【サドル】
Pacific-18のサドルは今、英ブルックス社のSWIFT(スイフト)を使っています。Pacific-18は、プジョーの「ブルーライオン」が刻印された革サドルが標準装備ですが、昨年(2003年)夏に革サドルの本家のものに取り替えました。
このSWIFTは量産品の中では最高級品で、さすがに革のフィット感が抜群です。革サドルは慣らし期間が必要だと言いますが、このサドルは付けたその日からジャストフィット、何時間乗ってもお尻が痛くなりませんでした。
ただ、プジョーの革サドルがあまりに硬かったため、どんなサドルでも座れるお尻が出来てしまったという事情もあります。今思えば、プジョーのサドルは、雰囲気はあっても粗悪品だったですね。あまりに硬すぎる。死ぬほど硬い。当時、サドルの知識が何もない私は、こんなものだと思ってお尻の痛みに耐えていました。最初は30分も乗れば痛く仕方がなかったです。
しかし、それに耐えたおかげで、今はサドルに困ることはありません。このSWIFTはもちろん、ロードレーサーに導入したぺらぺらのサドルも平気です。レーパンもいらないし、カジュアルな服装で自転車に乗ることができます。
ところで、このSWIFTの鋲は手打ちです。打ち込んだ鋲の質感がたまりません。レールはチタン。本体の革は時を経るに従って、いい艶が出てきます。SWIFTは手入れ用のオイルが付属しており、塗り込む度に素晴らしい光沢も出てきます。
購入した長谷川自転車商会のオヤジさんに言わせれば、「きちんと手入れすれば30年は持つ」そうです。ところで、この長谷川自転車商会さんはすごいお店ですね。知る人ぞ知るランドナーやクラシック・パーツの殿堂です。
買いに行った日は、雨交じりの蒸し暑い日でしたが、店内には冷房器具などなく、扇風機だけ。ところ狭しとパーツ類が置いてありました。その中で、奥さんに出して頂いた麦茶を飲みながら、ブルックスやランドナーに関するオヤジさんの講釈を、汗だくになりながら聞いていたのを思い出します。
【サドルカバーについて】
最近は、折り畳み自転車のPacific-18のネタをアップすることが、ほとんどありません。というのも、改造がわたし的には究極までたどり着き、も
うこれ以上手を入れるところがない状態だからです。ネタはないと言っても、自転車自体は乗っていて、とても楽しいです。イメージ通り走ってくれますし、
ロードレーサーやMTBにはないお気楽感がたまりません。
ただPadific-18ネタで、アップせずに忘れていたものが、いくつかありました。前ブレーキのチャリチャリ音問題が解決したことや、携帯ポンプなどの収納場所などです。今回も、忘れていた小ネタです。
Pacific-18のサドルは今、英ブルックスのスイフトを使っています。ただ、革サドルはみんなそうですが、雨にからっきし弱いのです。濡れると革が傷み形が崩れますし、シミにもなります。まあ、ある程度は仕方がないのですが、そうした事態はできるだけ避けたいものです。
ですから、不意の雨に備えて常に携帯しているのが、このサドルカバーです。ブルックスからも最近、純正のサドルカバーが出たようですが、私が使っているのはアルプスさんのオリジナル製品です。アルプスといえばランドナー。ランドナーといえば革サドルです。このサドルカバーは革サドルの強い味方です。
実は、私はランドナーにひそかに憧れていまして、ロードレーサーが体力的に乗れなくなったら、ランドナーをこしらえようと思っています。作ってもらう店
として、アルプスも当然候補です。しかし、それはまだ先のことですから、しばらくはこのサドルカバーでランドナーをしのぶことにしましょう(笑)
【サドルの手入れについて】
このSWIFTには、専用のオイルが付属しています。それを写真のように革の表面に塗ります。ブルックスによると3〜6カ月に一度、このオイルを塗ると革がなじんで、かつ長持ちするそうです。確かに完全に乾いたところで、布で磨けば、ぴかぴかになります。
【サドルの手入れについて Part2】
ブルックスのSWIFT(スイフト)が型崩れしてきたので、ちょっと整形してみました。このサドルは革製のわりに軽く、スポーティでお尻にも馴染みやすいのですが、利点は弱点にもなります。お尻の形に合わせて革が変形し、時間をかけてジャストフィットのサドルになるわけですが、 それは型崩れするということも意味します。サイドが広がり、ちょっと不恰好になるのです。Pacific-18にデフォルトで付いていて、SWIFTの前 に使っていたライオン・サドルも、見事な幅広座布団になってしまいました。
で、SWIFTの整形ですが、まずサドル前方のボルトを45度ほど回して、革を縦方向に引っ張ります。ブルックスによると、この作業を定期的に行うことで、革の張りを保てるそうです。同時に、タイラップで写真のように縛り、広がりつつあったサイドを引き締めました。
この状態で1週間放置しておいたのですが、見事購入時のような革の張りと形を取り戻せました。もちろん、お尻へのフィット感はそのままです。ところで、革を縛ったタイラップですが、シートポストに付けている小物入れを上からつるし上げている、取り外し可能なタイラップです。普通のタイラップは外すときには切るしかありませんが、これは簡単に外せ再利用可能なため、とても便利です。
【シートポスト】
シートポストはLOROのオリジナル製品です。BD-1やPacific-18などBirdy系のアルミ製シートポストをブラックアルマイト加工したものです。チェーンリングやクランクがブラックになった関係で、シートポストもブラックにしたいと思っていたので、購入しました。
実は当初、BD-1用のカーボン製シートポストが出るということで、それを購入しようと思っていました。しかし、製品を見てみるとイマイチ。フレームに挿入するため傷の付きやすいシートポストですから、カーボンに光沢を持たせることはできないのは分かりますが、印象がぼんやりして好きになれませんでした。しかも、重量もオリジナル・シートポストと同じ。簡易とはいえサスがありますから、カーボンのシートポストの衝撃吸収力も不要です。
だったら、標準のシートポストをブラックアルマイト加工した、値段も手ごろなこの製品でいいと購入しました。で、このシートポストですが、元が元だけに、ブラックアルマイト化の仕上がりはそれなりです。だけど、ブラックのシートポストはやはり自転車全体のイメージを引き締めますので、お気に入りのパーツの1つとなっています。
【シートポストにシリコンスプレー】
サイスポ2006年5月号を見ていたら、シリコンスプレーがサドルなどのきしみ音防止に効果的との記事が目に留まりました。シリコンスプレーって、たて付けの悪い引き戸なんかのすべりを良くするために使う、すごく一般的なケミカルです。正式にはシリコーンオイル(シリコンじゃありません)ですね。
これを読んだとき、なんでもっと早く気が付かなかったのだろうと思いました。なにかというと、シートポストにこのシリコンスプレーを吹き付けることです。私のPacific-18のような一昔前のBD-1系のバイクは、シートポストの固定法が、今のものと違います。シートチューブの上部にシートクイックを取り付ける台座が溶接されており、ここをシートクイックで絞ることでシートポストを固定します。
その関係で、シートポストとシートチューブのクリアランスはほとんどありません。折り畳むために、シートポストを下げようとすると、結構きつく、シートポストはどんどん傷だらけになります。Pacific-18を買った当初は、グリスを薄く塗っていたのですが、これだとグリスが埃を吸い、短パンなんかで乗ると裾が汚くなりますので、最近はグリスを塗るのを止めていました。
そうなんです。グリスの代わりにシリコンスプレーを塗布すればよかったのです。実際にやってみると、驚くほどスムーズになりました。こりゃ良いです。しかし、こんな身近なものに気が付かなかったとは! 灯台下暗しですね。シリコンスプレーはホームセンターで400円程度。安いものです。
【シートポストは仕込み杖】
折り畳み自転車のPacific-18シートポストは“仕込み杖”です。この中にタイヤレバーなどパンク修理セット、それに細身の携帯ポンプが入ってい
ます。Pacific-18やBD-1のシートポストの直径は広く、いろんなものが入ります。問題は何でフタをするかですが、実は、BD-1系の自転車の
簡易リアサスであるエラストマがちょうどよいフタになるのです。
エラストマをフタに改造するのも簡単です。エラストマの中央の穴にボルトを通し、それに蝶ナットをはめます(もちろん、エラストマの両端には特大のワッ
シャをかませます)。パンク修理セットや携帯ポンプをシートポストに入れた後、シートポストの先にエラストマをはめ込み、蝶ナットを締め込むと、エラスト
マがシートポストの内側に密着し外れなくなります。
本当に、シートポストの仕込み杖は便利です。普段は携帯ポンプなどを仕込んでいることを忘れているほどです。道具を忘れ、パンク修理ができなくて、途方
にくれるということもなくなります。実際、この前にパンクしたときに、その便利さをしみじみと感じました。シートポストの内径とエラストマの直径が比率が
絶妙です。
実は、このアイデアを思いついたのは、私ではありません。Pacific-18の大先輩オーナーのおおわださんという方が考案したものです。ちなみにフタとして使っているエラストマは、もともとPacific-18に付いてきたものです。リアの簡易サスをスプリングに変えたときに、エラストマの有効活用方法として、おおわださんのアイデアを参考にさせていただきました。
【ボトルの付け場所】
BD-1やPacific-18で困るのはボトルの取り付け場所です。フレームにはボトルケージを付けるダボもないので、マジックテープで取り付けたり、ステムに付けたりと、皆さんいろいろと工夫されているようです。
私の場合、ボトルケージをサドルの後に付けています。ミノウラの「サドル取り付けボトルホルダー」をサドルのレールに取り付け、そのホルダーにボトルケージを取り付ける形です。ただ、革サドルのSWIFTのレールの形状が少し変わっていて、そのままではホルダーがうまく付けられませんでした。そこで少しホルダーを加工しました(エイヤーと力任せに曲げただけです)。
ホルダーの根元から直角に曲げ、レールの水平部(ヤグラを取り付けるところです)にホルダーを取り付けました。結果オーライなのですが、この取り付け法ですと、折り畳んだときホルダーとフレームが干渉する心配がありませんので、グッドです。
ただ、ボトルがサドルの後にあると、走行中にボトルを取ることができません。信号待ちのなど停車時に、すばやく飲むしかありません。夏場は結構辛いですが、Pacific-18など小径車はロードレーサーなどに比べて不安定なので、走行中にボトルを取ることは危険と割り切りました。あと、サドルバッグも付けられませんね。私はフロントに付けるビッグマウスの愛用者なので、問題はありません。