こんぶくろ池自然博物公園〜大堀川、手賀沼の源流を求めて



 大堀川の本当の源流に行ってきました。こんぶくろ池です。美しいですね。それにしても、本当にうっかりしていました。私は森やビオトープを訪ねるのが大好きですが、東葛地域の森の真打の一つと言える「こんぶくろ池自然博物公園」の存在をすっかり失念していました。




 このこんぶくろ池は、湧き水によって出来た池です。公園内にある弁天池と共に、柏市で数多くある湧き水の中でもとりわけ水量が多く、この二つの池の水を水源に大堀川となり、手賀沼に注いでいます。実は随分前、こんぶくろ池の存在を知り行きたいと思っていたのですが、すっかり忘却の彼方でした。




 で、突然思い出して「こりゃ行かなきゃ」と訪ねたのが、2007年春のことでした。場所は柏の葉公園の東側。国立がんセンターと税関研修所の間の道を抜けてすぐのところにあります。ちょうどラブホテルをやり過ごしたところに、森に入る比較的大きな道があります。そこから目的の池を目指しました。

 この道、森に入ってしばらくは結構不安です。案の定、不法投棄のゴミが散乱していますし、道もぬかるんで、最初はちょっと大丈夫かなと思いました。でも、森の北側まで来ると雰囲気は一変します。突き当りには、こんぶくろ池を示す看板があり、看板の指示通り左折します。この辺りの森の道はゴミ一つなく、とてつもなく美しいです。




 しばらく西へ向かうと、こんな木の橋と看板が現れます。この橋を渡るとこんぶくろ池、橋を渡らずに左へ行くと弁天池に行けます。この橋はこんぶくろ池と弁天池をつなぐ“川”に架かる橋だそうです。

 看板の解説によると、こんぶくろ池(と弁天池)の湧き水が、今では柏市では唯一の手賀沼の自然水源になってしまったとのことです。そして、この辺りには江戸時代、馬を放牧する小金牧がありましたが、こんぶくろ池や弁天池は馬たちの貴重な水飲み場になっていたそうです。




 弁天池の方にも行ってみました。左の写真は端の上から撮った弁天池につながる“川”ですが、とにかくメチャメチャ美しいです。その川に沿った小さな道を行くと、こんぶくろ池よりもさらに小さな弁天池がありました。




 これはもう、池というよりも泉ですね。この弁天池の真ん中には、木が数本根を生やした“島”があり、その周りを湧き水が取り巻いています。こんな雰囲気もいいですね。江戸の昔、馬たちが水を飲みに集まってくる、そんな情景が思い浮かぶような本当に小さな池です。




 ところで、こんぶくろ池の岸辺で、くつろいでらっしゃるオバサンたちに出会いました。そして、こんぶくろ池に関する話を聞くことができました。このオバサンたち、単なる散歩の方たちではありませんでした。

 実は、この方々は、こんぶくろ池や弁天池、そしてこの森を保全する活動をされているとのこと。なんでも、こんぶくろ池自然博物公園としての完成は平成25年の予定なのですが、まだ森の地主さんから2割しか買収が済んでおらず、完成は少し遅れるそうです。

 それ以外にも、いろんな話を聞きました。こんぶくろ池の周りが美しいのは、この方々が毎月掃除をされているからです。そして面白かったのは、こんぶくろ池や弁天池にある祠の話です。

 この祠、20年前に地主さんたちが設置したものだそうです。一応、水神・龍神をまつる祠ですが、建立した目的はこの水源を守るためだそうです。確かに、祠のあるところでゴミを不法投棄するのは、ためらいますからね。

 そう言えば全国には、水神や龍神、あるいは淵の主の伝説がありますが、おそらく皆、貴重な水源を守るために地元の人たちが語り伝えた話なのでしょう。こんぶくろ池も、その甲斐あってか、今では立派な心霊スポットのようです(笑)

 このこんぶくろ池や弁天池は森の北西の端にありますので、柏の葉公園と東大柏キャンパスの間を走る道路沿いからすぐのところにあります。ですから、こちらの道路からなら簡単に立ち寄ることができますので、大堀川遊歩道を利用されている自転車乗りの皆さんは、是非一度訪ねてみてください。結構、感動しますよ。




 ところで、こんぶくろ池や弁天池の湧き水の水量だけでは、大堀川の水量にはとても足りません。その不足分を補っているのが、大堀川遊歩道の西端、新駒木橋付近から大量に流されている“利根川の水”です。

 この水、手賀沼サイクリングロード沿いの地下に埋められた導水路から放流された水です。この導水路は利根川の水を取り込み、手賀沼の南の地下を流れ、手賀沼や大堀川に比較的きれいな水を供給し、坂川の源流の一つとなり、江戸川に流れ込みます。

 以前、EASTさんのブログで大堀川に鮭が遡上してきたとの話を読みましたが、どうやら利根川で放流された鮭のようです。大堀川や手賀沼に利根川の水を引いているため、鮭が過って遡上してきたのかもしれません。

 手賀沼が昔に比べてきれいになったといっても、相変わらず私たちが住む街から生活廃水が流れ込んでいます。導水路から流される利根川の水が、手賀沼や大堀川にとって“生命維持装置”になっているんですね。こんぶくろ池の美しい水面を見て、少し考えさせられました。




 美しいこんぶくろ池のすぐそばに、ひどいところがありました。ゴミの道です。実際は写真の印象以上にひどいです。こんぶくろ池自然博物公園から東へ向かい、国道16号を渡ったところにある森を抜ける道です。こんぶくろ池に行く前に、Googleマップの航空写真を見ていると、16号を挟んで東側にも森が広がっているのに気が付きました。それで、こちらも走ってやろうと行ってみると、このありさまでした。

 この道は150mほど森の中を走ります。本来なら、とても気分の良い道のはずですが、ほぼ全区間に渡って道の両サイドを不法投棄のゴミが埋め尽くしています。「不法投棄禁止」の看板の周りにも、びっしりとゴミが捨てられていました。しかも、ほぼすべてが家庭から出るゴミです。つまり、普通の人たちがこの道にゴミを捨てているのです。

 なぜ、こんなことをするのでしょう。決められた日に、決められた場所にゴミを出せば済むことなのに、わざわざ美しい森の中を走る道にまでゴミを捨てに来る人たちの心根が理解できません。この道に限らず、東葛地域の森には、産廃から家庭から出るゴミまで、ありとあらゆるものが捨てられています。少し前に、大青田の森に行かれた方からメールをいただきましたが、セラー服まで捨てられてあったそうです。




 このゴミだらけの森の道を南へ抜け、東に向かうと美しい農道にでます。おそらく農家の方がゴミ掃除をされていることもあるのかと思いますが、人目につく場所はこんなにきれいです。「人目がなくなると神様もいなくなる」。これは以前、友人から教えてもらった箴言ですが、人目につかない森にやって来て、ゴミを捨てていく人たちの心には、確かに“神様”はいませんね。でも、ゴミを捨てることで失うものについて、少しでいいから考えてほしいものだと思います。



トップページへ