SRAMのXOリアディレーラを導入



【XOリアディレーラを購入】
 2006年1月21日、目が覚めると大雪。東葛も含め関東全体が夕刻まで雪だそうです。「これじゃ、さすがに自転車に乗れないな」とがっかりしていたら、ピンポーンと玄関 のチャイム。宅急便で自転車のパーツが届きました。明日届くと思っていたので、喜ばしいサプライズ。そうなんです。写真のヤツを買ってしまいました。

 これはSRAMのXOリアディレーラの新型です。私には全くの贅沢品ですが、昨年秋にこれを初めて見たときに一目ぼれしました。それから、買おうか買う まいか迷っていたのですが、ついに購入してしまいました。それで、どの自転車に取り付けるかと言うと、折り畳み自転車のPacific-18です。リア ディレーラは何回交換したら気が済むのだろうと、我ながらあきれます。

 一応もっともらしい理由をつければ、Pacific-18のチェーンの脱落問題を解決するためです。以前、シマノのXTディレーラをロングケージからミドルケージのものに替えて、その問題は解決したと思ったのですが、それでも脱落を完全には防げませんでした。チェーンがばたつくと、やはり簡単にチェーンが外れます。

 今回買ったXOディレーラはショートケージタイプです。それに、SRAMのリアディレーラはシマノ製品に比べて稼動部が1つ少ないので、二重の意味で チェーンのばたつきを抑えることができるのです。これでチェーンの脱落もゼロではないでしょうが、ほとんどなくなるでしょう・・・

 いやぁー、言い訳がましいことを書いていると疲れますね(笑) このディレーラ、とにかくカッコイイんです! ケージにカーボンを使っているので、従来型のXOディレーラに比べて存在感が違います。せっかくローノーマルに慣れたのに、またトップノーマルに戻すこと を差し引いても、自己満足度は極めて大きいです。

 シフターは、1つグレードを落として X9のトリガーシフターにしました。以前、XOのトリガーシフターが発表されたとき、クールだ、カッコイイと騒ぎましたが、現物をショップで見たら、思いっきり物欲がさめてしまいました。SRAMのホームページではあれほどクールに見えたのに、なんかモッチャリしている。カーボンケースもなんかセンス悪い。

 導入した人がいらっしゃったら、すいません。頭の中でイメージを勝手に膨らませていたので、実際の製品とのギャップが大きすぎて失望したのでしょう。まあ、シフター については、XOの次期製品に期待というところでしょうか(苦笑)




【XOリアディレーラを装着】
 SRAMのXOリアディレーラを折り畳み自転車のPacific-18に装着しました。スプロケが汚れていますね。お見苦しくてすみません(苦笑)

 ワイヤーの取り回しなど、いろいろ課題はありますが、とにかくカッコイイです。シマノ製品を見慣れていると、ホントとても新鮮です。ただ、SRAMのメカの構造はとてもシンプルで分かりやすいので、「これでこの値段か」という感はあります。もちろん、この分かりやすさが、SRAMの身上です。日本での価格設定がとてつもないのですね。

 ちなみに、旧型のXOリアディレーラは本体にカーボンプリントがされていました。この“なんちゃってカーボン”は、私には辛すぎました。せっかくの高級感が台無しのような気がして、「アメリカ人のデザインセンスはよう分からん」と思ったものです。ところが、新型ではカーボンプリントはブラックに代わり、センス抜群になったです。

 ところで、フレームのエンドに取り付けるブラケット部分は固定されており、シマノと違い回転しません。パンタグラフやゲージの部分だけが稼働するため、チェーンがバタツキにくい(はす)です。ただ、何かに強くぶつけると衝撃を吸収できないため、ディレーラが吹き飛ぶか、エンドを壊すかしそうです。まあ、街乗りのPacific-18ですから、そんな心配は無用ですが。




【XOリアディレーラのワイヤー取り回しとゲージについて】
 SRAMのリアディレーラは調整がシビアという話でしたが、大したことがなく、ちょっと拍子抜けでした。ただ、シマノ製品と違いワイヤーの張りを微調整するアジャスターが付いていません。シフター側のアジャスターだけで調整することになるため、ワイヤーをボルトで止める際に十分に引っ張っておく必要があります。

 SRAMのワイヤーの取り回しは、写真のようにぐるっと前方斜め上に回りこみます。シマノのようにアウターワイヤーで後から前に回してくる必要がないため、MTBに付けるなら非常に具合がいいはずです。言うならば簡易型のローラマジッグが付いているようなものです。しかし、Pacific-18などBD-1系の自転車では取り回しが難しくなります(その件はまた改めて書きます)。ロー・トップの調整ボルトはこんなところにあり、分かりやすく調整しやすいです。

 それと、ゲージはよく見るとカーボンは“なんちゃって”です。基本的にゲージは金属で出来ていて、カーボンで化粧されています。私は、それで構わないのですが、カーボンフェッチの人には不満でしょう。このカーボンが本物のカーボンか単なるプリントかは不明ですが(SRAMのホームページによると一応本物のようです)、全体の印象を安っぽくしないので、どちらでもノープロブレムです。




【シフトワイヤーの取り回しについて】
 SRAMのXOリアディレーラを折り畳み自転車のPacific-18に取り付けた際に、一番の課題はワイヤーの取り回しでした。SRAMのリアディ レーラではアウター受けがディレーラ本体の上方にあり、シートステーを這わせてきたワイヤーを自然に収容することができます。アウター受けがディレーラ本 体の後方にあるシマノ製品と異なり、ワイヤーを不自然に曲げる必要がなく、引きが軽くなるなどのメリットがあります。

 しかし、これはMTBに取り付けた場合です。独特のスイングアーム(チェーンステー?)にシフトワイヤーを通すBD-1系のPacific-18では、 うまくありません。というのも、スイングアームから出てきたワイヤーはディレーラの後ろに回り込みますので、通常の方法でSRAMのディレーラにワイヤー を取り付けようとすると、ワイヤーをかなり強引にS字にでも曲げるしかありません。

 うーん、どうしよう。ローラマジッグを 使うトリッキーな方法も考えましたが、ここは素直に、SRAMのディレーラのワイヤーの取り回しに逆らわないことにしました。つまり、スイングアームを通 すことをきっぱりとあきらめ、スイングアームの上部に沿ってワイヤーを這わせることにしたのです。ビジュアル的には多少変ですが、慣れの問題と割り切りま した。

 具体的には、リアディレーラからワイヤーをス イングアームの上部に回り込ませ、スイングアームの付け根あたりで下から通しています。そのままではワイヤーが暴れるので、スイングアームの付け根の部分 でタイラップで固定しています。

 スイングアームにワイヤーがこすれる箇所には、フレームの傷防止プロテクターであるJagwireの「Tube Tops 3G」を取り付けてあります。とりあえずの取り回しなので、良い方法が見つかれば変更したいと思っていたのですが、最近はこれで良いような気がしてきまし た。

 ただ問題は、アウターが長くなることです。スイングアームを通した場合、スイングアーム内ではインナーは剥き出しですから、その分、引きは軽くなりま す。今回のような取り回しでは、アウターワイヤーの長さは1.5mにも達します。この長さが引きを重くするわけです。まあ、これくらいは許容範囲と割り切 るべきでしょうか。




【ワイヤーとフレームの干渉を回避する方法について】
 自分で紹介しておきながら、こんな使い方があるなんて夢にも思わなかったです。フレームの傷防止プロテクターであるJagwireの「Tube Tops 3G」を、MTBのAttitudeXのアウターワイヤーに取り付けた話を書いたところ、それを読んでいただいた方が、別の使い方をご自身のブログで紹介されました。

 その方は、私のPacific-18と同じくBD-1系の折り畳み自転車FRETTA-Tにお乗りです。フレームのど真ん中、ダウンチューブ(?) のワイヤーがこすれる部分にベタリと貼ってある黒のビニールテープをはがし、代わりにワイヤーがフレームに接触する部分にTube Tops 3Gを取り付けたそうです。

 それを読んだとき、「あっ、その手があったか」と思いました。なんせPacific-18を購入してから4年間、フレームで存在感を主張し続けてきた黒 テープです。私の心の中では、Pacific-18のデザインの一部になってしまって、はがすことなど思いもよらなかったのです(笑)

 黒テープは、フレームがワイヤーにこすられて傷が付くのを防ぐものですが、Tube Tops 3Gをワイヤーに取り付ければテープは不要です。で、私もさっそく、この黒テープをはがしてみました。うーん、いい感じじゃないですか。見た目がすっきり として、パールホワイトのフレームがより美しくなりました。

 折り畳むとTube Tops 3Gの位置がずれるのが、問題と言えば問題ですが、気にするほどのこともないでしょう。



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