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【夜もやってみましょう】 |
なんとはなしに夜、酒を飲んでいると昔の事を思い出した。そういやぁXLR-Bajaに乗っていた頃はよく夜中に相模川の河原を突っ走って遊んだよなぁ....
そんな事を思い出したらふと沸いてきたプラン「夜にカワクダやったら面白そう....」
とりあえずBBSに書いてみたら、まぁモノ好きな人間が居るは居る(笑)8人も集まっちゃいましたよ、皆さん好きだねぇ。そんな訳でやってみましょう夜のカワクダール!!(以後ヨルクダと称す) |
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さて今回参加したメンバーはこんな人達(以下敬称略!!)
ハギー・悲しき腰痛明け、660テネレ。
★の・1150GSはロードに限る、CRM250AR。
しろ〜♪・脅威の外車3台持ち、F650GDダカール。
アミーゴヒロ・うちの息子(2歳半)に「ひろちゃ〜ん!」と呼ばれ、幼児にもアミーゴ扱い、アフリカツイン。
フジマック・きっとBaja仕様にした600での参加を夢見ていたのだろう悲しきカワクダラー、XR250(ME06)
フリッツ・640アドベンチャーはTWよりライトが暗いらしい、TW200。
I井改め頭文字I・なんちゅーか要するに好き者大将、セロー。
MORI下・いつもお世話になってます。某バイク屋の整備士、アフリカツイン。 |
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【祭りが待っていた】 |
その日の夕方、アミーゴヒロが一足早く我が家にやって来た。
前々から頼まれていて製作したアフリカツイン用アップフェンダーステーを彼のアフリカツイン
(以後長いのでATに略)に装着してみると、おおっ!なかなかカッコイイではないか。フェンダー本体は彼の好みでヤマハTTR用をチョイス。結構かっこいいですよ。
その後我が家で晩飯を食べていると我が家の息子・匠(2歳半)はヒロに大喜び、「ひろちゃ〜ん!」なんて叫びながら抱き突いていきます(笑)。
そんなこんなで、くつろいでいるとそろそろ集合時間が迫ってきました。
さて行きましょう。ここ何日か涼しい日が続いていたのに今夜はかなり蒸し暑い夜です。
集合予定のPM10時より20分ほど早く待ち合わせ場所の昭和橋近くのローソンに着くと、目の前の依知神社で祭礼が行われていて、まぁ賑やかです。
すでにフジマックと頭文字Iが到着していました。他の参加者も時間前に到着。
さて出発しようかという10時に祭りも終わりました(笑)。この時私が発した言葉は
「皆さん気をつけて行きましょう」です。この時まさかこの言葉が自分に降りかかる事になろうとは、夢にも思いませんでしたよ、ホント。 |
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【台風後の跡は大変】 |
さて最近コースルーティングが辛辣になりつつあるカワクダですが、夜となるとさすがにそうはいきません。走るコースとしては無難なラインを選ぶつもりで走ります。
とはいえあまりにも無難すぎるとつまらないので最初も土手下ラインを外して河原方面に走ります。
ここは普通に走れば問題ないが、コーナーに浮石があるちょっとだけいやらしい所です。夜なのである程度走っては止まり後続7台分のライトが見えればOKです。
再スタートするとそこはラインが迷路のように入り組んだ河原で離れると迷う事必死。迷路ラインを抜けて止まると後は2台目のしろ〜♪のダカールのみ。やはり迷ったようです。
しばらくすると河原の中を右往左往するライトが見え始めやっと合流できました。
聞くと再スタート時にアミーゴヒロが足元をすくわれボテゴケしたため先頭とはぐれたのだそうだ。
ネタの欲しい所でネタを作るあたりさすが静岡の芸人アミーゴヒロである。
重量車アフリカツインは彼にとって染ノ助染太郎の傘みたいなネタの道具なのだとその時確信しました。
磯部堰堤の水際を走り2段目堰堤の下から猿ヶ島の河原にINしようと思った所でフジマックがストップ。
何でもブレーキランプが点くとあからさまにライトが暗くなるとの事で急遽ブレーキランプを外すという暴挙に出た。やはりこの男も立派な芸人なのだとこの時私は確信しました。
アミーゴヒロとフジマックの仲良し芸人コンビがいる限りカワクダのネタがつきる事は無いでしょう。
コンクリの土手を降りるとすぐ先にテトラの先端が顔を出す、いやらしい場所。
そこをクリアすると増水で出来た大きなラインを進みます。普段は締まっていて比較的走りやすいのですが、8月の台風による増水でルートの石は浮き、走りにくいのです。しかも目の前には取り残された水溜りが我々の進路を塞ぎます。そんなに深くはなさそうなので突入。
思ったよりは走り易く皆無難に渡り終えます。さすがはカワクダ常連の皆様、あれ?MORI下君は初めてでしたね(笑)
最初は川沿いのラインを取るつもりが、いつのまにか河原中央の草原ルートに突入、後続の皆様すみません。白状すると実はこの時しばらく迷ってました。まあそれでも道はつながっているものでしばらくすると見慣れた道に出ましたよ。あ〜ヨカッタ・・・
猿ヶ島をウロウロし座架依橋を抜けた所で小休止。アミーゴヒロの体が大量の汗をかきながら小刻みに震えているように見えるのは気のせいでしょうか?
汗ばんだ体に河原に吹く夜風のなんと気持ちの良い事でしょう。
対岸のキャンパーの灯りなどを眺めながらしばし夜風にあたります。
しかしここで問題発生、どうやらしろ〜♪のダカールのリヤタイヤの空気が抜けてきています。
ここはとりあえずパンク修理剤でその場しのぎとなりましたがこの先安泰である保障はありません。 |
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カワクダの神様は我々をただ夜風に当たらせてくれるだけでは終わらせないつもりのようですね。
ダカールのリヤタイヤの事などすぐに忘れ再び河原の玉砂利ルートを疾走します。
中依知グランド前の決壊土手の登りを走るとその先はフラットな直線。きもぉ〜ち良く(先頭だけ?)走り適当な所で後続を数えるとアレレ?2台ほど足りません。 |
待つ事3分ようやく来たフリッツの一言「決壊のトコの登りでコケちゃいました」
シンガリの★のちゃんが居なかったらさぞ寂しかった事でしょう。
その★の、「埃がすごくて前が見えなくて全然つまらん!!」との御言葉。いつもいつも悪いねぇ。
次のカワクダの時はポジション交代するからね。比較的安全パイなルートを三川合流点まで進み、
いつものコンビニで休憩です。気のせいかアミーゴヒロの体がプルプルと震えているように見えます。
きっと全身が震えるくらい楽しいのでしょう。 |
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【悲劇は突然訪れる】 |
結構蒸し暑いので私はアイスなどを頬張ります。飲み物等を補給して出発・・・
しようと思ったら再びしろ〜♪のダカールがストップ、ライトのヒューズが飛んでしまったらしい。
ヒューズを交換して再スタートし「あゆみ橋」を渡って海老名側へ。
河原に降りるとフラストレーションの塊となった★のが全開で飛んでいきました。
頭文字Iも負けじと飛んでいきます。いや〜速い速い。 |
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海老名総合体育館の前を走り東名高速の下をくぐると広くフラットなダートが現れます。
草むらの手前で土手を登り上へ・・・と思いきや、待っていたのは車止めの置石。
テネレのアンダーガードにゴツンと鈍い音を立ててヒットしましたが私はとりあえず難を逃れました。
しかしフリッツが石の餌食となりました。
戸沢橋を渡り再び厚木側に進みます。橋の下をくぐるようにいつもの河原への降り口へと進むとあれれ?進入口のゲートが閉まっています。
そういえばここのゲートは夜9時くらいで閉まってしまうんでしたね。
でも大丈夫、たしか橋の下の護岸を降りれば河原に行けたはず。
街灯の当たらない橋の下をテネレのライトを頼りにチェックすると土手の下がフラットな位置を発見。
護岸も一面フラットなコンクリートです。ライトに写しだされた「そのライン」は護岸の凸凹も無い格好のラインに見えました。
何の躊躇も無くそのラインにフロントタイヤを進ませた瞬間、そこには地面がありませんでした。 |
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【テネレ号大破の悲劇】 |
正直言ってフロントタイヤの接地感が無くなった後の出来事はほとんど解りません。
何となく覚えている感覚と客観的な印象で再現するとこうなります。
平らな斜面だと思っていた「そのライン」は実は幅1.3M段差1M強の排水溝だったのです。おそらく進入スピード15Km/h程度でフロントが落ち私は前に投げ飛ばされたのでしょう。
何も見えない暗闇の中、宙を泳ぎ土手下まで落下、何度かバウンドして勢いの落ちたテネレが私の上に被さってきました。
我に返ると全身か濡れている感触、落ちた場所が排水溝の下だったので泥のぬかるみとなっていて、クッションになってくれたのでしょう。立ち上がってみると、とりあえず骨折とかの大怪我はしていないようです。
他のメンバーに無事である事を伝えて皆でテネレを引き起こします。フロントのカウル周りが大破しているのは一目瞭然でしたが何とか走りそうです。ひとまず護岸の上までバイクを上げ、テネレと自分の体をチェックしました。一息ついて落ち着くとやはり体のあちこちが痛いです。MXジャージの袖はビリビリでブーツの金具も一つ飛んでいます。左足がじんわりと痛いですが出血などはありません。でもさすがにバイクのフロントカウル周りはグッチャリ逝ってました。でも不思議な事にライトもウインカーも無事です。逝ってしまったカウルをベキベキと剥がし、MORI下君による荒業(爆)で曲がってフォークに干渉しているライトステーを無理やり戻すとどうやら走行可能状態になりました。
残念ながらヨルクダはここで終わりです。参加した皆様ごめんなさい!! |
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【後日談】 |
帰宅後全身をチェックしましたが信じられない事に大怪我はおろか擦り傷もほとんどありませんでした。
さすがに打ち身のアザがあちこちにありますがそれだけです。この時くらいプロテクションのありがたさを実感した事はありませんでした。ただ左膝の少し上あたりはかなり強くぶつけたらしく、さすがにプックリと腫れていました。次の日テネレをバイク屋さんに運び、★の・MORI下君と3人でチェックしました。
結果主な破損箇所は、
正面のカウル&スクリーン、
右側のカウル、
ライトステーの大破。
リヤのキャリアサイド片方にクラック。
左側のカウルが傷だらけ。と思ったより破損は軽いようです。
それにしても油断大敵前方注意、気をつけろその先坂道地獄行きです。
ホントびっくりしましたよ、だって突然地面がなくなっちゃうんだもん(笑)。ヨルクダに参加した皆様、ホントすみませんでした。以後こんな事にならない様に気をつけたいと思います。
ていうかいつも気をつけているんだけどね。
終わり |
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