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<第10章>

救援物資の配布





私が担当した仕事の1つ、救援物資の配布作業(第9章A参照)についてお伝えします。 
 
救援物資の配布については、【避難所内の避難住民さんのみを対象とするもの(Aタイプ)と【避難住民さんとその周辺地域住民さんを対象とするもの(Bタイプ)の2種類がありました。 
 
Aタイプの配布作業 その1 について
救援物資の下着の仕分けをしたことがありました。
避難所内の避難住民さん(当時約1000名)にお配りするための下着(シャツ、パンツ、パッチなど)を、男性 or 女性用の各品目別に分類→サイズ別に分類→検数→最終区分された品目ごとに段ボール箱に詰める→各段ボール箱に内容物(男性 or 女性用別品目&サイズ)とその個数を記入する
この作業を、行政さん1人と私を含む4人のボランティアがしました。 
それらの数量は覚えていませんが、とにかく大量でした!(笑)
 
Aタイプの配布作業 その2 について 
避難所内の住民さん全員に、整理券制でGパン1着が配布されることになりました。
住民さん達はGパンの配布会場である学校の特別教室(校舎3階)まで来て、各サイズ別に並べられてあるGパンの中から自分に合いそうなサイズのもの男女共通 色もデザインも全て同じ)をピックアップ&試着(準備室にて)し、試着後、整理券と引き換えにGパン1着を貰うことができました。
ボランティアの私はその際、整理券の回収をしました。
必要に応じて、私が試着のお手伝いをすることもありました。 

この配布の準備に当たって、Gパンのサイズが豊富であった分、1000名もの住民さんの数をはるかに上回る大量のGパン(重量が相当!)が階段を使って校舎の3階まで運び込まれたのですが、それには、行政さんと男性ボランティア数人が担当されて、その人力による荷役作業がかなりの重労働だったと、担当の行政さんから聞きました。 

Gパンに馴染みのないご年配の住民さんが多かったからでしょうか、配布のGパンを受け取りに来られない住民さんが多く、予想外に在庫が余ってしまいました・・。
「また片付けの荷役作業が大変になる〜!
(≧▽≦;)」と、その行政さんは嘆いておられました。 

尚、それらのGパンは、確かジーンズ輸入代理店からの無償提供によるもので、1本が7000円相当の商品とのことでした。 
もちろん、救援物資ということで無料にて配布されましたが、裾あげのサービスはありません。 
私を含むボランティア全員にもGパンが支給されました。
 
Bタイプの配布作業について
Aタイプの配布作業が単発的であったのに対し、Bタイプの配布作業は常設でした。
サッカーゴールに青いビニールシートを被せ、その中に学校の備品であるスチールロッカーや教室机を配置した、いわゆる縁日の屋台のような仮ごしらえの配布テント(通称)が グランドに1つ設置されていました。
その配布テントで、私を含む数名の女性ボランティアが交替で 週7日の毎日午前9時から午後4時まで、周辺地域住民さんを含む被災者の皆さんに救援物資を配布していました。
 
仮ごしらえの配布テントの開店と閉店はちょっと大変!
開店時には、青いビニールシートの紐をほどいてビニールシート製のお店のシャッター??(笑)を開け、スチールロッカーや机をサッカーゴールの中から引っ張り出し、屋台のお店を作ります。
閉店時はその逆で、サッカーゴール内にロッカーや机を入れ、サッカーゴールの屋根に巻き上げていた青いビニールシートを下ろして、配布テントの入り口を紐で縛ってふさぐのですが、それらの作業、女性ボランティアにとってはちょっと大変でした
しかしながら、その急ごしらえの配布テントは、雨&風に負けない“創意工夫の逸品”でした!
それを作られた方は同学校の用務員さんなのですが、有り合わせの材料から何でも器用に作られ、学校の先生方も、その方の知恵と工夫にすっかり頼っておられました。
創意工夫の能力、混乱期の避難所においては、実に重要な力になります!!
 
同テントで配布していた救援物資は↓のとおり。 
お弁当、パン、飲み物、カップ麺、魚肉ソーセージ、お菓子、缶詰、果物、栄養剤、飲料水(ペットボトル入り)、使い捨てカイロ、マスク、軍手、タオル、石鹸、シャンプー、歯ブラシ、栓抜き、電池、靴、衣類、紙おむつ、整理用ナプキン、県外のボランティア団体が送ってくれた手作りの小物、住民さんが持ち寄った古本等。 
 
配布テントへの救援物資の入荷は時間帯も数量もマチマチで、ボランティアは 行政さんが随時運び込んでくださる物資の入荷量を見ながら、その場で即、住民さん1人分の配布個数を決めていました。 
お弁当など、日持ちのしないものが昼食時を過ぎてたくさん入荷したときなどは 早急にさばき切ってしまいたいため、その配布個数を多めに設定したり、また、その逆の場合は少なめに設定していました。 
原則として、救援物資を1人でも多くの被災者に配布するため、1人分の配布個数は少なめに設定していました。

尚、救援物資を避難所に搬入していたのは、各社宅配便業者でした。 

  

  

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