。1kHzの中域でマイナス20dB減衰しても62dB(1300倍)くらいになり、2mVのカートリッジ出力が2.6Vになる予定です。 【RIAA回路の検討】 RIAAカーブは、NF型とCR型があり、抵抗、コンデンサの値を計算してくれるHP(「RIAA
CR型イコライザーの計算」)があります。 このアンプでは、CR型にします。 NF型は、RIAAカーブのNFB回路と言っていいようです。アンプの裸利得に影響されるので面倒です。1段目と2段目をカップリングコンデンサなしで結ぶ直結回路の時にNF型を試そうと思っています。 抵抗とコンデンサ 抵抗は、金属被膜抵抗器 1/4W ±1%を使用します。 コンデンサは、フィルムコンデンサを使用します。抵抗は比較的抵抗値の種類も多いので、先にコンデンサを大体の値から、手に入りやすいものを決めます。その後に、上のCR型イコライザーの抵抗・コンデンサの計算に従って、抵抗を決めます。 コンデンサは、0.022μF、0.068μF、この値のコンデンサは、種類が多く、入手しやすいものです。このコンデンサに合わせて、上記HPの計算により抵抗値を決めました。
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