最終更新H16.12.30
消音ピアノユニット
 【テクニクス SMZS−15】の取付について
 その2
消音ピアノユニット1  ユニット本体です。音色は「グランドピアノ」「アップライトピアノ」「電子ピアノ」「ハープシコード」「オルガン」「ストリングス」と遊べます。音響も「ホール」「ステージ」「ルーム」と変えられます。弾いた曲を録音して再生したりもできます。
 ちなみに、ヤマハのピアノなので、ピアノへの穴あけ加工は、本体取付のため鍵盤の下部分に4箇所ほどだったと記憶しています。音に響くような部分では無いようですが、他メーカー(ヤマハ、カワイ以外)だと、色々と取付に工夫が必要で、穴あけその他ピアノへの加工がもっと必要になる場合があるそうです。
ピアノ掃除  ピアノを掃除している杉本氏(これはユニット取付から2年ほど経ったときの調律の時の写真ですが、ユニット取付時も同様に掃除をしてから作業に入りました)。
 ピアノ消音ユニットのセンサー部は掃除機のホースの先あたり、鍵盤のあった辺りの黒い線のように見える部分です。いつもは鍵盤の下にあるのでワカリマセン。
 当然ですが、鍵盤の数と同じだけセンサーがあります。だから前のページの技術者モードの調整があるのでしょう。センサーが88個もあれば個体差が生じてもおかしくないですから。

消音ユニットセンサー
 これがセンサー部拡大写真。黒い鍵型の部分が鍵盤によって押されて両脇を挟む光センサーの光を遮断し、センサーが反応して音が出る、みたい(多分)。
 黒いものはプラスチック製で、非常に軽い力で上下するので、これによりタッチが重くなるということはありません(一般人には)。もちろん、プロの方からすれば微妙に変わったと感じるのかもしれませんけど、そういう方は元々つけないでしょうし。
 ここの部分は大事で、もしこのセンサーが重かったり、動きに引っ掛かりがあれば、消音にしないで(生ピアノで)弾いた時にもタッチに影響が出てきてしまいます。
 また、実際の作業では、整調という作業が入ります。非常に微妙な機械を取り付けたので、なるべく的確にセンサーに信号を送れるように、ピアノ全体の動きを均質に、正確にしていく作業です(多分)。具体的には鍵盤の高さを揃えたり、ハンマーの遊びを揃えたりというようなことをやっているようです。
 正に技術者の腕の見せ所。土台がしっかり平らになっていないと、どんな立派な家を建てても直ぐにガタが出てくるのと一緒です。
ストッパーの動き  消音にした時に、一番タッチに影響しそうなのがコヤツ。ハンマーが打弦する直前に止めるストッパーです。
 ユニット本体横に設置された消音レバーを引くと、自転車のブレーキワイヤーと一緒の原理でストッパーがハンマー寄りにセットされます。見えずらいですが、黒いコードからワイヤーがバネの中を通ってストッパーを動かしています。
 
クリアランス  このとき大事というか、技術者の腕の見せ所の一つが、ストッパーの調整です。ハンマーを何処で止めるか。
 手前で(弦とのクリアランスが多くなる)止めてしまうと、消音にしたときと生の時とでタッチの差が大きくなります。違和感が生じるといったほうが良いかも知れません。
 一方、ハンマーを奥まで動くよう(弦とのクリアランスが少なくなる)調節すると、タッチへの影響が無くなる代わりに、強打した際に打弦してしまうリスクが生じます。サイレントでなくなってしまいます。
 
<おまけ>
弱音ペダルの動き
 ピアノを開けたついでに、弱音ペダル(ソフトペダル)を踏むと何が起きるのかを撮影してみました。個人的に「このペダル何なんだ?」とずっと思っていましたもので。。。
 弱音ペダル(ソフトペダル)は、3本ペダルの左のペダルで、よく「音全体を柔らかい音にする」とか聞きますが、どうも音で違いがわかりづらい。確かに音が小さくなるようではあるが、じゃあ真ん中のペダルと何が違うのよ。
 真ん中のペダルを踏むと、左の写真上方にあるフェルトの幕が下りて、ハンマーと弦の間に割って入り、音を小さくするというのは、さすがに私でも分かっています。
 で、左のペダルを踏むってぇと、ハンマー全体が弦に近づくように動き、ハンマーと弦の距離が縮まります。
 遠心力が付かなくなる分、音がソフトになるということですね。なるほど。
調律ハンマー調律ハンマーPIANO LINKSロングミュートロングミュート
ピアノ調律センター ピアノ調律センター
このページに載っているピアノ消音ユニットを取り付けてくれた「杉本氏」のいる会社です。親切、丁寧且つスピーディーな仕事振りが良いです。
消音ピアノユニット掲示板が設置されており、この業界ではかなり画期的かと思います。
ピアノ大好き PianoDaisuki
ピアノ情報満載のサイト。「ピアノ調整・調律の解説」など役に立つ内容盛りだくさんです。中には「ピアノ調律師適性診断ゲーム」などもあります。ちなみに私の適性は78%、杉本氏は89%だったようです(笑)。

ピアノ技研
サイレントピアノの問題点
有限会社ピアノ技研」さんHP内コンテンツです。消音ユニットを取り付けるにあたり、もっとも参考にしたHPかも知れません。大体、消音ユニットに関する情報をインターネットで調べると「良いこと」ばかりを書いた商業HPばかりです。購入にあたり本当に役に立つ情報をくれたのは、前述消音ピアノユニット掲示板とこちらのHPだけでした。
こちらのホームページでは、基本的には批判的な見地からの記事を載せています。多分的外れではないと思います。あとは購入する方がプラスマイナスをどう考えて判断するかです。そして、付けるときは確かな技術を持ったショップを選択して依頼することです。