利根運河を走ろう!





 利根運河の両岸は、自転車で走るためにあるといっていほど、走りやすいロードと、変化に富み美しい自然に恵まれています。運河自体は「運河」の名の通り、明治に作られた人工物ですが、今のスーパー堤防のようなコンクリートの構造物ではなく、自然そのものです。人間の営みも自然の一部なのだと感じさせる存在です。北岸と南岸はそれぞれ趣が違います。写真は原則、西から、つまり江戸川から眺めたものです。皆さん、ぜひ走りに来てください。運河両岸は、東葛サイクリングの隠れた名コースです。


【利根運河北岸】



 利根運河をロードバイクで走るなら、ほぼ舗装区間が続く北岸の道がお勧めです。全長の約3分の2、東武野田線の運河駅までは一般道路です。自動車も結構通りますが、ドライバーの皆さんのマナーは良く、自転車で走ってストレスを感じることはありません。晴れていると、この写真の情景の中に、筑波山が見えます。




 運河大橋(松戸野田有料道路)の下をくぐり、東へしばらく行くと、南岸へと渡る小さな橋が現れます。「西深井歩道橋」が正式名称で、「なこうど橋」ともいうらしいですが、その名の由来は分かりません。その「なこうど橋」のたもとに、運河の水面に降りていく道があります。降りきったところが利根運河水辺公園です。




 利根運河水辺公園へと降りずに一般道路を行くと、左手にすぐ年代モノの一群の工場が現れます。利根運河北岸は野田市です。野田といえば醤油。メジャーブランドのキッコーマンの本拠地でもあります。この工場群は窪田味噌醤油という会社の工場で、隣の窪田酒造と合わせて、木造で味のある工場、あるいは倉が並んで居ます。通り過ぎるときに、風向きによってはとても良い香りがします。




 運河の水面にある利根運河水辺公園です。水面に水鳥たちが遊ぶ姿を楽しむことができます。人が南岸へ渡れる浮き橋が何本か架かっています。




 この浮き橋ですが、台風シーズンには水没や流出を繰り返し、私のブログのエントリーでも何度も取り上げた“おいしいネタ元”です(笑)。ただ、自転車で渡るには幅が狭すぎるため、今までこの橋を渡ったことはありませんでした。でも、自転車を担げばなんとか渡れそうです。実際、橋のところまで降りてみると、十分渡れることが分かりました。

 実際に渡ってみると、なんか船に乗り込むような感覚です。面白いです。それに浮き橋の真ん中に来ると涼しい!。利根運河の水面を渡る風が心地よいです。利根運河に浮かんでいる端なので、運河で水遊びしているような感覚があります。水鳥になった心地と言えばよいのでしょうか。




 江戸川河川事務所運河出張所の建物の一角に、NPOのコミュネット流山が運営する利根運河交流館があります。利根運河周辺のイベント情報が入手できるほか、ママチャリですがレンタサイクルも利用できます。ここでママチャリを借りて、関宿城を目指した人もいるそうです(驚)。ポタイベントも実施しているそうなので、チェックしてみるとよいでしょう。




 北岸の一般道路は、まもなく流山街道にぶつかります。その手間、ちょうど利根運河水辺公園の上には、利根運河最大の給水ポイント(?)です。自動販売機がずらっと並び、ソフトドリンクを買ったり、ミネラルウォーターを補給したりするのに最適です。ここから東には自動販売機の類はありません。江戸川から走ってきてドリンク切れの場合、ここで補給しておくのが賢明です。ちなみに、この流山街道を渡って左手が東京理科大学の野田キャンパスです。




 流山街道を渡って東に走ると、そこは自然の真っ只中です。ここからはサイクリングロードです。昔の武蔵野(ここは下総の国で武蔵の国ではありませんが)はきっとこんな情景だったのだろうなという景色が広がります。この辺りは、オオタカやノスリなど猛禽類にとって貴重な猟場です。ここを走っていると、ちょくちょくノスリなどに出会えます。そういえば、鷹匠のご一行に出会ったこともありました。皆、見事な鷹を従えていて、とても驚きました。ところでMTBなら、この辺りから東京理科大の理窓会記念林自然公園に入れます。自然林が残されたとても美しい公園です。




 流りしばらく走ると、サイクリングロードが切れ、ほんの少しだけ一般道になります。再びサイクリングロードに入る手前に左(北)に行く道がありますが、この道を行くと利根川サイクリングロードの野田区間へ行くことができます。このまま運河に沿って直進すると、利根川サイクリングロードの柏区間に向かいます。




 北岸を東に走り、運河水門の近くまで来ると、青い小さな橋が現れます。運河大橋をくぐった先にある「なこうど橋」と同じ作りの運河をまたぐ歩道橋です。この橋にも名があるようですが、私は知りません。ロードバイクで来た場合は、この橋を渡って南岸に行きましょう。この先は、運河水門の手前は未舗装です。もちろんMTBなら、このまま直進してOKです。




 いよいよ北岸のラスト、運河水門にやって来ました。ごらんの通り、運河水門の手前は未舗装です。このまま直進して、運河水門の方へ右折すれば、利根川サイクリングロードの柏区間に接続できます。


【利根運河南岸】



利根運河南岸は、2つのサイクリングロードから構成されます。国道16号線と交差する地点を境に、西半分が手賀沼サイクリングロード(正式名称は「我孫子流山自転車道線」)で、このサイクリングロードは国道16号線を南下し手賀沼方面へと向かいます(未完成)。一方、東半分が柏市サイクリングロードで、そのまま利根川へと抜け、利根川サイクリングロードの柏区間となります。江戸川から入ると、北岸と違いすぐにサイクリングロードになります。千葉県が整備する手賀沼サイクリングロードの西端ですが、この道は以前、独特の舗装でロードレーサーなど細いスリックタイヤですと、砂の上を走っているようなジャリジャリ感がありましたが、今では硬く舗装され、以前のようなジャリジャリ感はなくなりました。




 しばらく走って運河大橋をくぐると、右手がにおどり公園です。この公園の南側にはファンケルなどの工場がある流山工業団地です。におどり公園は、利根運河では利根運河水辺公園と並ぶ桜の名所です。ゆっくりと桜を愛でるには、この場所ほど適したところはありません。




 運河南岸から見た「西深井歩道橋(なこうど橋)」です。北岸へと渡れます。この橋を過ぎるとすぐ、サイクリングロードは利根運河水辺公園への下っていきます。




 サイクリングロードを下りきった南岸の利根運河水辺公園です。北岸側よりも美しく整備されています。水鳥たちが羽を休める情景も365日を通じてウォッチすることができます。




 利根運河水辺公園から東に向かい、流山街道と東武野田線の下をくぐり、サイクリングロードの上り坂を登りきったところは、「眺望の丘」とj名づけられた桜の名所です。桜の並木が続いており、花の季節には素晴しい景色になります。運がよければ、利根運河に舞い散る桜吹雪を見ることができます。




 以前は、このあたりから未舗装区間が、国道16号を下るところまで続いていました。それが2006年3月に眺望の丘が舗装され、2007年2月に国道16号の西側500mほどが舗装されました。そして、2008年3月には残りの部分がすべて舗装されました。私としては、南岸の未舗装の土手の風情が好きだったので、少し残念です。




 道はやがて国道16号の下をくぐります。千葉県が整備を進めているこの「手賀沼サイクリングロード」は、このまま国道16号を南下し、完成すると手賀沼南岸で整備の進むサイクリングロードと接続され、全長31kmのロング・サイクリングコースになるはずです。それとは別に、ここから大堀川を経て手賀沼へ向かうルートがあります。詳しくはこちらからどうぞ。




 国道16号をくぐると、「柏市サイクリングロード」の看板が目にとまります。利根運河南岸のうち柏市の部分は柏市サイクリングロードと呼ばれ、そのまま利根川にまでつながり、利根川サイクリングロードとなります。言い換えると、柏市サイクリングロードは、利根運河南岸の東側と利根川右岸の柏市区間からなるサイクリングロードです。




 運河水門の近くにある「山高野歩道橋」を通り過ぎると、利根川はもうすぐです。以前は、結構交通量の激しい我孫子関宿線を横断するしかなかったのですが、我孫子関宿線の下を通りぬけるエスケープロードができました。ここを通ると利根川はもうすぐです。詳しくは、こちらのページをどうぞ。



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