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<第7章>

ボランティアの待遇




ボランティアには当然のことながら、金銭の支給は一切ありません。

ただ、神戸市災害対策本部から、被災者に配給するものと同じものがボランティアにも支給されていました。
その内容は、給食(お弁当、パン、飲み物)、カップ麺、カップスープ、インスタント味噌汁、缶詰、魚肉ソーセージ、軍手、歯ブラシ、タオル、使い捨てカイロ、防寒下着、毛布等です。
それ以外に、当避難所のボランティア・ルームにはホットカーペット、電気ストーブ、電気ポットが、救援物資の中から支給されていました。

一方、避難所住民さん達に電化製品は支給されていませんでした。
暖房のない教室、廊下、体育館で使い捨てカイロと防寒下着と布団&毛布で避難生活をしておられたのでした。
そのことを考えると、とても心が痛みます。 
でも、住民さん全員に平等に分配できないものは支給できないという事情が行政さん側にはあったのでした。
住民間の不公平がトラブルの素になるとのことでした・・。
 
学校からは体育館の更衣室2部屋をボランティア・ルームとして提供して頂き、夜間は、遠方からのボランティアが男女に分かれてそこで宿泊できるようになっていました。
更衣室ということで、ロッカータイプの棚と手洗い用シンクと鏡が各部屋に備わっていました。
学校側のボランティアに対するご厚意を感じます。

私がボランティアをしていた3月の1ヶ月間、北海道、横浜、長野、福岡他から来ていた大学生〜40才代のボランティアが、入れ替わり立ち代り、ボランティア・ルームで宿泊していました。
遠方から来ていた女性ボランティア(大学生)が1人で宿泊していた間、避難所で避難生活をしながらボランティアをしていた同年代の女性ボランティアが、同じ部屋で宿泊につき合っていました。

宿泊者の滞在期間については各自まちまちで、中には、国内旅行をしながら1泊2日の日程で気楽?なボランティア活動をした人が1名いましたが、男女を通じて殆どの場合、1週間から10日間の滞在が多かったように思います。 
宿泊ボランティアは、上記救援物資の防寒下着、使い捨てカイロ、毛布を自由に使って、各自持参の寝袋と併用でホットカーペットの上に雑魚寝?をしていたそうです。 

尚、私の場合は、実家で上げ膳据え膳の待遇!(#^.^#) エヘッ
避難所まではバスと徒歩で片道約30分の道程でした。
 
避難所の住民さんからは、住民さん主催のイベント炊き出しがある場合、避難所住民さん&周辺地域の住民さんに加えて、行政さんやボランティアもご馳走していただきました。
住民さん達はボランティアに対して、心から親切にしてくださいました。
住民さんの中にはボランティアに個人的に差し入れをしてくださる方もいらっしゃいました。
当避難所では、学校からも住民さんからも、ボランティアはとても大事にして頂きました。 

  
ちなみに、全国各地の国立病院から派遣されていた医療ボランティアの場合、ホテルが用意されているということを医療チームのお1人から聞きました。
そのとき私は 『えっ? この混乱期にホテル・・(?_?)』『宿泊費は自費? それとも税金??』 ・・ と、内心いろいろ心に浮かびましたが、聞けませんでした(*^^;;

一方、神戸市災害対策本部から当避難所に派遣されていた市職員の方々は、2交替24間体制で避難所に常駐されていました。
夜中に避難所内の巡回もしておられたとのことです。
親しい住民さんから聞いた話ですが、避難所の夜は 精神的に不安定になっておられた住民さんがちょっとした騒ぎを起されることもあったようで大変だったそうです・・ 

  

  

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