最終更新H18.2.4
消音ピアノユニット
 【テクニクス SMZS−15】の取付について
【情報】
テクニクス、消音ユニットの製造を2005年9月にて中止⇒コルグが引き継いで製造。しかしピアノ調律センターさんお勧めは「ピアノスクエア」です。なぜ?⇒掲示板へ
 家のピアノ(ヤマハU1H)に消音ピアノユニットをつけました。消音ピアノユニットについては、インターネットで色々情報を探してみましたが結構無いもので、やっと辿り着いた「消音ピアノユニット用掲示板」から、神奈川の(!私は埼玉、遠い!)ピアノ調律センターの杉本さんと出会い、取り付けをお願いしました。
 ちなみに杉本さんは、テクニクス全国認定技術者のユニット取付け台数で全国1、2位を争う方です。でも、仕事は速く、丁寧で、いろいろ質問にも嫌がらずに答えてくれて個人的に応援したくなる方です。その杉本さんに依頼して、取り付けてくれたときの様子を実況中継風にご紹介します。

※下表の文章は当時(2002/11/5)上記掲示板に書き込んだものです。


※左の写真は、取付後2年経ってからの調律時(2004/12/19)に撮影したものです。
ピアノ調律センターピアノ調律センターさんのマーク

より詳しいユニットの情報とピアノリンク追加しました!下の写真から
クリックで消音ユニット「その2」へ進みます
ユニット本体です。音色は「グランドピアノ」「アップライトピアノ」「電子ピアノ」「ハープシコード」「オルガン」「ストリングス」と遊べます。音響が「ホール」「ステージ」「ルーム」と変えられます。弾いた曲を録音して再生したりもできます。ちなみに、ヤマハのピアノなので、ピアノへの穴あけ加工は、本体取付のため鍵盤の下部分に4箇所ほどだったと記憶しています。音に響くような部分では無いようですが、他メーカー(ヤマハ、カワイ以外)だと、色々と取付に工夫が必要で、穴あけその他ピアノへの加工がもっと必要になる場合があるそうです。掲示板で相談すると教えてくれると思います。

 とうとう、ピアノ消音ユニットが付きました!今回は、折角なので、その簡単なレポートと使用した感想など記させていただこうと思います。
 まずは、午前10時のお約束。結構遠いところ、車で来訪とのことで、まず遅刻は必至と勝手に思っていたのですが、ピッタシ(というか10分前)に到着。何回も来ている友人でさえ平気で2時間は遅刻するというのに。お仕事とはいえ、ご苦労様でした。
 さっそく、ピアノの前面の筐体(なんと言うのでしょう?)を全部開いて、「掃除!」。隅っこまで丁寧に。ふと思えば、今までいろんな所に調律を依頼しましたが、掃除をした方は初めてです。まずは、関心。掃除隅々まで、15分。そうそう、たんすにゴンは当たり前。ピアノにもゴンを忘れずに。ピアノの中のフェルトを虫は食べています!歯型が付いていたり齧られてボロボロになった部分の交換もしました。
 次ぎ、いよいよ調律です。「じゃあ、調律から始めます」の言葉の後、衝撃の質問が。「ご希望はございますか?」。へっ、希望って、バロック調とか変ロ長調とか明るくさわやかにとか言えば良いのでしょうか。こんな事を聞かれたのも初めてで、あわてて「普通に」と言ってしまった。やばい。素人だとバレたか(もともとバレてる)。そんな気持ちを知ってか知らずか、追い討ちをかけるお言葉。「もともと440みたいなので、440にしときますね」。ゲゲゲ、それは一体何じゃらほい。Hzに違いないとは思ったものの、「440って、ドの音ですか」と聞いたら「ラです」という返事。あーあ。
 調律は、終わってみれば約1時間。すごく早い。今までの中で一番早い。大体、2時間は皆かかっていた気がする。バレバレの素人なのでよくわかりませんが、割と鍵盤を強打しながら調律をしていました。弦の伸びとかチューニングピンの戻りとかを考慮しているのでしょうか。
 その後、各種機構の調整(整音というのでしょうか)に取り掛かります。約25分。鍵盤に定規のようなものを置いて高さを測り、フラットにしたり、ハンマーのフェルトをヤスリがけしたりといった内容でした。だんだん外科医に見えてきました。もちろん、こんな事をして頂いたのも初めてです。ピアノが健康になっていきます。
 いよいよ、消音ユニットの取り付けです。おもむろに、箱よりユニット本体、無数のビス、板状の部品を取り出します。そして、まずは、ハンマーの付いているアクション機構のひとかたまり(なんと言うものか不明)をガバッとピアノからはずし、まず掃除(有難い)。そして、ハンマーを止める部品を交換して木から可動式の金属製へ。これが悪名高き?ストッパーというものか。それが終わるとピアノの中にアクション機構を再度もどして、今度は鍵盤の下にセンサー部品を設置。引き続き各種配線、ワイヤーの引き回し、取り付け。何しろ早いので、こちらもナカナカ覚え切れない。本体のボックスをつけて、ハイ完成!取付は約1時間20分位の工程。お話によれば、テクニクスの消音ユニットは、ヤマハに取り付けることを想定して作られているそうで、まあ1時間少々でつきますよ、との事。でも、他の業者に頼んだら、そうはいかないような気がします。
 調律から消音ユニットの取り付けまで、約3時間。まったく休憩なしで集中してお仕事して頂きました。当初予定の4時間より早く、丁寧、きれい、で満足。遠くから来てもらった甲斐がありました。ありがとうございました。元々は、「どっかで中古買ってきて、自分でも付けられるだろう」位に思っていましたが、絶対無理でした。あははは・・・
 そんなこんなで、付けていただいたユニットを使用しての感想ですが、なぜかココから箇条書きで書きますと、
 1.サイレントにしないときは、まったく今までと変わった様子はなく、普通のアップライトとして使える。当たり前でも大事だと思います。
 2.サイレントにしたときは、まったく別の電子ピアノとなる。当然ながら出る音は何処かでサンプリングされた他のピアノの音(スタインウェイらしい)。とても不思議な感じ。また、タッチも電子ピアノっぽくなる。ストロークも若干浅くなった感じはする。【これは、後日見て頂いて直りました。気のせいと、わずかな調節で。】
 3.サイレントにしたときは、色々な音色も楽しめる。グランドピアノ、オルガン、ストリングス、チェンバロ等。響きも自宅だったり、ホールだったりと切り替えできて、遊べる。子供も大喜びだし大人も楽しい。
 4.サイレントにしたときは、なんか自分が上達したかのような錯覚を覚える(特に音の強弱)。なぜか上手に弾けてる気になる。何故?聞こえる音自体はデジタルだから、音の強弱も何段階かにしか表現できない。だから、ある程度の強さ・弱さが指から伝われば、耳ざわりよく聞こえるのだろうか。んー、謎。
 5.音自体について言えば、無知ゆえの期待が大きすぎて、若干不満の面もある。音源のせいなのか、ヘッドホンのせいなのかわからないが、どうしてもこもりがちで、音量を上げるとひずみとノイズが増える。いろんな音色を出せるより、ピアノだけに絞って高音質化したほうが良いのでは、と思った。とはいえ、それはサイレントユニットを否定する程のものではない。「やっぱ生音が一番だなぁ」と当たり前の事に気が付いただけのこと。そう、簡単に切り替えが出来るので、しょっちゅう生音と比較してしまうから。より一層、生音の広がり感、輝きが際立っただけ(うーん、詩的・・・)。
夜間や窓を開けてピアノを練習したいという目的をもっている方には、サイレントピアノは良い選択肢だと思います。真ん中のペダルを踏んで弱音にしても結構うるさいし、かなり重たくストレスのたまるピアノになってしまいます(私は)。音とタッチにこだわり、リアリティを求めるプロにはちょっと役不足。今のところお金をかけて防音室を作るのが一番のようです。
私的には、時間・環境的制約を無くしてくれるサイレントユニット、取り付けて良かったとおもいます。管理人さん(杉本さん)の技術・スピード、態度もハナマルでした。出来ることなら、毎度の調律をお願いしたい。でも、遠いしねぇ。誰か良い人、知りませんか?長文で失礼しました。

消音ピアノユニット2
見難いですが、下から見た写真です。下方が前になります。端子は左から「MIDIのOUTとIN」「AUXのR/L」「LINE OUTのR/L」「HEADPHONES 1/2」となっています。私の接続は、ヘッドホン2本(取付時にサービスしてもらいました)とLINEOUTで、LINEOUTはビッダーズオークションで1500円で落としたキーボードアンプに繋がっています。ちなみに、よくあるPC用のスピーカーでは音が割れて使い物になりません(体験済み)。
BOSS MA−15Aミニアンプ
←コレくらいのものをつながないと使い物になりません。BOSSのMA-15Aというミニアンプ。

実は、機器代金、取付料金も当時ネットで探した中ではNo.1の安さでした。この商品、あんまり値引きしている業者さん自体が少なく、また、機器が安ければ取付工賃が高かったりして、トータルだと結構差がつきます。タダなので、一度、「消音ピアノユニット用掲示板」に書き込んで見ることをお勧めします。
※但し、神奈川の業者さんなので、実際の取付は近県の方までとなりますが、遠方の方でも質問にはしっかり答えてくれます。私の実に気に入っているところです。
より詳しいユニットの情報とピアノリンク追加しました!

取付後も、わざわざ神奈川から埼玉まで「ついで」に寄って頂き、季節により変わるピアノの調子について教えてくれたり、気になる部分を調整してくれたりとお世話になっています。この間も調律をしてもらいました(もちろんお金払ってますよ!)。調律に来て、初めに「掃除機ありますか?」っていう調律師さんも珍しくないですか?あと、雑巾と「防虫剤」のご用意を。一度頼んだらクセになる、ピアノ調律センターの杉本さんでした。

教えてもらった生ピアノのうんちく
 余談ですが、こんな事を教えてもらいました。ピアノは季節により状態が変化し、それによって調律が乱れたり、整調したものがずれたり、また元に戻ったりするそうです。まあ、それは何となく分かりますが、夏と冬ではピアノの音のピッチが上下するそうです。では、音が高くずれる傾向にあるのは夏でしょうか、冬でしょうか。



答えは、「夏」だそうです。なんか夏だとピアノ線が熱でダレてゆるくなり、音が下がるような気がしますが、実体験として「夏」だそうです。ピアノ線を張るフレームの膨張率の方が高いのでしょうかね。