矯正とは、歯並びをきれいに整えることを言います。日本では昔から八重歯がチャームポイントとされてきたため、歯並びを修正せず大人になる人が少なくありませんでした。しかも、歯並びが悪くても本人は何のデメリットも感じないため、そのままにしておくことが多いようです。
しかし、歯並びが悪いと虫歯や、最近問題になっている顎関節症になりやすいため、できるだけ早く矯正する必要があります。
矯正と一口に言っても、全顎(ぜんがく)矯正と部分矯正に大別することができます。たとえば、受け口(下顎前突)、出っ歯(上顎前突)、乱杭歯・八重歯(そうせい)、極端に深いかみ合わせ(過蓋咬合)、前歯がかみ合わない(開咬)などは全顎矯正で治します。
また、歯の間隔が開いている場合や、歯が抜けて隣の歯が動いたり倒れた場合には部分矯正を利用します。
矯正に使用する装置は、取り外し可能なものと、歯に接着してしまうものの二種類があります。取り外し可能なものは、歯の掃除がしやすいというメリットがありますが、付け忘れたり紛失・破損の可能性があります。それに対し歯に接着するタイプは、効果は高いですが、歯の手入れを怠ると虫歯や歯肉炎になることがあります。矯正はこのふたつを上手に組み合わせておこなわれます。
以前は、大人になってからの矯正は難しいと言われていましたが、現在は、年齢に関係なく矯正することができます。また、矯正には「金具が見えるから嫌だ」と言う不満が大きかったのですが、最近は審美に配慮
したさまざまな工夫がされるようになりました。
たとえば、ボタン上の金具部分に、セラミックやプラスチック製のものを用いると目立ちにくくなりますので、
お仕事をお持ちの方や、おしゃれな思春期の女の子たちも安心して矯正を行うことができます。
最近はさらに進んで、「隠すよりむしろ見せちゃおう!」と、カラフルな留めゴムをリクエストなさる患者さんも多くなりました。まさに、マイナスをプラスに転換する発想といえるのではないでしょうか。春には新緑、夏はひまわり色など、季節に応じて換えてもいいですし、白い歯を雲に見立ててて、空の青の留めゴムをつけるというのもかわいいですよ。
おしゃれ感覚、遊び心で楽しみながら矯正をおこなってください。
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