圧着工具と圧着端子、ボルトのお話

 アーシングでは、端子のついたケーブルをボルト等で効果的と思われる場所にとめていくわけですが、○○用という出来合いのセットを買うかケーブル、端子を購入して自作するかの2通りが有ると思います。
 私は、お金も無いので後者で色々試行錯誤しながらやっています。その方が楽しめますし。

圧着工具の使い方
 ・別に何も難しくはありませんが以下のような様子です。
圧着端子(丸型)にケーブルを通します。
  まずは、圧着端子(丸型)にケーブルを通します。私の圧着工具は、扱えるMAXの太さが8sqなので、いつも8sqのケーブルを使用しています。もっと太いケーブルもありますが、工具が高くなるしそれ程の意味も感じないので8sqで十分だと思ってます。
  端子は、8−6、8−8、8−10を良く使い、中でも8−8が一番使います。数字の意味は〔圧着するケーブルの太さ〕−〔穴に通すボルト径〕です。8−8であれば、8sqケーブル用8mmボルト対応端子ということになります。
  その端子に、ケーブルを挿します。被覆のある場合は剥いてから差込みます。
圧着工具に端子をセットします
  圧着工具を開き、ケーブルの入った端子をセットします。この際、工具に太さ別の印が付いているので、サイズにあった正しい窪みにはめてレバーを握り、端子に軽く咬む程度まで握ります。
  なお、圧着工具の種類にも寄るかも知れませんが、この工具は完全に圧着するまで一度進めた圧着動作を途中でやめて開くという事はできません。はじめたら完全に潰すしかないのです。(タイラップのように一方向にのみ動きます)
工具が自動的に再開するまで握りきります。
  握りきると、完全圧着の証明として、圧着部に「8」という数字が刻印されます。5.5sqなら「5」でした。

端子とケーブル
 ・良く使う端子とケーブルです。
圧着端子
 アルミ製です。本当は金メッキの方が良いのでしょうが、アルミもなかなかの導通性と聞いております。
 左から8−6、8−8、8−10です。一般的には8−8を良く使います。マフラーなどは大型のボルト(M10)を使っているので8−10を使います。前にも書きましたが、数字の意味は〔圧着するケーブルの太さ〕−〔穴に通すボルト径〕です。

 私は、ホームセンタの電気用品売り場でGETしています。4つ80円とか、そんなもんです。

当然ながら、全部8sqケーブル用なので、ケーブル差込口の大きさは同じ。

ケーブル
 私は工具の関係で8sq派です(そんな派閥があるのか?)。
 ケーブルは被覆のあるものをメインに、特に高熱にさらされる部位には平編裸銅線を使用します。被覆ありのものも耐熱仕様になっており、確か105度までOKだったとおもいます。
 特に注意もありませんが、平編裸銅線は擦れるとヤスリの様な働きをしてしまうので、擦られて困るような部位を通すのであれば、何らかのカバーを考えないといけません。
 なお、この他、収縮チューブというものを使うことがあります。これは熱を加えると縮むチューブで、被覆ありケーブルに圧着端子をつける際に、端子とケーブルの間の被覆を剥いた部分を保護する目的で使用します(と思います)。私は、100円ライターであぶっています。これをするときには、順番を考えて先に収縮チューブを通しておかないと、端子をつけたあとではチューブを通せなくなる恐れがあります(数回経験あり)。


 ・チューブを通しておいて圧着→境目へチューブ移動→ライター等で加熱して収縮させる。今回は、あぶりすぎて焦げた・・・。

ボルトについて
 アーシングでは、現状付いているボルトを利用してケーブルをつけることが多いですが、その他サービスホール(整備点検等用のネジ穴)やオプション用、他社との共用部品による空き穴等を利用して取り付けることもあります。その際には、市販のボルトを購入して利用するわけですが、当然ながらサイズがあります(当然!)。そのサイズの見方についてご説明します。知っている方は飛ばしてください。
ボルトはサイズ+ピッチ
 ボルトにはサイズがあります。M6とかM8とかいう呼び方をされたり、単に8mmのボルトのように呼ばれたりしますが、ボルトのサイズを定義するのは、主に次の3点です。
●ネジ径・・ネジ部分の最大幅。頭を下にして置いて上からネジを見たときの直径(余計わかり辛いか・・)
●首下の長さ
・・ネジ部分の長さ。頭部分を含まない。ネジの深さ(また余計・・)
●ピッチ・・ねじ山の間隔。ねじ山の細かさ。

 実際に見てみると、左の写真は、両方ともM8(8mm)のボルトです。実際問題、車いじりで一番回す機会の多いボルトです(私は)。で、黒はM8×16mm、シルバーはM8×15mmとなっています。要は、黒のほうが1mm長いだけのねじ・・、ではありません。良く見れば、ピッチが違います。黒は1mmピッチ、シルバーは1.25mmピッチです。たった0.25mmの差ですが、全く別物のネジとなります。
 したがって、サービスホール等空いているねじ穴を使ってアーシングケーブルを接続する場合に、「M8だから」とピッチの異なるものをねじ込むと・・・、ネジ穴ボロボロ工具悲鳴ボルト切断なんてことにもなりかねません。
 とりあえず手で回してみて無理なくまわるかどうか確認してから改めて工具を使って締めなおす程度の注意が必要です。
 ちなみに、このピッチの差が出てくるのはM8以上の太いボルトのみとなります。それ以下の、例えばM6とかは、1mmピッチしかありません。
 さらには、ボルトのサイズをあらわす数字に「二面幅」というのが有ります。これは、ボルトの頭、六角形部分の対辺の距離を現します。イコール、工具(メガネレンチ、ソケットレンチ等)のサイズです。
 例えば左の写真の二面幅は13mmです。従って、13と書いてあるレンチで回します。私は、この13番レンチを実に重点的に使用しております。
 長すぎるボルト、ピッチの合わないボルトの使用は、最悪ネジ穴からの亀裂破壊にもつながりますので、十分注意して楽しみましょう。



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