関宿城の南から利根川沿いの大田園地帯をくねくねと流れる水路があります。関宿堀もしくは関宿落(おとし)と呼ばれ用水路・排水路で、関宿城から利根川に沿って田園地帯を南東へ20kmほど伸びています。なんでも関宿藩の船橋随庵という人が、1850年に水害対策や新田開発のために作った堀だそうです。それを農家の皆さんが今に至るまで、大事に利用してきたとのことです。
この関宿堀沿いに走るコースが、この「関宿堀ルート」です。東葛地域北端の関宿城に行ったり、帰ってきたりする際には、江戸川サイクリングロードか利根川サイクリングロードを使います。関宿堀ルートは、こうしたサイクリングロードをエスケープするために、私が見つけたコースです。強烈な向かい風の中を、吹きさらしの土手のサイクリングロードを走るのは辛いものですが、このルートなら風は穏やかですし、変化に富んだ道ですので精神的にも楽。景色を楽しみながら走ることができます。
この関宿堀ルートのポイントは、途中県道7号へ押し出された時、いかに関宿堀沿いの道に戻れるかです。そこさえクリアできれば、関宿堀の両岸の道をうまく使い分けることで、ずっと気分良く走ることができます。
【ルート地図】
【関宿城から関宿堀を目指す】
関宿城から関宿堀へ向かうには、城前の駐車場から左カーブしながら伸びる道路を一気に下ります。途中までは利根川サイクリングロードへ向かうコースと同じです。
気持ちの良い坂を下り、しばらく走ると信号機のあるT字路が見えてきます。その手前の道を左に行くと、利根川サイクリングロードや茨城県方面に行けますが、ここはT字路まで行って右折してください。
T字路を右折すると、すぐに信号機にぶつかります。ここを左折してください。そうすると左手に関宿堀が見えてきます。ここからしばらくは、ばば広い、ほぼ一直線の農道が伸びています。ここを南下しましょう。
【県道7号へ押し出されるまで】
関宿堀の東側を走る農道は、本当に快適です。道路が幅広いのですが、自動車はそれほど通りません。田園風景を満喫しながら、気持ち良く走れます。ただ、たまに高速道路を走っているかのような猛スピードで通過するクレージーな自動車がいますので、注意を怠らないようにしましょう。
4〜5kmほど走ると、この農道も終了です。さてどうするかですが、関宿堀沿いを走るコツは、道が尽きると対岸に移ることです(これから先もその繰り返しです)。この場合、左折して橋を渡りましょう。渡ったら、神社の手前を右折できる道がありますので、そこを走りましょう。
ここからは、しばらく関宿堀を離れます。旧関宿町の農家の間を抜ける道をしばらく走ると、やがて再び関宿堀に合流します。それから間もなく、目の前にダートが見えてきます。当然、ここは橋を渡って対岸に移動しましょう。
対岸に渡ると、とても気持ちの良い道があります。そこを走っていると、すぐに関宿堀から離れていきます。ここは道なりに進みましょう。そうすると、どちらに進むか迷うY字路が現れます。実は、どちらを走っても県道7号へ出るしかないのですが、ここは分かりやすく、左の道に向かいましょう。
やがて道は、県道7号につながります。この辺りです。ここは素直に県道7号に出て、県道7号を南下してください。ここまでは、率直に走れば全く迷いません。
【県道7号から関宿堀に戻る】
さて、県道7号に出ました。野田市の南側では幹線道路で交通量が激しい県道7号も、この辺りでは単なる田舎道です。自動車もあまり通りませんので、しばらく走ることにしましょう。
県道7号に合流したところで、うしろを振り返ると、左手に「中島電気商会」の看板を掲げた建物が見えます。関宿堀ルートを逆に北上してきた場合、ここを目印にしてください。
県道7号を走っていると、途中、両脇に牧場があって、牛たちがのんびとくつろいでいるのが見えます。とても幹線道路とは思えないのどかな光景です。
県道7号を2kmほど走ると、バスの停留所の後に「ねじ」の看板が見えてきます。ここを左折して、関宿堀沿いの道に戻りましょう。「ねじ」の看板はとても目立ちますので、見落とすことはないはずです。この辺りです。
関宿堀に戻る道は、とても舗装道とはいえないぐらいひどい舗装状況です。ただ、道なりに走ればよく分かりやすいですので、スピードを落としガマンして走ってください。
道は下り坂になり、ちょうど下総利根大橋有料道の橋の下で、関宿堀沿いを走るきれいな舗装道に接続できます。
【大沼を越えて走る】
再び関宿堀沿いの田園地帯の風景を楽しみながら、しばらく走ります。やがて道は未舗装になりますので、その前のT字路を左折して関宿堀の反対側の道に移ってください。
関宿堀の反対側の道も気持ちの良い一本道です。やがてこの道も未舗装になりますので、右折して橋を渡って関宿堀の対岸に渡りましょう。
ここは橋を渡っても、関宿堀沿いに道がありません。でも大丈夫です。写真に見える家の向こうに左折できる道があります。そこを走って下さい。ところで、この写真の道を真っ直ぐに行くと江戸川サイクリングロードに出ます。実はこの道、「江戸川-利根川接続道」としてご紹介しているエスケープ道です。詳しくはこちらをどうぞ。
左折して、この道を走ってください。すぐにこの道は関宿堀に接近していきます。
しばらく走ると、右手に大きな池が見えてきます。「大沼」と呼ばれるため池で、いつも釣り人を見かけます。フナかバスが釣れるのでしょう。一見すると普通の池ですが、夕暮れ時などは結構美しく、関宿堀ルートの中で、私が好きな風景の一つです。ここを通り過ぎると、またひどい舗装状況の道になりますが、ガマンして走ってください。
この写真ではよく分かりませんが、大沼を過ぎしばらくすると道は未舗装になります。その手前の橋を渡って対岸に移動してください。ただし、対岸に行っても、今回はそちらの道も未舗装道ですので、工夫が必要です。
【水辺公園を過ぎ利根川サイクリングロードへ】
橋を渡っても反対側の道が未舗装です。そこで、さらに向こうの道を走ります。左手の方にビニールハウスがありますので、その手前で右折しビニールハウスの脇を通り過ぎて、突き当たりのT字路を右折してください。それから先は、ひたすら一本道です。
ここからは気持ちの良い田舎道が続きます。このまましばらくは道なりに走ればよく、説明も不要です。この関宿堀ルートの中で、私が最もお気に入りの一帯です。
やがて右手に見えてくるのが、「小船橋水辺公園」です。草茫々の公園ですが、その分、野趣があります。トイレもあるので、休息にはよいでしょう。
やがて道は利根川の土手に接近します。土手の下の道は舗装されていますので、しばらく走りましょう。もちろん、この辺りで土手に上がり、利根川サイクリングロードを走り始めてもよいでしょう。
利根川の土手に沿って走る道もすぐに未舗装になります。いよいよ土手に上がるかというところですが、右側を見ると関宿堀の対岸に渡る橋が見えます。この橋を渡って左折すると、さらにしばらく関宿堀沿いを走ることができます。
いよいよ、この道も未舗装になり、関宿堀自体も目の前の「船形揚排水機場」で終了です。目の前の橋を渡って土手を上がり、利根川サイクリングロードを走りましょう。関宿城から20km弱、利根川サイクリングロード野田区間のおよそ3分の2をエスケープしたことになります。
【エクステンション〜利根川CRを使わずに利根運河へ】
実は、関宿堀ルートが終わっても、利根川サイクリングロードを走らずに南下し、利根運河まで行く方法があります。関宿堀ルートの橋まで来たら、橋を渡って土手に上がらず、橋の手前を右折するのです。この道は水田のど真ん中を貫いていますので、突き当たりまで走り、そこを左折することで、再び田舎道を南下することができます。ただし、超マニアックなルートです(笑)
水田を貫く道を突き当りまで走ると、左の写真のような突き当たりにたどり着きます。ここを左折すると素晴しい道路が現れます。この道路は自動車がほとんど通りませんので、気持ち良く走れます。
再び突き当たりになりますので、ここを右折してください。後は道なりに走ります。気持ちの良い田舎道が続きます。
しばらく走ると三度突き当りにたどり着きます。ここも右折します。そうすると、すぐに左に行く道が見えます。ここを左折して、その道を走ってください。
そのまま道なりに走ると、やがて県道7号とぶつかります。左折して少し行くと、県道3号との交差点、目吹の交差点にたどり着きます。
この交差点を渡って、左折してください。しばらく歩道を走らせてもらいます。この歩道、人が全くと言っていいほど通りません。そして100mほど走ると、右折できる道が見えますので、右折してその道を行きます。
野田南部の利根川沿いの田園地帯を走る道です。南側の斜面林のそばを走ります。
しばらく走ると、並走していた農道が曲がってきて、この道と交差します。ここを右折してください。この農道を走る自動車は随分飛ばしていますので、くれぐれもご注意ください。右折すると軽い上り坂で、やがて左折できる道が見えてきます。少し分かりにくいのですが、ミラーを頼り左折してください。
左折すると、やはり上り坂。やがて突き当たりになりますので、そこを右折して下さい。
しばらく走ると、少し広い道路に合流しますので、右折してください。やがて「ヤマザキパン」の看板を掲げた食品店が現れます。ちょうどそこに左折できる道があります。ここを左折です。
県道7号に並走するように走るこの道路は、かなりの道幅があるのに、ほとんど自動車が走りません。二度アップダウンを繰り返す田舎道で、周りの風景もとても良いです。ただ、舗装状況は劣悪で、ロードレーサーで下りのスピードに乗って走ると、結構辛いことになりますので、ご注意を。
そして、この道もやがて突き当たりに。ここは左折して下さい。
道なりに右へとカーブし、しばらく走って左を急カーブするところまで行ってください。その急カーブの手前に右に入れる小道がありますので、右折してその小道を走ります。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、看板と自動販売機を目印にすれば大丈夫です。しばらく道なりに走ると、広い道路にぶつかります。ここを左折すれば最終ゴールはすぐそばです。
広い道路を気持ち良く下ると、やがて利根川の土手が見えてきます。そして、上り坂を駆け上がったところが、利根川サイクリングロード野田区間の南端の合流点です。この後は、利根川-利根運河接続道を使って利根運河に向かうことができます。
これで関宿城から一度も利根川サイクリングロードを使わずに、利根運河までたどり着くことができました。皆さん、お付き合いありがとうございます。このルートの後半は超マニアックですので、汎用性はあまりないかもしれません。ご興味のある方だけ、チャレンジしてみてください。
ただ、この説明だけではたどり着くのが難しいかもしれません。そのうち、地図も作ってみます。