*** MENU ***
田舎暮らしの記
アンティマキの商品
草木染めノート
石窯とパン
タカキビのこと
食べ物ノート
動物のこと
リンク集
問い合わせ
更新日
石窯とパン
石窯で焼いたパンは、外はパリパリ、中はしっとり。
間伐材として切り出した、燃やすにはもったないような太い丸太が、
窯の中で赤々と燃えています。
稲武の石窯
クラハシ流らくらくパン
パン日記
稲武の石窯
稲武地区夏焼の公共施設、ハウスポニーには、2基の石窯がある。ひとつは下から火を燃やし、中の窯を暖める方式の窯。もうひとつは、いささか小ぶりの窯で、窯の内部で火をたき、温度が上がったら薪を取り出すというものだ。こちらはつい最近出来上がったばかりだ。どちらも町が募集したボランティアの人たちが作った。
2年前発足した「石窯の会」では、この窯を使って、パンや料理を作り、ときには町内外の人を呼んで、石窯料理の講習会も催している。私もそのメンバーの一人だ。
会で最初に作ったのがスコーン。何の変哲もないごく普通のスコーンを焼いたのだが、水気が適度に抜け、サクッとした感触がすばらしかった。このスコーンを食べて数日後、自然食品店で売っている、素材も作り方も数段優れているスコーンを食べたのだが、石窯スコーンのほうが、おいしかった。焼き方によって味がこんなに違うものかと、驚いたことだ。
稲武の石窯は、素人が作ったうえに大きいので、火の回りが遅く、温度も場所によって異なる。密閉性も低い。それで、最初のうちは黒焦げになったり、生焼けだったり、ずいぶん苦労した。最近になって、下で燃えている火の様子を見て、次にどうすればよいか、少しは判断できるようになってきた。はじめに細い木を何本も入れて温度を上げる。ある程度上がったところで、大きな太い間伐材をドンと入れて、メラメラと燃え上がるのを待つ。待つ時間もなかなかいいものだ。
講習会ではピザやパンのほか、野菜やきのこ、鶏肉なども焼く。カボチャやナス、ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、トウモロコシなど、丸ごと焼く。じんわり焼いているせいか、野菜の持つ甘みが凝縮されているといった感じだ。とくにサツマイモは好評で、日にちがたっても、石窯で焼いた芋はおいしいという人もいる。
ミネストローネやポークビーンズなども、無水鍋に材料を入れて石窯に入れておけば、1時間ほどで出来上がる。回りからあたためられるからなのか、材料の一つ一つにふくらみを感じる。
稲武町の石窯については、『石窯のつくり方・楽しみ方』(農文協刊)の著者・須藤章さんのホームページに詳しく紹介されている。(
http://homepage3.nifty.com/ishigama/index.htm
)
▲TOPへ
クラハシ流らくらくパン
昨年、この石窯でパンを焼き続けた人がいる。車で1時間半以上行った町に住む倉橋知栄さんだ。彼女は、稲武の石窯で焼くのにふさわしいパンを考案した。それが、「クラハシ流らくらくパン」だ。石窯の会の講習では、このパンを主に焼いている。
らくらくパンの特色は、とにかく簡単なこと、場所をとらないこと、この2点だ。パン作りといえば、こねる作業が大変だという印象が強い。こねるためには場所がいる。体力と場所がないとパン作りは無理だと一般には思われている。
ところがこのパンはどちらも不要だ。シール容器(密閉容器)ひとつで、こねから発酵までを行う。こねといっても混ぜるだけ。それなのに、出来上がったパンはなかなかのものだ。ガスオーブンで焼いても、けっこういける。
材料は、強力粉・ドライイースト・油・塩・砂糖・水。
計量したらシール容器にすべて入れ、混ぜる。
ふたをして、10分ほど放置したあと、さらに30回ほど混ぜる。こねなくてもいいし、たたかなくてもいい。
そして一次発酵に入る。
1.5倍にふくれたら、パンチをしてガスを抜く。そしてさらに2倍くらいにふくれるまで待つ。
成型して2次発酵。
レーズンやクルミなどの具は、最初から混ぜてもよし、2次発酵の直前に入れてもよし、あまりこだわらずにやっている。
2次発酵が終わったら、焼く。ガスオーブンなら170度で30分程度。
石窯で焼く場合は、500グラムの粉で一個のパンに成型する。どでかくて豪快なので、講習会のときは、窯からパンが出てくると同時に、必ず感嘆の声が上がる。
私は、粉には、全粒粉、ライ麦粉、たかきびの粉、たかきびのぬか、玄米ご飯そのほかいろいろな雑穀を、1割から3割ほど混ぜる。粉は外国産のオーガニックパン専用粉か国産の強力粉を使う。油はオリーブ油、砂糖は大島の原糖かきび糖、てんさい糖など、塩は自然塩にしている。ドライイーストは粉の2%、ホシノの天然酵母なら8%、生イーストなら4%必要だ。
水を牛乳やトマトジュース、フルーツジュースに代えてもよい。
▲TOPへ
パン日記
*パンかつ
パン好きは、小学生のころからだ。米のご飯が嫌いで、パンであれば、持ち帰った給食のパンでもよかった。土曜日のお昼などに、一人でよく作ったのが、これだ。硬くなった食パンを水溶き小麦粉にしばらくつけておく。卵などいれない。贅沢だからだ。牛乳も無い。その汁にしばらくつけておき、やわらかくなったところでフライパンを熱し、油を入れる。パンの両面を焼いて、キャベツの千切りを載せ、ウスターソースをかける。母が持っていた料理の本の中で見つけたような気がする。パン自体をカツレツに見立て、添え物のキャベツを上に載せて一緒に食べるという、ジャンクフードの走りのような代物だ。家族は誰も食べなかったような気がする。わたしだけ、一人で熱いのをほおばっていた。
▲TOPへ
© 2005 Makiko Murata. All rights reserved.
このサイトに記載されている内容の無断転載を禁じます。