最終更新H17.6.19
スパークプラグの交換
スパークプラグは、シリンダー内の混合気に火花を飛ばして着火させる大切な部品。ただ、通常あんまり気にしない部品でもある(私は)。しかし、プラグ交換による効果を聞いてしまったので、ココはいっちょ、換えてみるかとなりました。
しかしながら、レガシィは水平対抗エンジン。プラグへのアプローチは、結構遠い道のり・・・。
事前準備1
マルチプラグ?


※これら電極を複数持つプラグは、ターボには適合しない場合が多いみたいです。

※また、日本未発売モデル、日本車の適合が不明確なものが多いので、くれぐれも自己の判断=責任に基づき使用願います。


今回、交換したいと思ったプラグは、「マルチプラグ」(というのかどうかは知りません)。ふつうのプラグは「+」が1個「−」が1個の電極が付いていて、その間をスパークが飛ぶようになっています。
ところがつけようと思ったプラグは、「+」が1個は同じですが、「−」電極が4つもある代物。独逸製BOSCHのプラチナ+4というプラグです。
ふつうのプラグ PLATINUM +4
電極が4つあるから常に4つの火花が飛ぶ、ということではなくて、混合気渦巻く燃焼室の中で一番状態の良い電極にスパークが飛ぶようです。
それにより、常に一番強いスパークが発生し、しかも電極の磨耗が少なく長寿命で、火花ギャップ調整や取り付け時の電極の向の調整が不要です。
走りについては「加速性能の向上」「燃費改善」などの効用があるとの事です。
私の特に期待する部分は、「トルクアップ」と「燃費向上」、そして水平対抗エンジンの弱点である「カブリ防止」です。一度カブッて全くエンジンが掛からなくなったもので・・・。
<他にもあるマルチプラグ>
BRISK(ブリスク) 販売店HP
BOSCH+4に似ていますが、こちらは球面にスパークが飛ぶらしいです。「良い」という人と「良くない」という人がいるようです。ただ、トルクアップ効果は抜群らしいです。
HPによれば、
「通常のプラグは空中放電タイプですが、ブリスクLGSは球の表面でプラズマ放電する革新的なタイプのスパークプラグです。燃費もよくなり、違うエンジンになったようなフィーリングが味わえます。
プラズマスパークプラグのコンセプトは次のふたつです。
第一、燃料をきれいに燃やす
第二、その結果排気ガスがきれいになって出力があがる。」
隠れた技術大国チェコの生んだ異色の発明品、だそうです。
TOA 「360°×3」
日本製マルチプラグ。HPによれば、
「革新的世界特許=無死角マルチ点火方式による完全燃焼で、エンジンの出力限界をクリアー!プラグ交換だけでパワーアップを即体感!パワーアップによるアクセル開度の減少で確実に燃費の向上が計れます。もうチューンアップはマニアだけのモノではありません!!」とのことです。
気になるのは、耐久性と、激しい乗り方をするとヤバイという噂。あくまで噂で確認したことは無いです。
事前準備2
 適合調べ
何種類かあるマルチ系プラグの中からBOSCHのPLATINUM+4が良いな、と思ったのは、所属するNAレガシィのメーリングリスト(NAML)で実使用のインプレッションが流れ、安心して効果が期待できそうに感じたからです。●トルクアップ効果があると言うことと、●マイナス面(エンジン不調、微振動等)が感じられないということ。しかも安いとくればボンビーの私も逝くしかないな、と。
で、困ったのが適合品番探し。何せ日本未発売モデル。私としては、以下のような3重のチェックで納得してPLATINUM+4の品番「4417」を適合としました。完璧ではないですが、「まあ、大丈夫でしょう」と納得して購入しました。
NAMLメンバーからの助言 BE5Cに実際に取付、使用していたユーザより「4417」だった、との助言を何名かから頂いた。
プラグメーカー各社HPを利用した適合検索 BOSCH USAのHPの適合検索から調べたら、レガシィの適合はEJ25しか出てこない。ならば、と他社のプラグHPでEJ25とEJ20のプラグの違いを見てみた
ヤフオク出品者からの回答 ヤフオクでPLATINUM+4を出品し「適合はこちらで調べます」としていた出品者へ問い合わせ、「4417」であるとの回答を得た。
ということで、一番安く購入できるヤフオクよりPLATINUM+4を購入。価格はなんと、
●900円/本×4本=3600円(税なし送料込)。安い。。。イリジュウム系より全然安い。
取付準備 ●材料と工具の確認
材料 BOSCH PLATINUM+4 No.4417
コパスリップ
工具 ラチェット
エキバー各種
 (250、125、75、30mm)
ショートソケット(10,12,13)
プラグソケット
「−」ドライバー
メガネレンチ(オフセット有)
園芸用S字金具
荷物固定用ゴムひも
ティッシュ、タオル等
交換作業
(邪魔なもの外し)
レガシィのエンジンは水平対抗型。ピストンが水平に動くので、ボクシングをしているみたい=ボクサーエンジンです。プラグは横向きにエンジンに刺さっていますので、邪魔モノを取りはずさないとアプローチできません。。。面倒。
<今回外したモノ>
●エアクリーナーボックス
●吸気用ダクト
●ウインドウォッシャータンク

バッテリーも外したほうが作業性は高くなります。ただ、各種設定(トリップメーター、ラジオ選局、ECUの学習?)がリセットされます。
●エアクリボックスを外します。

カバーを外します。カバーの横を留めている2箇所のフックを外し、つなぎ目の金属バンドを緩め(青丸)、ストラットタワーの前辺りに接続されているエアフロセンサーのコネクタを外します。

後は力で引っこ抜きます!

※赤丸は意味ないです。

エアクリボックスを丸ごと外すので、赤丸あたりのボルトを12mmソケット+ロングのエキバーで外します。結構固いです。

ボルトがとれたら、後はゴムがフェンダーの方にハマッテいるだけなので、少し力を入れてエンジン方向に引っ張ればガバッと外れます。

←外れるとこんな感じ。簡単に工具が入りそうです。が・・・。
●ウォッシャータンクを外します。

ウォッシャータンクは、ココのボルト2本で留まっているだけなので外します。

外したら周りのコード、ウォッシャー液が通るパイプが抜けたりしないように持ち上げながら・・・

・・・ポンプの電源コネクタを外します。ここ、コードに余長が殆ど無いので簡単なのに大変です。手はベトベト真っ黒け、腰も痛くなること必至です。

外したら、作業中に落っこちてこないように、こんな風にしたり、紐で縛ったり、いろいろ工夫をしてください。

ちなみに、この時タンクは満タンでしたが、こぼれる様なことは無かったです。
交換作業
(プラグ交換)
●ダイレクトイグニション(DI)を外します。

★その前に、エンジンは十分冷えてますか?1時間半〜2時間位冷やしてからでないと熱くて作業しづらいですし、やけどの恐れがあります。

レガシィの場合は、プラグを外す前にカバーのように付いているダイレクトイグニションを外さなくてはなりません。

この写真は運転席側で、当初簡単に出来るだろうと思っていたのですが・・・・・

・・・・げっ、ショートソケットすら入らない。

この後、エキバーを繋いで回そうとしましたが、ボルトが固着しているのか回りません。

結局、オフセットのあるメガネレンチがナントカ入ったので初めの一撃のみメガネで回し、その後エキバー+ラチェットでうまく外れました。

ボルトが外れたら(DIからは外れませんので落とす心配は無用です)、手を突っ込んで引っ張ります。少々固いですが、「シュポッ」と抜けます。

プラグから抜けた後も、フレームに干渉して引っ張り出すのが大変ですが、力ではなくクルリと回したりして引き出してください。知恵の輪です。

抜けたDIです。ちなみに、前側と後ろ側とで電源コネクタに色の違いが有ります。クルマ前方の気筒は白コネクタ、後方は黒コネクタが付いています(右側左側同様)。これ、取り付けるときに逆にすると多分エンジンが壊れます。。。

ちなみにDIの反対側はこんな感じです。この穴にプラグがハマっています。

DIが抜けた後のプラグ。エンジン内側に入ったところにいますので、上からの見下ろす視線で見ている人間には見えません。これは、デジカメのみ突っ込んで撮った写真です。

穴がテーパー状になっていて、プラグレンチをプラグへ導いてくれそうです。


作業写真は無いのですが、というか、そんな余裕は無かったのですが、ココでは手探りでプラグレンチをプラグに被せ、しっかりはめてからエキバーを繋いでラチェットで外していきます。

私が使用したのはストレートのプラグソケット(90mmくらい)にエキバー(75mm)でした。両方首振タイプでしたが、狭いところでの作業なのでこれがかなりの大活躍。

プラグ外しは、結構トルクが必要なので、丈夫な工具をしっかりはめて、ゆっくり力を掛けましょう。プラグ舐めたり工具が壊れてしまっては大変なことになります。

●注意・・・プラグを外す時は、ラチェットの逃げ道を考えながら作業しましょう。勢いで緩めていくと、ラチェットのヘッドがフレームに挟まり、身動きが取れなくなってしまいます。しかも動かす度にドンドンクリアランスがなくなり・・・経験談。
まだウチのラチェットは上についている円盤を回せば回転方向が変わるタイプなので良かったですが、切替レバー方式の場合、最悪エキバーを切断するとか(どうやって・・・)しないと抜けなくなります。。。

外したプラグ。NGK-PFR6G。4本すべて均等に焼けていました。燃焼状況は良好でした。

これから取り付けるBOSCHのPLATINUM+4「4417」。圧縮ガスの漏れ防止と固着防止、更にはアーシング効果のため、コパスリップを塗ってみました。適応温度1100度なので、ココに塗っても溶けて垂れてくることは無いです。



あとは取り付けと反対の作業で締めていきます。完全手探りの作業です。まずプラグレンチにプラグをはめて、手探りで着座するまで回します。その後、エキバーを繋いで本締めします。

締め付けは、プラグに締め付けトルクが書いてあるのでそれに従おうとも思ったのですが、色々ホームページを観察していると、そこの情報(2.1±0.3Kg.m)の上限値よりちょっと高め。

・プラグ指定:19ft.lbs=25.8Nm
・HP情報(上限):2.4kg.m=23.5Nm
デンソーHPのネジ径14mmの推奨トルク
               =20〜30Nm

ということで、間を採って25Nmでトルクレンチを使って締め付けることとしました。トルクレンチは大きいので、最大エキバー3本を繋いでなんとか締めました。したがって、あんまり正確なトルクは出ていないと思われます・・・・。

プラグ交換が済んだら、DIを取り付け(ちゃんと穴にプラグのお尻がはまる様に手探り作業します)、DI取り付けボルトをしっかり締め、ウォッシャータンク(電源接続忘れずに)、エアクリボックス(エアフロセンサー忘れずに)、吸気ダクトを取付します。

接続もれ、工具置忘れ等のチェックをしたら、イグニション!うまく回ればOKです。

ちなみに、エアフロセンサーのコネクタを外したままエンジンを掛けると、アイドリングがうまく出来ず、エンストします。また、車内ではエンジン警告ランプが点灯します。
作業時間 撮影、手洗い、休憩コミ約3時間。初めてなのでこんなものです。慣れれば、、それでも2時間くらい掛かりそうな。。。
感想 吹け上がりが良くなり、エンジンが軽くなりました。特に1600rpm付近から一段上がって元気になる感じ。トルクアップ効果はあったようです。
燃費はこれから・・・。
カブリは起きないことを期待しております。。。

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