漫画の思い出

著者別「き」

 木城ゆきと
『銃夢(ガンム)』
 『ドクタースランプアラレちゃん』の劇画版。執筆によって作家が癒されてゆく過程も、相似。次作で表現を盾に韜晦を試みるという過程も、また。
 卓越した才能は、持続しないものなのか。

『銃夢 Last Order』
 『どろろ』のSF版かな。
 「私はあの頃よりもずいぶん上手くなったような気がするが… あの頃のナイフのような純粋さは思い出せなくなってしまった」
 牛次郎
『釘師サブやん』(+ビッグ錠)
 手動式パチンコの時代、パチプロと釘師の闘いがあったそうだ。根性物のようでもあり、そのパロディーのようでもある。このもぞもぞした語り口が、味か。

『包丁人味平』(+ビッグ錠)
 勤労少年物。初歩的なことを大発明のように描いたかと思うと、曲芸師でもできないようなことを、できそうに描く。どこで笑って、どこで感心すればいいのか、戸惑いつつも、すらすらと読めてしまう。
 話半分としても、料理の勉強にはなる。


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