漫画の思い出

著者別「こ」

高信太郎
『超日本むつかし話』 
小池一夫
『サハラ』(+平野仁)
 恐いおねえさん方の物語だが、川崎三枝子のような男性不信とは無縁だ。当時、ウーマン・リヴというのがあって、それらしい女性がこの作品のファンだったが、誤読だと思う。
 この作品に登場する女たちは、どんなに恐そうな顔をしてみせても、ちらりと哀愁を漂わせてしまう。『サソリ』のナミのような、まがまがしい顔ではない。グラマラスな肢体は男の眼を誘うという事実を始末する気がない。やたらと裸になるのは、彼女たちの癖ではなく、場所が場所だけに無茶暑くてさ、というんでもなくて、単なる読者サーヴィスなのだが、いやいや、そうとばかりは言えないぞと、男どもが勝手に解釈して楽しむ仕掛けだ。

『青春の尻尾』(+平野仁)
 孔明修業時代の物語ということになっている。彼は、性行為によって精霊を操る。『蒼天航路』にも通じる、東洋的ロマンティシズムか。
 見せ場は、言うまでもなく、そのシーン。童顔の孔明と小粋な鬼女の交合に、ほんわかと懐かしいような色気が感じ取れたら、儲け物。

『御用牙』(+神田たけ志)
江戸時代版『ダーティー・ハリー』?か。鳥居耀蔵?が絡み出してから、俄然、面白くなる。

『クライング・フリーマン』(+池上遼一)
池上の絵の美しさは、この作品で完成した。黒木香がモデルらしいヒロインの色香には、独特のものがある。TVに出ていた頃の黒木は、壊れそうな美しさに輝いていた。晴舞台は、「朝まで生テレビ」だろう。後に、本当に壊れたという噂がある。
小島功
『おシャカ坊主列伝』
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小山ゆう
『おれは直角』
 『おれは鉄兵』の時代劇版。
 欧米の子供には、小説家が『小公子』のような作品を大量に供給してくれるが、日本では、漫画家がその仕事をしてくれているわけだ。


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