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#089[蜂] [夢/19950126] 妹には3人の息子(実際は4人?)がいて、次男と三男は、腰から下が魚だ。鱗のない、黒っぽい、ぬめぬめした肌。妹は、母親になっても少女のようで、小柄。服を着て、泳がない(泳げない?)幼い末っ子といる。私は、浅いプールに浸かる彼らを、高い所(ロビー?)から見下ろしているらしい。彼らは、魚のように、すいすい、泳ぐ。潜水。泳げない、よその子らが、水の中で立っている。私は、甥達がそんな体であることに憐れみを覚えていたが、彼らの自在な泳ぎっぷりを見て、考え直す。とは言え、男の人魚というのは、変な感じ。 (甥は3人だとすれば、泳げない末っ子とは、私のことか) (黄色の家の)玄関のコンクリートの上に、直接、(貝割れ大根のような)植物が置いてある。根がやっと隠れるくらいの土。3株ほど。1株は離れていて、萎れかけている。 台所で炊事をしているらしいL?に、指摘。外に植え替えよ。だが、Lは、外の土は悪いと言う。本当に、ここの土は悪い。 (建築資材の残りが埋められていて、上から練炭の灰などを捨てた。犬の糞を埋めた。土は湿っていて、嫌な匂いがした。水捌けが悪い。濃い緑の苔、疎ら) しかし、植物を、このままにしてはおけない。どうせ駄目になるのなら、悪い土だって、構わないのではないか。 建物と塀の間の狭い土地。塀に近い側に浅い窪みがあり、そこに泥付きの株を並べる。台所の窓から? Lが、「土壌改良のためね」と言う。確かにそうなのだが、割り切ってしまうのも不愉快。できることなら、植物を生かしたい。植物が育ち、土が変わる。理想的。 ジャガ芋の芽? 毒? 左に折れると、塀がない。荒れた土地が広がる。明るい。地面に、たくさん、黄色の、大きな蠅。縞模様。 (そんな蝿が、便所の汲み出し口から、朝早く、孵化し、次々に飛び立つのを見たことがある。殺虫剤をいくらかけても、効果がなかった。蛆も大きい。部屋の中まで入って来て、それは布団の中の私の脚の上を這い、感触に驚き、跳ね起きた。初めて見たとき、幻覚かと思った。人に話すと、幻覚だろうと言われた) 汚い蠅。大小様々。足の踏み場もないほど。 近くに、Lがいる。左の臑に痛み。虫が刺した。どうしよう。針が深く食い込んでいるらしい。蝿ではなく、蜂か。蜂の恐ろしさと蝿の汚さ。触りたくない。が、仕方がない。虫の腹を持って引っ張る。針は、意外に長い。ちぎれて針が残るのではないか。心配。針に返しでもあったら、面倒。 針は抜けたようだが、卵を産み付けられたと思う。別の虫の、小さい針が、体のどこかに刺さっているような気もする。数か月後、卵が孵り、私の皮膚を破って飛び立つさまを思い、怖じる。真夏の暑い日に? 虫は、本来は、屍に産卵するのではないか。なぜ、私の体に…… 玄関から、居間へ。布団のない電気炬燵。春? 「毛抜き」と、Lに言う。(Lが実家から持ってきた、薄緑色の)薬箱の中に、それはあるはず。 (目覚めてからも痛み。だが、疵や腫れのようなものは、見当たらない。まざまざとした印象。早朝の澄んだ空気と汚い蝿の対照) |