【フロントブレーキ】
 今、Pacific-18での悩みの種は、走行中のチェーンの脱落と前ブレーキのチャリチャリ音。チェーンの脱落はチェーンカバーのないシングル・チェーンリングにしたときから覚悟の上で、外れれば直せばいいだけです。一方、前ブレーキのチャリチャリ音は高速走行で発生し、興ざめになるので何とかしたいところです。

 前ブレーキ、その上に付いている簡易サスペンションのスプリング当たりで発生するチャリチャリ音はBD-1系の折り畳み自転車の大きな欠点の1つです。改造前はブレーキのバナナがスプリングと干渉し、ときどきですが結構なノイズを出すので閉口していました。

 改造後は、この干渉がなくなりましたが、代わってブレーキそのものが振動で発するチャリチャリ音が気になり始めました。Vブレーキを台座に固定する部分はVブレーキのアームの支点でもありますので、スムーズな動きを確保するために多少遊びがあります。BD-1は構造上、アームが道路の凹凸をもろに受けて激しく振動する結果、この遊びの部分がチャリチャリと音を立てるのです。

 実は、ブレーキを前後とも、シマノの小径車用のCapreo(カプレオ)を導入したのですが、前ブレーキについては失敗。Capreoのブレーキはさきほどの遊びが大きいらしく、低速で走ってもひどいチャリチャリ音が出ます。私だけかと思っていたのでが、ネットで調べてみると同じような症状を訴える方が大勢いらっしゃいました。

 あのシマノがBD-1をターゲットに作ったというのに、これはどういうことでしょうか。デザイン的にはPacific-18やBD-1にマッチして気に入っていたのですが、残念です。ということで前ブレーキは、比較的チャリチャリ音がしないということなので、とりあえずDEORE(ディオーレ)に変えました。

 DEOREに変えて、確かにノイズは緩和されました。しかし、高速走行時や悪路では大きな音を立てます。いずれ抜本的な対策を考えたいと思っています。

 ちなみに、ブレーキパッドはKOOL STOP(クールストップ)のものに変えました。かなりの長さを持つパッドです。パッドの前側がドライコンディション用の材質、後側がウェットなどハードコンディション用の材質だそうです。黒と赤に色分けされており、とてもお洒落です。それと、Vブレーキのガツンと来る利きが嫌なのでバナナのところにモジュレータを入れてあります。

 ブレーキの後ろに見えるのは、トレロックのサイクルコンピュータのセンサーです。ブレーキの上のサスペンションのスプリングは、ノーマル(黒)からハード(赤)に変えました。しかし、まだ柔らかすぎる感じがします。リアサスペンションも赤のスプリングに変えたことで、コーディネートできました。




【リアブレーキ】
 リアブレーキはシマノのCapreo(カプレオ)です。リアブレーキは角度の加減か、チャリチャリ音がほとんどしないので、Capreoを使い続けています。ごらんの通りCapreoは、小径車用らしく他のVブレーキに比べ小ぶりで、Pacific-18にとてもよく似合います。それだけに、小径車向けブレーキとしての出来の悪さが残念です。

 ブレーキパッドはKOOL STOP製品です。Capreoのオリジナル・パッドは、シマノによると小径車に合わせて通常のVブレーキのものより小ぶりにしたとのことですが、私には単にロードレーサー用のパッドを流用したようにしか見えません。Capreoは駆動系については高品質らしいのですが、ブレーキ系統は手抜きに近いとしか評価できませんね。




【パワーモジュレータ】
 Pacific-18では、前後ブレーキにパワーモジュレータを入れています。折り畳み自転車でもガツンと効くXTなどパラレルプッシュ型のVブレーキを愛用されている方が多いようですが、私の好みは全く逆です。ブレーキング・スキルに乏しい私は、通常のVブレーキでも小口径車のPacific-18ではタイヤ・ロックを引き起こし、何度か怖い思いをしました。そこで、ブレーキレバーからブレーキ本体への力の伝わりを緩和するパワーモジュレータを導入したわけです。

 このパワーモジュレータはTEKTRO製で、Vブレーキのガイドパイプの替わりに使います。安物ですが、使用感はとてもいいです。クールストップの大きめのブレーキシューと相まって、力を入れた分だけ、ブレーキがギューと効いてくるようなリニアな使用感が得られます。タイヤ・ロックもほとんど起こらなくなりました。




【チャリチャリ音の解消について】
 大改造したPacific-18には、2つの問題がありました。1つはチェーンがしばしば脱落すること。これは、リアディレーラをロングケージのXTからミドルケージのXTに変えることで嘘のように解決しました。そして、最後の課題がフロントのVブレーキから発するチャリチャリ音でした。

 フロントのVブレーキのチャリチャリ音は、Pacfic-18とVブレーキの構造上の問題です。Vブレーキを台座に固定する部分はVブレーキのアームの 支点でもありますので、スムーズな動きを確保するために多少遊びがあります。Pacfic-18は構造上、アームが道路の凹凸をもろに受けて激しく振動す る結果、この遊びの部分がチャリチャリと音を立てるのです。

 特に、シマノの小径車用のCapreo(カプレオ)を導入したときが最悪。Capreoのブレーキは小口径車用なのに小口径車には最悪。さきほどの遊び が大きいらしく、低速で走ってもひどいチャリチャリ音が出ます。そのノイズに耐えかねて、フロントはDEOREのVブレーキに交換しました。しかし、それ でも高速走行時にノイズが出ます。いっそうのことロードレサー用のデュアルプルに変えようかとも思っていた矢先、劇的にこの問題が解決しました。

 実は、MTBのAttitudeXを買った際に、サイクルサービスおおやまの店長にチャリチャリ音を消すノウハウを教えてもらったのです。というか、 やってもらいました(苦笑)。方法は簡単。写真のように、DEOREやCapreoやシリンダー(黒い部分)を両側から挟み、全体を満遍なくかしめていけ ばよいのです。ブレーキの動きは多少渋くなりますが、それはグリスアップで補いましょう。

 Pacfic-18やBD-1をお持ちの方で、私のようにVブレーキのチャリチャリ音にお悩みの方は是非試してみてください。ただし、写真はイメージ図です(笑)。実際にかしめる際には、小型のモンキーレンチを使った方がよいみたいです。


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