手賀沼サイクリングロードを走ろう!




 2011年(平成23年)の完成を目指して整備が進む手賀沼サイクリングロードは、完成すると江戸川と利根川を結ぶ全長31kmのサイクリングロードとなります。江戸川サイクリングロードと並ぶ東葛地域の代表的なサイクリングロードとなるわけですが、現時点でも既に多くの区間が開通し、変化に富んだ景色を楽しみながら走ることができます。このページでは、そんな手賀沼サイクリングロードの魅力や整備工事の状況を順次紹介していきます。まずは、手賀沼サイクリングロードの“顔”とも言うべき、手賀沼南岸一帯の区間からスタートです。







 手賀沼サイクリングロードのうち、手賀沼南岸を走る区間は『手賀沼自然ふれあい緑道』という遊歩道と併設です。2車線のうち沼側が手賀沼サイクリングロード(我孫子流山自転車道線)だそうです。そういえば、2車線の沼側には「自転車道」とペイントされていますね。しかし、これが何の意味があるのでしょうか。ほとんどの歩行者や自転車乗りは、このことを知りません(もちろん歩行者はサイクリングロードも歩いていいわけですから、そんなことを気にする必要もありません)。おそらく千葉県というお役所仕事ですから、手賀沼自然ふれあい緑道と我孫子流山自転車道線の担当部局が違うのでしょう。それ以外に合理的な理由が見当たりません。

【追記】自転車はどこを走るべきか、でトラブルが発生しているようです。可能な限り「自転車道」を走った方がよいでしょう。もちろん危険回避のためなら、「緑道」側に出てもよいと思います。



■手賀沼南岸:西側区間

 手賀沼南岸のサイクリングロードのうち、いち早く完成した区間です。西はJR北柏駅付近、東は手賀大橋までです。この区間は全体が公園といった風情で、柏市街地にも近いため自転車だけでなく、ジョギングや散歩をする人が多数見られます。でも、道幅が広いためロードレーサーでも気持ちよく走れます。




 手賀沼南岸のサイクリングロードの西端です。ここを右折すればJR常磐線北柏駅です。さらに、利根川サイクリングロードの柏区間へ向け北上することもできます。2007年2月から、この先のJR常磐線と、さらにその先の国道6号の下をくぐり、手賀沼へ西から流れ込む大堀川の遊歩道(大堀川リバーサイドパーク)に行けるようになりました。

 大堀川遊歩道の東半分は手賀沼サイクリングロードの一部に設定されており、未完成のルートが出来上がれば、既に完成している柏の葉公園の東側の道に接続されるはずです。ただ、それとは関係なく、この大堀川遊歩道を経由して利根運河に向かうサイクリングに適したルートがあります。詳しくはこちらを参照してください。





 さて、この西端から手賀沼の南岸を走ってましょう。2車線、手賀沼よりが自転車道です。




 すぐに、特徴のある建物が見えてきます。この建物は「北千葉導水ビジターセンター」といいます。実は、この建物を含む施設は、手賀沼の水質を守り、水害を防ぐ重要な施設なのです。




 実は、手賀沼サイクリングロードに平行して、利根川と江戸川を結ぶ28.5kmの導水路が地下に埋め込まれています。というか、手賀沼南岸のサイクリングロードは、この導水路敷設事業に合わせて整備されたのです。 導水路の役割は、そのままでは水質悪化が進行する手賀沼に利根川の比較的きれいな水を供給したり、洪水の恐れがあるときに手賀沼の水を利根川や江戸川に放出したりすることです。

 そして、北千葉導水ビジターセンターは、その導水路の役割やしくみ、利根川や手賀沼の自然について紹介する資料館です。建物の外には清潔なトイレがあり、8時〜16時の間、利用することができます。




 北千葉導水ビジターセンターのすぐ東側に導水路の水を手賀沼に放流している施設があります。手賀沼の本体に比べ、この辺りは水が比較的きれいなため、魚が集まってきているようです。いつも釣り人で賑わっています。




 北千葉導水ビジターセンターなどの施設を通り抜けると、いよいよ手賀沼が本格的に姿を現します。手賀沼の中央部を渡る手賀大橋までは歩行者も結構いますが、道幅が広いので楽に走ることができます。




 間もなく大津川に架かる「ヒドリ橋」が見えてきます。橋から見下ろせる河口付近は釣りのメッカです。バスか鯉かそのあたりでしょう。この大津川に沿って松戸方面に南下する一帯も、自転車で走ると楽しいです。田園風景の中を走る風情で、地図を持たず道に迷ってみるのが素敵です。ヒドリ橋の東側の駐車場にトイレがあります。




 手賀沼サイクリングロードには、こうした展望施設が複数あります。そんなに高さはありませんが、気分爽快です。




 中間地点の手賀大橋に近づいてきました。手賀沼は東西に長く、南北には短いため、常に沼越しに北岸を見ながら走ることになります。




 手賀沼の真ん中に架かる手賀大橋です。この橋の脇に「道の駅しょうなん」があります。手賀沼で最大、そして唯一の食料・飲料補給ポイントです。柏市街地に近い西側はともかく、手賀沼南岸の東側には自動販売機も含め何もありません。もし、食料や飲料が必要なら、ここで確保しましょう。もちろん、トイレも利用できます。


■手賀沼南岸:東側区間


 手賀大橋をくぐって、手賀沼南岸の東側に入ります。ここからは歩行者の数が一気に減りますので、ロードレーサーなどでの高速走行が楽しめます。




 手賀大橋をくぐったところ、ちょうど「道の駅しょうなん」の向かい側に、天然温泉の「満天の湯」ができました。看板がめまいがするほどダサいことや、なぜ道の駅があるのに野菜の直売所があるのかといったツッコミはよしましょう(笑)。この満天の湯、自転車乗りにはポイントが大きいです。なんと、足湯が無料で利用できます。

 足を温泉の中に浸してみると、ムチャクチャ気持ちいいです!自転車をこいで少しけだるさのある足に、抜群の癒し効果です。特に、足を前に伸ばしてふくらはぎまで湯につけると、もう極楽そのもの。満天の湯にお金を払って入らなくてもいいかって感じです(笑)。皆さんも、手賀沼サクリングロードを走った時は、是非利用してみてください。そういえば、この満天の湯ではレンタサイクルもあって、無料で貸し出しているそうです。

 ここから手賀大橋を渡ると、北岸に手賀沼遊歩道があります。南岸のサイクリングロードと違い、細い小道がくねくねと続いています。歩行者優先でスピードは出せませんが、季節の花の咲く美しい遊歩道です。





 やがて手賀沼の対岸に鳥の博物館が見えてきます。手賀沼は、紀宮様がお勤めになっていた山階鳥類研究所があるなど、野鳥の宝庫です。その野鳥たちが夜眠るのが葦(?)の群生が、手賀沼の南岸には至るところで群生しています。




 手賀沼サイクリングロードでねぐらへ帰る鳥(スズメ、ムクドリ?)の御一行様を見かけました。200〜300羽ぐらいの大集団でした。時間は18時 45分ごろ、まさに太陽が西に沈む直前です。どこへ帰るのかなと思っていたら、この後すぐ目の前を横切り、手賀沼の葦の茂みの中に、あっという間に吸い込 まれていきました。日没のころ、毎日繰り返される光景です。




 手賀大橋をくぐってからしばらく走り、サイクリングロードが北東に向きを変えた辺りに蓮の大群生があります。年々、生息領域を広げており、そのうち手賀沼を覆い尽くすにではないかと思えるほど、この群生は生命力の塊です。写真のような木道も整備されています。7月には可憐な花があちらこちらで咲きますので、ぜひ自転車を止めてご覧になって下さい。




 手賀沼南岸の東側にも、西側と同様の展望施設が作られています。そこから眺めると手賀沼の風情もなかなか趣がありますね。




 水路を渡る小さな橋が見えてきます。その手前には、こんな休憩施設がありますが、人はほとんどいません。




 橋の欄干から見た手賀沼です。美しいですね。しかし、写真の砂州はヘドロの集積だそうです。かつて、手賀沼は近隣の排水が流れ込み、とても汚れた沼でした。それが、近隣住民やボランティア、行政の努力で随分きれいになりました。このヘドロの集積ですら、野鳥の棲みかになっています。

 写真を撮ったときにいたのは白鳥です。親鳥の後を追いかけるのは、まさに“醜いアヒルの子”。この幼鳥は、手賀沼で生まれた白鳥の子です。餌付けをしているおじさんの口笛を聞いて、おじさんの方に泳いでいく親鳥の後を追っかけている途中です。おじさんに聞く と、5月(2005年)に生まれたそうです。





 橋を越えると、また休憩施設があります。この先、サイクリングロードは南東方向から北東方向へ90度向きを変え、手賀沼の東端へと向かいます。




 いよいよ手賀沼の東端が近づいてきました。導水路関連の施設の脇に、立派な公園が整備されています。しかし、ほとんど誰もいません。




 手賀沼南岸のサイクリングロードの東端です。その先を行けば、手賀川沿いのサイクリングロードへと続きます。左折すれば、手賀沼の北岸に回り込め、手賀沼遊歩道へ向かうことができます。また、そのまま北上すれば、風光明媚な岡発戸峠を越え利根川の大利根橋に向かうルートがあります。




 手賀沼南岸の東端に架かる手賀曙橋を渡ると、手賀沼フィッシングセンターがあります。ここには食堂があり、鮎や鯰など川魚料理を楽しむことができます。外にはニジマスの釣り堀なんかがあり、自動販売機やトイレも利用することができます。実は、自転車に本格的に乗るようになって6年余り、このフィッシングセンターの傍を何度も通り過ぎましたが、今まで単なる漁業協同組合の事務所だと思い込んでいました。いやーあ、思い込みというのは怖ろしいものです(苦笑)


■サイクリングロードが未整備のころの手賀沼南岸


 サイクリングロードの整備工事が始まる前は、こんな一般道路が走っていました。ご覧のように、この道路は土手よりも低く、手賀沼はほとんど見えません。手賀沼南岸の道路はすべてこんな状態でした。自動車がほとんど通らなかったため、高速巡航が可能で、ロードレーサーの練習のメッカでした。ただし、堤防より低いところを道路が走っているため、手賀沼の水面を見ることは、ほとんどできませんでした。


■サイクリングロードの工事が始まったころの手賀沼南岸


 2004年の工事途中の手賀沼サイクリングロードです。まず、西端から手賀大橋の手前までがいち早く完成しました。そして、東端から手賀大橋へと工事が延びていき、最後は手賀大橋の周りが完成しました。


■手賀川沿いのサイクリングロード


 手賀曙橋の所が手賀沼の東端で、そこからは手賀川に変わります。その川沿いを手賀沼サイクリングロードは東に伸びていきます。現在は3km弱が整備されており、この完成区間は川の南岸を走ります。この区間は全くの田舎道といった印象で、手賀沼南岸とはまた違った風情があります。

 実はこの手賀川も、この辺りから南に向かったところにある、もう一つの手賀沼(通称、下手賀沼)も、昔はまとめて巨大な手賀沼の一部でした。江戸時代から300年にも及ぶ干拓事業の結果、このような地形になりました。つまり、この辺りの田んぼは、すべて手賀沼の一部だったのですね。




 東端は浅間橋という小さな橋で、その橋を北岸に渡った所までが現在整備されています。ここで右折して南へ向かうとサイクリングに最高の一般道が国道16号線まで約10km続いています。 また、左折して北へ向かう道を辿ると東葛サイクリングの“要衝”の1つ、JR成田線布佐駅に行けます。



■手賀川沿いのサイクリングロード:浅間橋以東 (未整備)


 浅間橋を北岸に渡った所から今度は主に手賀川の北岸を東に走り、最終的には利根川へと向かう手賀沼サイクリングロードの最東部です。ただ、整備工事のスケジュールはよく分かりません。




 浅間橋から未舗装の道を走ってみたら、500mほどで突然、舗装道路が現れました。約1kmほどの舗装道路ですが、ちょっと驚きです。なぜ、こんな舗装をするのでしょう? 手賀沼サイクリングロードは浅間橋まで伸びているのだから、そこから舗装を延長していけばよいのにと思うのは、私だけでしょうか。とにかく、手賀沼サイクリングロードは不思議がいっぱいです。


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