(8  過去14日間に受けた医療について)
 

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Q & A
8−0 全般
@「特別な医療」の考え方

1 麻痺性イレウスをおこし易い対象者が、看護職員によって排ガスのコントロール(ガスが溜まると腹部が膨満してくるので、その時点で肛門部にチューブを挿入し、排ガスを促す処置)を行っていますが、この場合、調査票の記入は「8−8 疼痛の看護」あるいは「8−12 カテーテル」のどちらを選択し、「特記事項」に記載するのですか。

当該行為は、どちらの選択枝にも該当しません。なお、「特別な医療」の12項目に該当しないのであれば、「特記事項」に記載することを要しません。

2 家族が行った医療行為についてはこの項目に該当しないとされていますが、これらの行為は、どのように評価するのですか。
例えば、膀胱洗浄や吸引、痰吸などを家族が行った場合の扱いは、どのようにするのですか。

家族が行った医療行為を直接評価する項目ではありません。

3 診療補助行為として継続して疼痛の為(鎮痛剤)の点滴をしている場合、「8−1 点滴の管理」と「8−8 疼痛の看護」の両方に該当すると判断してよいのですか。

医師の指示に基づき診療補助行為として継続して行われているかどうかに基づき判断します。それらの状況に応じて双方に該当する場合はありえます。

4 酸素療法のためのレスピレーターでは、「8−6 レスピレーター」だけを選択すればよいのですか。

医師の指示に基づき診療補助行為として継続して行われているかどうかに基づき判断します。それらの状況に応じて双方に該当する場合はありえます。

5 中心静脈栄養を受けている対象者が、三方活栓により点滴も継続的に実施している場合、該当項目としては「8−1 点滴の管理」、「8−2 中心静脈栄養」の2項目を選択してよいですか。

医師の指示に基づき診療補助行為として継続して行われているかどうかに基づき判断します。それらの状況に応じて双方に該当する場合はありえます。 

6 週3回透析を実施している高齢者が、その症状や体調により透析の際にシャント部分に、透析をスムーズに行うために点滴(電解質)を連結し補液したり、モニターを装着している場合は、「8−1 点滴の管理」、「8−3透析」、「8−10 モニター測定」のそれぞれの項目に該当すると判断してよいですか。

医師の指示に基づき診療補助行為として継続して行われているかどうかに基づき判断します。それらの状況に応じてそれぞれに該当する場合はありえます。

7 14日以内に管理されている特別な医療の管理とはどこまでをいうのですか。
例えば、医師の指示でカテーテルを使用していますが、看護婦の処置は月に2回でたまたま14日以内に処置されていない場合、医師の指示で使用しているので管理下であると判断し選択するのですか、処置が行われていないと判断し選択しないのですか。

要介護認定における継続の定義を、14日以内に行われているかどうかにおいているため、14日以内に行われていない「特別な医療」をあるものと見なすことはできません。
ただし、14日以前に受けたものであっても、現在の介護状況に影響を及ぼすと考えられるものについては、「特記事項」に記載します。

8 調査時点で入院中であり、点滴等特別な医療行為に該当する行為がなされているが、その後継続されないことを確認できる場合、該当しないと理解してよいですか。

該当しないと判断します。

A医療機関等への問い合わせについて

1 正確な調査を行う目的で医療機関などに、どのような処置を行っているのか、問い合わせてよいのですか。

「過去14日間に受けた医療」については、調査対象者、家族等介護者からの聞き取りによって判断します。医療機関等は、守秘義務の問題及び治療上の必要から治療内容の告知を行っていない場合があるので、適切ではありません。

2 訪問看護ステーションへの問い合わせを行ってもよいのですか。

「過去14日間に受けた医療」については、調査対象者、家族介護者からの聞き取りによって判断します。医療機関等は、守秘義務の問題及び治療上の必要から治療内容の告知を行っていない場合があるので、適切ではありません。

B急性期の医療について

1 過去14日間に、入院している期間があり現在は退院しているケースで、「退院の日まで点滴をして終了した」という場合は、「14日以内に点滴を受けているから該当」と判断してよいですか。「調査の時点では終了しており、継続しているわけではないので該当しない」と判断すべきですか。

継続して実施されているもののみを対象とし、急性疾患への対応で一時的に実施される医療行為は含まれません。
また、調査の時点で治療が終了しているのであれば該当しません。

C処置を行う職種について

1 常時実施している酸素療法、レスピレーター、経管栄養、じょくそうの処置について、医師の指示に基づいて家族が実施している場合は選択してはいけないのですか。訪問看護のサービスが受けにくい状況で家族がせざるを得ない状況の場合はどうですか。

家族の行う類似の行為は該当しません。

2 家族に看護師がいて主治医の指示により、経管栄養、じょくそうの処置、留置カテーテルの処置が看護職により行われている場合、該当すると判断してよいのですか。

診療補助行為として行われているかどうかに基づき判断します。

3 通常医師の指示のもとで看護婦等が行える診療補助行為を、往診時医師がいつも実施している場合であっても、「特別な医療」に該当するとしてよいですか。

診療補助行為として看護師等が実施できる行為を、医師が行っている場合でも該当します。

4 ALSの人の吸引を家族が行っているため、該当項目なしとして、「特記事項」に記載するという対応でよいですか。

通常ALSの場合は、医師の指示を受けた看護師等によって実施される行為があると考えられますので、その状況を聞き取りしてください。

8−1 点滴の管理
@「点滴の管理」の考え方

1 点滴で1日以上の点滴とは持続点滴のことだけでなく、2週間に1回の通院での点滴も入るのですか。頻度は関係ないのですか。

「過去14日間にうけた医療について」を評価する項目です。従って、継続して実施されているもののみを対象としています。2週間に1回の通院であっても、継続しておこなわれていれば、該当します。

2 食事が十分取れないため医療機関で週2回栄養補給のため点滴を受けている場合も該当すると判断すべきですか。

「点滴の管理」が医師の指示に基づき診療補助行為として継続して行われているかどうかに基づき判断します。

A急性期の対応について

1 慢性疾患があり、日頃は安定しているが、急性憎悪の場合の点滴管理は、該当するのですか。また、期間にかかわりなく該当するのですか。
例えば、慢性気管支喘息があり月に1回発作を起こし点滴を行った場合や6ヶ月に1回の場合などです。

「過去14日間にうけた医療について」を評価する項目です。従って、継続して実施されているもののみを対象としています。急性増悪への対応で一時的に実施される医療行為は含まれません。

2 調査対象者は5月より体調不良で入院し、9月まで毎日点滴を受けており、9月末に退院し5日後に、認定調査を実施しました。このケースの場合、「過去14日間に受けた医療」として「ある」とするのですか。それとも、入院中の医療なので「なし」とするのですか。

継続して実施されているもののみを対象とし、入院という一時的に実施される医療行為は含まれません。

3 急に具合が悪くなり点滴が開始され、今後続くかどうか不明の時はどのように判断(基本調査及び二次判定)したらよいですか。

急に具合が悪くなって行われているのは急性疾患への対応であると考えられます。急性疾患の対応で一次的に実施される医療行為は含まれません。

B「点滴の管理」の考え方

1 通院で継続して行われている点滴でも、薬剤の内容(栄養剤も含む)に関係なく点滴の管理が「ある」としてよいのですか。

急性期の対応としてではなく、点滴が継続して行われているのかどうかに基づいて判断します。
本症例のような場合で継続して点滴が行われているのであれば該当します。

2 多発性骨髄腫による貧血が重度で、医師の指示により輸血が2週間に1回行われ、看護師が滴下中の観察等の管理を行っている場合、「点滴の管理」に該当すると判断してよいですか。

急性期の対応としてではなく、点滴が継続して行われているのかどうかに基づいて判断します。
本症例のような場合で継続して輸血が行われているのであれば該当します。

8−4 ストーマ(人工肛門)の処置
@「ストーマ(人工肛門)の処置」の考え方

1 ストーマを肛門の近くに造設している対象者に対し、看護師がそのストーマに対して浣腸を実施している場合、「ストーマの処置」に該当するのですか。

診療補助行為として行われているかどうかに基づき判断し、看護師等によって継続して実施されているのであれば、「4.ストーマの処置」に該当します。

2 胃ろうは、「ストーマの処置」に含まれますか。

「ストーマ(人工肛門)の処置」については、人工肛門が造設されている者に対して消毒、バッグの取り替え等の処置が行われているかどうかを評価する項目です。従って、胃ろうは該当しません。

3 「ストーマの処置」について、状態観察のみを看護師が行っている場合は、「特別な医療」に勘案してよいのですか。

状態観察のみしか行っていないのであれば、該当しません。
ただし、看護師が観察された状態に基づいて何らかの処置を行っているものと考えられますので、その点を含め聞き取り調査を行ってください。

8−5 酸素療法
@「酸素療法」の考え方

1 在宅酸素療法を受けている患者で、血中酸素濃度の定期的なチェック等を訪問看護等によるものでなく、通院において管理されているようなケースの場合、「酸素療法」を「ある」とするのですか、「ない」とするのですか。

「酸素療法」の管理が医師の指示に基づき診療補助行為として行われているかどうかに基づき判断します。
実施場所は問いません。

2 常時自宅に酸素療法の器械は設置されているものが冬季のみ使用し、状態が比較的落ち着いている暖かい季節は使用されてないような場合、「酸素療法」を「ある」とするのですか、「ない」とするのですか。

「過去14日間に受けた医療について」は、過去14日間に受けた医療について評価する項目であり、過去14日以内に受けた医療が、継続して行われている場合に選択します。

A心身等の状況

1 呼吸器疾患を背景疾患として、酸素療法が行われているかどうか評価する項目ですが、がん末期と呼吸不全により酸素療法を行っている場合は、該当しますか。呼吸器疾患が原疾患ではありませんが、がんによる呼吸器症状、呼吸器不全を併発している場合、背景疾患として捉えて「ある」としてよいですか。

呼吸器疾患が原疾患であるか否かにかかわらず、がんによる呼吸器症状、呼吸器不全を併発している場合、該当すると判断します。

8−6 レスピレーター(人工呼吸器)
@「レスピレーター(人工呼吸器)」の考え方

1 人工呼吸器は機種にかかわらず、使用を評価するとありますが、鼻マスク陽圧人工呼吸療法(NIPPV)に鼻マスク式補助換気用人工呼吸器を使用している場合、該当していると判断してよいですか。

該当します。

8−7 気管切開の処置
@「気管切開の処置」の考え方

1 加湿・乾燥予防のためエプロンガーゼを使用していますが、術後かなりの期間を経過しており、気管カニューレも使用しているわけではないので、カニューレ交換、開口部の消毒等の処置は行っていません。しかし、介護保険施設に入っているため、エプロンガーゼの交換は看護師が行っています。この場合、「気管切開の処置」について、「ある」と判断してよいですか。

気管切開の処置として、医師の指示に基づき診療補助行為として継続して行われているかどうかに基づき判断します。

8−8 疼痛の看護
@処置を行う職種等について

1 整形外科の外来で柔道整復師、マッサージ師が医師の指示に基づき疼痛緩和のため物理療法を行っている場合は該当しないと判断してよいですか。

該当しません。

2 整形外科医の指示で、理学療法士の行う痛みのための電気治療は「疼痛の看護」に該当するのですか。

電気治療は当該行為に含まれないため、該当しません。  (変更)

A処置の種類について

1 疼痛軽減の目的で行われているホットパックは含まれますか。

ホットパックは当該行為に含まれないため、該当しません。  (変更)

2 針灸、カイロプラティックは「8−8 疼痛の看護」に該当しますか。

針灸、カイロプラティックは当該行為に含まれないため、該当しません。  (変更)

3 マッサージは疼痛の看護に該当しますか。

さする、マッサージする、声かけを行う、等の行為は含まれません。

4 整形外科等で、腰痛や膝痛等の部分に電気をあてることがありますが、「疼痛の看護」となるのですか。

電気をあてることは当該行為に含まれないため、該当しません。 (変更)

5 疼痛軽減の目的でストレッチをおこなっている場合は、「疼痛の看護」を「ある」としてよいですか。

ストレッチは該当しません。

6 病院では、身体の疼痛に対して枕の位置を変えたり、体位変換することも疼痛の看護ととらえています。実際にそのように対応している場合、「疼痛の看護」に該当すると判断してもよいですか。

体位変換は診療補助行為に該当しません。

10 痛み止めの内服治療は疼痛の看護に含みますか。

痛み止めの内服治療は該当しません。

11 歯科医師の指示のもとに看護婦が、歯周病による歯肉痛の緩和目的で、日に3回10〜15分かけて歯肉ブラッシングを行っている場合、「疼痛の看護」に該当しますか。

歯肉ブラッシングは該当しません。

8−9 経管栄養
@「経管栄養」の考え方

1 医師の指示に基づき、看護師等が栄養剤を流し込む場合は「経管栄養」に該当しますか。

「経管栄養」にかかわる医療行為について、診療補助行為として行われているかどうかで判断します。

2 医師の指示に基づき、看護婦等がチューブの交換を行っている場合は該当しますか。

「経管栄養」にかかわる医療行為について、診療補助行為として行われているかどうかで判断します。

3 栄養は中心静脈栄養(IVH)で摂取し、投薬目的で胃管が留置されている場合、医療行為として「経管栄養」を行っていると判断してよいですか。それとも、胃管の目的が投薬である場合は、「経管栄養」とはみなさないのですか。

「経管栄養」については、栄養の摂取方法として、経管栄養が行われているかどうかを評価する項目です。従って、この場合は該当しません。

8−10 モニター測定(血圧、心拍、酸素飽和度等)
@「モニター測定(血圧、心拍、酸素飽和度等)」の考え方

1 低酸素血症をおこしやすいため、主治医の指示により酸素飽和度のチェックが、携帯用の測定器を用いて、週1回の頻度で訪問看護師により実施されています。調査の定義によりますと「モニター測定」は、24時間以上にわたって継続的に測定されているかどうかを評価するとありますので、この場合は該当しないと考えてよいですか。

該当しません。

8−11 じょくそうの処置
@「じょくそうの処置」の考え方

1 じょくそうはないが、予防的な意味で薬を塗る処置を行った場合は、「特別な医療」の「じょくそうの処置」と判断するのですか。

医師の診断・指示に基づいて処置が行われていない場合は該当しません。

2 調査の時点ではじょくそうは完治していましたが、過去14日間に処置をしている場合は「ある」でよいですか。

じょくそうの処置が継続して行われているかどうかで判断します。
医師の診断により完治しているのであればないと判断します。

3 看護師が継続的に軟膏塗布の医療補助行為を行った場合、「8−11 じょくそうの処置」は「ある」となりますか。

じょくそうの大きさや程度は問いませんが、全くじょくそうがない場合で一般的なじょくそう予防の処置が医師の診断・指示に基づいてされている場合は該当すると判断します。

A心身の状況等

1 医師の診断で「類天疱瘡」と診断をうけ、ガーゼ交換など看護師から処置を毎日受けている場合は、「4−1−イ じょくそう以外の皮膚疾患」を選択し、「特別な医療」の「8−11 じょくそうの処置」には選択しないということでよいですか。

じょくそうと類天疱瘡は疾病が異なるので類天疱瘡の処置を行っていることを理由に「じょくそうの処置」を行っているとは解釈しません。

8−12 カテーテル(コンドームカテーテル、留置カテーテル、ウロストーマ等)
@「カテーテル(コンドームカテーテル、留置カテーテル、ウロストーマ等)」の考え方

1 尿失禁以外の目的で行われるカテーテルは「特別な医療」に該当しますか。

尿失禁への対応としてコンドームカテーテル、留置カテーテル、間歇導尿のいずれかが行われており、その管理が看護師等によって行われているかどうかを評価する項目です。
術後のドレナージや、その他の目的のカテーテルは含みません。

2 「自宅で自己間歇導尿をおこなっており、訪問看護師が口頭で状況を尋ねている場合、該当するのですか。

診療補助行為の状況を尋ね、管理を行っている場合に該当します。

A心身の状況等

1 膀胱ろう(ぼうこうろう)造設の手術をしており、採尿バックを使用しています。管理は、受診して行います。この場合については、「8−4 ストーマの処置」の項目、「8−12 カテーテル」の項目のどちらかに該当しますか。

膀胱ろうは「12.カテーテル」に含まれます。ただし、その管理が看護師等に行われている場合に限ります。

2 腎ろうは「カテーテル」に含まれますか。

腎ろうは「8−12 カテーテル」に含まれます。ただし、その管理が看護師等に行われている場合に限ります。

3 胆管カテーテルの消毒等の処置が訪問看護師によって行われている場合(14日以内)、該当する「特別な医療」はありますか。該当しない場合は、「特記事項」にのみ記載すればよいですか。

特別な医療におけるカテーテルは尿失禁への対応としてのカテーテルを想定しています。

4 結石による尿閉の改善のための場合は、「カテーテル」に含まれないものと解してよいですか。

急性疾患の対応として一時的に実施されているものは含みません。

(変更なし)

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