山や野原、庭で採った草、花、木からさまざまな色が生まれます。その色合いには落ち着きと気品があります。季節により、土地により微妙に変化するので、あるとき、ある場所で採った草木から出た色は、二度と出すことのできない色かもしれません。そんな自然の生み出す色は、色と色がぶつかり合わず、美しい調和をかもし出します。
アンティマキの草木染めは、愛知県豊田市稲武地区の野山で主に採取した草木で染めています。媒染剤には、椿灰汁、草木灰汁、鉄溶液、酢酸銅液、石灰などを使っています。なるべく天然の素材だけを使って染めているので、色落ちすることもありますが、ふたたび別の植物で染め出すと、ひと色の植物だけで染めた色とは、また異なった味わいが生まれます。
たとえば台所にある紅茶やコーヒー、たまねぎの皮、カレー粉などを煮出してさらし布でこしてから、色あせた布をつけます。色がなかなか出ないようなら火にかけて煮てください。箸でかき回すことを忘れないで。色がついたら、そのまま液がさめるまで待ちます。その後、水でよく洗って陰干しします。(go to 草木染めノート)